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〜 女房の呟き 〜
■□■



 福音 2

私より十程も年かさの男は、
静かに言った。

キミハ、ボクヲバカニシテルノカイ?


私は小娘。
何も持ってない。
知識も、知恵も、金も。
女の色気も、美貌も。何も。

私ばかりが得をして、
貴方に何もしてあげられない。
本気で悩んで本気で泣いた。


一人で泣くに疲れた私は、
男の前で涙した。
浅はかな小娘の傲慢な勘違いだった。


2002年04月26日(金)



 福音

その言葉に、
私は今でも救われている。

遙か昔、
電話で話しただけの見知らぬ人。
話の筋は忘れた。
が、その言葉に衝撃を受けたのは確かだ。
不思議な印象だった。

「私なんかでいいのかと思う」
男とつき合う己の心許なさから、私は傲慢に呟いた。


「キミが楽しいと思う時、
 相手も楽しいものなんだ。
 
 つまらない考えは止めなさい」


2002年04月25日(木)



 テツガクする

日頃の会話に
「哲学」なんてシカツメラシイ言葉を潜ませると、
人は鼻白むけど、

それは
ガッコのおべんきょのようにコムズカシイものじゃなくて、
普通のことで、

生活の上で起こる困った事とか、
犯してしまった失敗について、
逃げることなく、

そこを基点に、
自分はどういう風に納得しながら生きゆくか、
を考えることです。

2002年04月24日(水)



 自問自答の日々

たかが人ひとり。
何ほどに他人様に関わり合えるものか。
そう思って生きている。

ツメタイ奴だと誹られても仕方ない。
私は、己の器を越えて生きる程勇気がない。

自戒と謙虚のフリをして、
せめて見せかけの自信を盾に、漸くに平衡を保つのだ。

だから、
敢えて平衡の羽を折る時は、
絶えず自分を疑っている。


コレデイイノカ?

2002年04月23日(火)



 壊して創る

誰だって、
自分がタダシイと思いたいし、
上手くやってると思い込みたいのだよ。

けれど、
幾ら抜け目なくタダシクやってるつもりでも、
間違うことはあるのよね。

その事実を諦めず、
砕け散ったタダシサの欠片を拾い集めるのは
みっともないぜ。

キミが握りしめていたタダシサは
既に壊れたんだ。

瓦礫を踏んで、前進しようよ。

2002年04月22日(月)



 物は言いよう

人付き合いの知恵。
繰り返される話題だが、相変わらず興味深い。
テレビ番組で。

口から零れた言葉は、
二度とすくい上げることができない。
垂れ流される不注意。

今ある結果が同じでも、
想いの丈は変わらずとも、
言葉がが分かつ印象の残酷。


デキマセンデシタと言うかわりに、
ドウシタラデキマスカ?と言えば許せるのに。



2002年04月19日(金)



 食卓のマナー

叱られて、
ふくれてスネて、
仕方なく食べるご飯は味がしなかった。
子どもの頃。

怒りに任せ、
乱暴に調えられた食事は、
湯気立てながら冷たかったよ。
お母さん。

不平や不満が上る食卓は、
ゴメンダと箸置く夫。
あぁその通りね。
ごめんなさい。

何があろうと、ご飯は楽しく。
折角だから、
ニコニコ笑って、美味しく食べよう!

2002年04月11日(木)



 叱る/叱られる 2

叱るに未熟な私は、
未熟に怯えて子も持たず、
大のオトナ相手に修行中なのだが、

相も変わらぬ堂々巡りに頭を抱え、
時に苛立ち、時に己の不甲斐なさに溜息つく。

そんな時。
我が身と比べる失礼承知しながらも、
子を叱る親たちのすごさを思う。

愛する者が、
愛されることを知るように、

叱る術は、
叱られる術が培うものか?

2002年04月10日(水)



 泣いた赤鬼

赤鬼は優しくなんかないのだよ。
声高に「ボクは優しい」と言いふらしてるだけで。

赤鬼は可哀想ではないのだよ。
己の異形を言い訳にして、自分を哀れむ卑怯者サ。

もてなすための茶菓だとて、ひとり善がりの供え物。
一体、誰をもてなすのやら。


たった一人の友達の優しさに泣いた時、
奴は気づいたろうか。

己の傲慢と怠惰に。

2002年04月09日(火)



 フツーのオバサン

と、自己紹介したら、
ゴメンオチマスとそそくさ退室したキミ。
OPチャットにて。

いや、キミは、実にタダシイ。
用もないのに、ツマラン長居をされるよかイイや。
相手の年齢に照らして、オバサンだって言ってんのに、
粘る奴にはマジ、ヨワル。

「エー、ホントハイクツ?」
とかウザイ質問を重ねるな、若者。
時間の無駄だろ?

2002年04月08日(月)



 チョー直近のありがとう

目覚めた時には日が高く、
ワイドショウが始まり、

そしてアナタはいなかった(汗

落とし忘れたノートを開き、
朦朧とした頭でメールを打つ。

「ひーごめんなさいッ」

程なく届いた返信は、
いつもながらの優しい言葉。

「お互い様です。気にせずに」

ディスプレイに向かい手を合わす。

この人に。
彼と出逢えた運命に。

ありがとう。


2002年04月04日(木)



 爺ィは口が減らない 2

「いや、医学的には適当な体重かと。
 大きな外科手術も大丈夫。ヨカッタですね」

「デモ、美容的には”太りすぎ”でしょうか。
 いえっ、ボクには丁度いいんですよ」

「言うなれば、ボクは青葉さんの下半身フェチ。
 いえ、全身フェチかしら。あははっ」

目を合わさずに済む背に向かい、奴の饒舌は止まらない


・・・憶えてらっしゃいッ(泪


2002年04月02日(火)



 エイプリルフールの逆襲

夫は、
私以上にインチキで、
私以上に嘘臭いので、
私はいつも騙されっぱなし。
というか、
インチキで嘘臭い私だけど、
嘘つかれるには鈍感で、騙され易いのダ。

それで、夫は楽しくて堪らない。
「ウソヨネ〜」
とネタばらしをしてはニヤけてる。

さても本日四月馬鹿。
本領発揮と危ぶんでたら、
日頃のツケが回って寝込み中(笑

2002年04月01日(月)
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