女房様とお呼びっ!
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2002年02月27日(水) |
祝・ご卒業 〜言い訳にかえて〜 |
あとひと月もすれば、街にフレッシャーズが溢れる。その時点をもって、今年度入社組は、「新人さん」をご卒業。今度は、新人の先輩となるのだね。おめでとう。そして、一年のご勤務、お疲れさま。慣れない社会で慣れない仕事、苦労も沢山あったことと思う。「社会人は厳しいゾ」頭でわかってても、再々凹んだかもしれないね。
ところで、「新人さん」の肩書きが外れるのは、どんな気持ちだい?せいせいするかな?ちょっぴり不安かな?私もかつては新人だったから、その気持ちを想像出来るけど、生憎と随分トウが立っちゃったから、「新人さん」でなくなるキミ達のことを思うと、これからがホントに大変ナンダヨ〜とお節介な気持ちになるんだね(笑)
・・・・・。
そもそも、なんで「新人」にさんつけをするのか。これ、鬱陶しく思ったことないかナ?社会の仲間入りをして、ヨシ!バリバリやるぞぅ〜と張り切ってたのに、「新人だから未熟で当然」とあしらわれてるみたいで、気を殺がれた人もいるかもね。しかし、どうだろう。その肩書きに、キミは随分と救われたんじゃないかなあ?
トウの立った人間から見ると、「新人さん」は大変だ。何もかもが初めてで、コピーの取り方から教わらないと、仕事にならない。あ、新人だって、それ位ワカルサとムッとしたかな?あはは、違うのよ。キミが自分の都合でワカッテルことなんて、多分、殆ど役に立たない。使えるようになるまでの期間、それが「新人さん」だ。
やっぱり、どう足掻いても、新人は未熟だと思う。どんなに優秀な人だってね。本音を言えば、新人を使うのは効率悪い。けど、使わなければ、いつまでも未熟のまま。だから使う。このジレンマ。胃に悪いや(笑)そこで、ひとまずのエクスキューズとして、「新人さん」と呼び分ける。お互い様に、少しは気が楽じゃない?(笑
・・・・・。
ここで、いきなり「身近な奴隷」について。実は先日、奴も目出度く「新人さん」をご卒業の仕儀となった。首輪をかけてから、一年経ったということだ。いやいや、どうもご苦労さま。私のゴザの上のルールや考え方に、戸惑い悩んだ一年だったね。失敗も沢山重ねた。しかも、なぜそれが失敗なのか、理解に苦しみながら。
その度に、私としては結構な手間をかけて、事細かく説明したつもりだ。しかも、奴の経験に照らし、ビジネス上の喩え話に基づいて。それでも、失敗した事自体に挫けて落ち込む奴を、「新人さん」だからしょうがないヨと励まして、奴が希望を失わないよう・・・つまりは、私の元を逃げ出さないよう、心を砕いてきたんだね。
それが一年。この日を実は心待ちにしてた(笑)「新人さん」の甘さに、互いに縋ることなく、ままごとをグレードアップさせる決意を胸に。・・・いや、本音を言えば、私がもうちょっと楽出来るようになるために(笑)。勿論、奴に変わる新人が入ってくるワケじゃないし、論に無理があるかもしれないが、いい区切りと思ってサ。
・・・・・。
こんな腹があったものだから、一年抱いた愚痴をひけらかしてしまったんだ、と言い訳しとく。んまー、ワタクシお得意の誤魔化しとも言えるな(笑)もっとも、言い訳の上塗りながら、腹づもりしてたんなら、それなりのやり方があったろうにと反省もしている。・・・が、ショック療法てな感じでどうよ?(遂にインチキ炸裂、笑)
とまれ、ご卒業おめでとう。またの一年、これまで以上の研鑽を期待してるよ。
オンナの私が思うに、どれ程好きで共にいる恋人同士や夫婦でも、いつだかに愚痴の一つや二つ出てくるのじゃないか?それも、お互い様に致し方ないような詮無い愚痴…例えば「もちょっと金を稼げればね」とか、それを言っちゃあオシマイヨってな愚痴…例えば「もちょっと相手の背が高きゃね」とか。ま、大体その辺の愚痴。
夫と同棲を始めた頃の私は、今ほどにダラシナクなかったのだが、それでも身の内に湧いてくる、ソレヲイッチャーオシマイヨ的愚痴に苛まれた。まだ若くて、今よりずっとカッコツケだった私は、その処し方が解らずに、コトもあろうか、身近な識者に相談したりした。「皆さん、どうしてらっしゃるのでしょう?」笑われた。
今じゃ私も、それなりのオバサンになって、愚痴をどう捌けばいいのかもわかってきた。一番手っ取り早い解消法は、女友達に聞いてもらうことだ。「愚痴カマシテイイ?」相手もソコソコのオバサンになっているので、自分の与り知らぬ事情でも、二つ返事で引き受けてくれる。「カマセカマセーッ」と勇ましい。有り難いね。
・・・・・。
日曜に掲示したダラシナイ記事は、実の所、ソレヲイッチャーオシマイヨ的愚痴として、これまでも再々に友人にぶちまけてきたことだ。もちろん、ネタがネタだけに、友人も同種の趣味を持つ。ひとしきりエキサイトし終えると、何やら憑き物が落ちたようにせいせいとして、最後は「そりゃ惚気っスか?」と呆れられてチョン。
彼女のお陰で、本当に救われてきたヨ。幾ら私が暢気でも、気持ちが澱むとそれだけで弱るからサ。下手すると、その澱みで自家中毒を起こす、最低な結果を招くしサ。早め早めの手当が肝要。・・・っと、そうなのよ。長年かけて会得した自律法のひとつは、こうした他力本願に拠る(笑)凡人な私には、完璧な自浄なんて無理なの。
この観点から、身近な奴隷にも、澱みをリークする場を用意しておけと言ってきた。当然それは、SM(DS)な事情を受容してくれる土壌でなくてはならないと。で、実際、奴はその命に従ったのだが、どれ程の効果をあげてるのだろうねぇ。少しは成果を得たと聞き及んだが、まだまだ、自家中毒を起こすのが好きみたいだワ(笑
・・・・・。
しかし、ここでハタと思う。愚痴をヨソで発散して、スカッと自分を取り戻す方法は、もしかすると、オンナ特有のものなのかしら?まぁ、勿論、女も色々だから、全くの共通項とは思わないけれど。男同士でも、愚痴をぶちまけあったりするのかな?・・・うーん、これも人によるか。そうだナ、そうだ。人それぞれなんだろう。
とは言いつつ、DSなんて身近に規範の少ない場にあると、その愚痴だの悩みだのの解消は、なかなかに厄介だろうと想像する。これが、たぶん、性癖によらずマイノリティが結集する理由だと思う。本人の精神力や自律能力が幾ら優れていようと、判断材料が乏しい中で適切な考えに辿り着くのは、かなりの困難を伴うだろうから。
事実、夫は、自浄自律に長けた人間なのだが、「従」の頃は、私以外の同志と悩みを分け合っていたもの。つまり、彼がSM同好会を主宰した動機は、まさにそこにあったのだと思う。ただ、彼に限らず、M男性の愚痴や悩みを聞く相手は、決してS男性じゃなかった。更には、S男性が表だって愚痴たれた例は、ついぞ聞かない。
その同好会には、結構S男性も参加してて、例会などは、SだのMだのの隔てなく、盛り上がったものだ。だから、別にS男性が輪の外にあったワケじゃないのに。
・・・・・。
さて、ここで、私が積年胸に抱き続けてる、大きなお世話、余計なお節介に辿り着くのだが・・・ええぃ、この際だから言ってしまおう。「S男性は、その辺、どうしらっしゃるんでしょう?」あぁぁ、またどこぞからお叱りを受けそうな発言をカマしてしまった・・・が、実に素朴な疑問なの。同時に、その事実を畏敬するばかりだワ。
大体、私は冷たい人間なので、人様にさほどの期待を抱くことなく、暢気にこぢんまりと生きている。共に暮らす夫にさえ、アァシテホシイとかコゥシテホシイとか思わないし。だからこそ、シテクレタことには、今もって感激するし、感謝を言葉に乗せるのだ。これは、たぶん、夫も同じようなモンだろう。だから、共にいる。
言うまでもなく、私の愛の基盤は夫にあり、夫と過ごす時間が一番幸せだと思ってる。勿論それは、愛という抽象よりも、長年で培われた慣れや適当なやり取りの加減にも、大きく負うのだけど。私が他の男とつき合って、改めて夫を愛してると思うのは、旅行から帰って「やっぱウチが一番ネ」とくつろぐのに似てるのかな(笑
ただ、その実感を得るために、夫以外の男とつき合うのかと問われれば、即座に違うと断言出来る。夫では果たせない、アァシテクレコゥシテクレ的無茶を言うためでもない。夫の理解の外にある「本当の私」を解って頂戴ってわけでもない(だって、夫は私の一番の理解者だと思う)。唯一の理由は、やはり性愛を晴らす為なのだ。
・・・・・。
私が望む性愛のカタチは、イイ大人がマジになって取り組む、DSという壮大なおままごとだ。だから、役目役割を固定するのは必須で、そこに疑問を抱いちゃない。客に見せるために芝居する役者でさえ、演技の最中に陶酔に浸ることはあるそうだけど、誰はばかりなく絵空事に没頭するエクスタシーったら!止めらんないねッ。
埒外の方には信じられないかもしれないが、「主」「従」というおままごとの役割は、日常にも意識される(だから、壮大なのだね、笑)。喩えるなら、「親」と「子」、時に「先達」と「後続」に似た感覚だ。だから、遊び事ながら真剣な私達の間柄は、恋人でも友達でもないながら、「愛」による結びつきと認識されることが多い。
勿論、この「愛」だとて、ままごとのゴザの上にある。役目役割に適った、愛の方向性を持つ。真っ当な親が子を慈しみ、決してもたれかかったりしないように。真っ当な先達が後続を見守り、決して詮無い愚痴を垂れたりしないように。「主」役の私は、「主」として「従」役を愛する。決して、庇護して欲しいとは思わない。
・・・・・。
なら、「主」役をこなす上で、何を悦びに愛もて応ずるのかと言えば、結局、自分を慕う「従」がいてくれること、そのものなのだ。疑いなく慕われることに満足するし、余念なく追従してもらうために、あれこれと手を尽くしたいと願う。だから、「従」役に徹して、傍にいてくれればいいだけだと思っている。これは本当に。
まぁ、そうは言っても、流石に「主」役もヒトの子なので、若干の見返りは期待したりもする。正直なところ(笑)。それは即ち「従」の成長であったり、為と判じて行ったあれこれに、充分に反応してくれる姿であったり。ま、時に、「従」が辛くなる反応を意図して行為することもあるので、「従」は混乱するかも知れないが(笑
・・・・・。
いつもながらの長い前置きに続けて、ここで漸く、いつもながらの言い訳をば。・・・先日愚痴を垂れたのは、確かに本音なんだけど、基本的にはここまで述べたような心情で、私は充分に自律している。思いがけない私の愚痴に、奴が困ってしまったのは、痛いほどわかっている。悪いことをしたね。改めて、ごめんと言おう。
けどさ、食事中の話題くらい、偶には提供してくれないか?黙りこくって物喰うのが苦痛で、仕方なく、どーでもいい話ばっかしてるけどさ。いや、キミ的には、聞き役に徹したいのもわかんだけどさ。ただ、キミと食事してるんだぜ?しかも、先日なんて、近々の予定を楽しみにしてるかと思ったのに。何だか気が抜けたわよ。
・・・・・。
あっっ、結局、今日も愚痴を垂れてるワタクシ・・・しばらく弱り中にて御免。
あれから一年経った今日。 私としては一大決心をして、気弱をここに晒す。
ナニカッコツケテンダ?と自嘲めいた気分にもなり。 イマサラナニイッテンダ?と自戒する気持ちに苛まれつつ。 ヤレルナラヤッテミレバ?と独り善がりが煽りたて。
( うるさいうるさいうるさい )
エーイママヨと、ここにリーク。
キミと私の位置にあれば、いつだって。 先に物言うのは私だし、それに肯き、応えるのはキミだし。 苦言を呈するのは私だし、それに項垂れ、落ち込むのはキミだし。 もういいよと許すのは私だし、救われましたと安堵するのはキミだし。
それを承知で、首輪をかけた。ワカッテル。 首輪をかけてこそ、得られるものがある。ワカッテル。 だからこそ、首輪をかける幸いを選んだ。ワカッテル。
・・・ワカッテル。けれども。
私だって、当たり前に負の感情はある。 私だって、当たり前に落ち込むことがある。 私だって、当たり前にダラシナク疲れていたりもする。
そんな時、実のところ、ときどきは。 物言うに先んじられないキミを諦め、仕方なく物を言い。 負の感情を抑えこんでは、したり顔でしかつめらしい苦言を呈し。 気の済むまでヘソ曲げてたいくせに、おためごかしに「許し」たりする。
キミも知ってるように。 私は騙くらかすのが得意だ。キミをも。自分をも。 いやむしろ、騙し続けようと思ってる。キミをも。自分をも。
だから。 こんな本音を晒すのは、迷惑かもしれないね。
しかし。 これは、本当に起こっていることだ。 キミ以上にキミのことを考えているのだよと 言い続けてるのは、こういうことだ。
だからって。 キミが私を心配することはないんだよ。 出来るなら、余計な心配はしないで欲しいと願う。
ナラハジメカライウナヨと自嘲の虫がせせら笑い。 イミネェコトイウンジャナイヨと自戒の鬼が騒ぎ立て。 イインジャナイノォ?と独り善がりが鼻くそほじってらぁ。
( うるさいうるさいうるさい )
エーイママヨと、投稿ボタン押す。
----- プチン -----
2002年02月22日(金) |
オコゼがキレた日 #3 |
再び部屋の浴室に足を踏み入れると、その情景は数時間前のそれと変わらない。 ただ、バスタブに流れ落ちる湯の蒸気が、浴室内の空気を重く、濃密にしていた。 蛇口を閉めてから、ようやく奴に声をかける。「待たせたわね」…が、返答はない。 猿轡を噛ませていたが、声ぐらいは発せられるはずだ。呻くことさえ、忘れたか?
人形のように足を投げたして、壁にもたれかかった体勢。足は揃えて縛めている。 しかし、その股間。隠しようのないデカマラが頭をもたげている。それが返事か? それを見るや、私の中に愉快な気持ちが満ち、くつくつと笑いながら、腰を折る。 「ダイジョウブ?」労りながら、猿轡を外す。「ハイ…」奴の声がやっと戻った。
足を纏めていた縄を解きながら、奴が小便を我慢したことを知る。流石だと思う。 奴は、こうした逆境に強い。心身共にタフなんだね。嘘つきって弱点はあるけど。 上半身の縄はそのままに、介添えをしながら立たせると、やはりよろけてしまう。 「申し訳ゴザイマセン…」疲弊してもなお、奴隷であり続ける奴に満足を覚えた。
・・・・・。
拘束され、絶え間なく流れる水音に耳を晒し、暗闇の中で、奴は何を思ったろう。 懲罰の意味を持ちながらも、「お仕置き」を受けている状況は、甘美だった筈だ。 未だ視界を得ないまま、客室へと引かれつつ、奴の陰茎は汁を垂らし続けている。 おそらくは、お仕置きが一段落した安堵の中で、次の展開を期待したのだろうね。
しかし、その期待は裏切られることになる。奴の思惑を超えた事態が用意される。 奴を部屋の隅に立たせ、その背後に回り込んだ私は、目隠しの布を取り去った。 数時間ぶりに開かれた目が、最初の風景を捉えた途端、奴の気配が一変した。 奴が見たもの。数ヶ月前に、自分がバックレた女。にこやかにソファで足を組む。
「オヒサシブリネ」女が笑いかけたが、その姿を、奴の目はもう見ていなかった。 ギュッと目蓋を閉じて、項垂れる。誰も寄せ付けない意志が、肩口から立ち上る。 体側に括りつけられた腕の先、拳だけがギリギリと握られる。音が聞こえる程に。 その緊迫した空気を切り裂いて、奴がとうとう言葉を発した。・・・ナゼ、デスカ?
・・・・・。
彼女が同室してる間に、互いにどんなやり取りをしたのかは、既に記憶に薄い。 女達のほうが、あまりの緊迫感に戸惑ってしまい、苦笑するしかなかった印象だ。 そのせいで、奴がついた嘘だの、バックレだのを、強く糾弾することはなかった。 奴は奴で、ふてくされたように、型どおりの謝罪の言葉を吐いただけだったかな。
とにかく、私が思い描いた様な展開にならなかったのは確かだ。拍子抜けがした。 私としては、奴が驚き、慌て、後悔し、懺悔の涙をこぼす、なんて予想をしてた。 だから、石の如く固まったままの奴に苦笑しながら、彼女に引き取ってもらった。 彼女も、何となくアテが外れたように、中途半端な表情をしながら、出ていった。
再び、密室にふたりきりとなった私達。依然、奴は、排他的なムードを漂わせる。 その頑なさは、恐ろしく激しいもので、うっかり手を出すと、噛み付かれそうだ。 下手に声もかけられない。どうするか?第一声を決めかねて、ひたすら沈黙する。 奴も、膠着したままにいる。時間だけが過ぎる。ドウスレバイイ?想いを巡らす。
・・・・・。
たぶん、静寂を破ったのは私の方だ。けれど、何を言ったかは、全く憶えてない。 しかし、奴の発する気が、失望と怒りの色を残しながら、諦めに傾くのは感じた。 裸身を晒し、半身を縄掛けされながら、奴の「奴隷」の輪郭がぼやけていくのだ。 この絆の儚さを思うと、恐怖が募り、その恐怖の前に、なす術なく立ちつくした。
その時、奴が言い放ったのだ。今でも耳に蘇る、恐ろしい言葉。
「 ナワヲ ホドイテクダサイ 」
・・・オコゼがキレた。
2002年02月21日(木) |
オコゼがキレた日 #2 |
「3時間待たせたんだから、倍にして返してあげるワ」私はオコゼにそう宣告した。 私の声を背に聞いて、車を操る奴の肩が、ビクッと震えた瞬間をよく憶えている。 それを見て、私は声をたてて笑った。とても愉快な気持ち。わくわくと胸が鳴る。 ・・・そう、この言葉を告げた時点で、お仕置きネタへの怒りはとうに消えてたの。
あくまでも私見なのだが、お仕置きは怒りや失望の頂点で行われるもんじゃない。 尤もらしく言えば「やるべきじゃない」のだが、実際の所、やる気にならないのだ。 負のエネルギーを相手にぶつけるのが、苦手なんだね。いくら相手がM魚でもさ。 怒りに任せて暴力を振るうことに、嫌悪感がある。とうか、ツマンナイんだな(笑
だから、「お仕置き」という行為は、それを口実に、相手をねじ伏せる展望に立つ。 心身共に苦しい状況に追い込み、無力感や絶望感、諦観が生じるのを期待する。 そこから、更に、私に傾倒する動機や心情が増すところまで期待して、企まれる。 ・・・ナンカ、大層な御託を並べたけど、私が「お仕置き」に託す意味ってとこで。
・・・・・。
さて、「お仕置き」宣告する醍醐味を味わったものの、執行の日までは忙しかった。 奴の承知している「お仕置き」を超えて、私の思惑は走る。先の嘘をどうするか。 やはり、奴の前の主さまにお出まし願わねば。対面させて、度肝を抜いてやろう。 どういう対面のさせ方をしよう?もう偏執狂的に、次々プランが湧く。熱中する。
まず、待ちぼうけの倍返しをしなきゃ。当然、拘束して放置だな。倍で6時間ダ。 けど、そんなに長時間の放置をしたことがない。バイブルを漁り、構想を練る。 バスタブに浸かって、体を折りつつ考える。血流、呼吸、気温と湿度。などなど。 視覚と聴覚はどうする?あぁそうだ。視覚は閉ざしておこう。次の展開を呼ぶわ。
視力を取り戻した奴の目に、バックレた前の主の姿が飛び込む仕掛け。YES! 普段のSMプレイでもそうなんだけど、こうして頭の中で組み立ててる時が最高だ。 もしかしたら、現場で行為するより熱中してるかもしれない。本末転倒だけど(笑 あとは、彼女との日程の調整。幸い、近日にパーティーで会える。準備は調った。
・・・・・。
パーティーが催されるホテルに部屋を取る。午後10時。パーティーまで間がある。 しばらく普段通りに話をする。いつも通りに、奴は奴隷を務める。大したもんだ。 しかし。「さてと…脱ぎなさい」私が発した言葉を聞くなり、奴は身を固くした。 そして、儀式のように神妙に服を取り始める。それを眺めながら、心が浮き立つ。
裸になった奴の体を、結束していく。何度もイメージした縛り方なので、簡単だ。 縄をかけながら奴の股間を見れば、しっかり勃っている。あぁ、マゾは哀しいね。 からかうように言葉を投げたが、奴の表情は強張ったままだ。いいね、その調子。 よちよちと歩ける程度まで縛り上げ、その瞳を覗き込みながら、猿轡をかませた。
次に、首に直接鎖を巻いて、浴室へと引く。転倒しないよう、細心の注意を払う。 乾いたタイルの上へ尻をつかせ、最小限の言葉で様子を訊く。首が縦に振られる。 「じゃ、私が帰るまで待っててね」目隠しを施しながら、告げる。奴がうなづく。 バスタブの栓をせずに、湯を捻る。派手な水音は、去りゆく私の足音を消したか。
・・・・・。
今にして思えば、おっかない行為をしたものだ。不測の事態を想像すると震える。 しかし、当夜のパーティーの間中、私の気分は高揚していた。破廉恥なくらいに。 これ程大がかりな「お仕置き」を決行した自分に酔ってたんだろう。恥ずかしいね。 更には、例の嘘を暴く企みに向かって、気が逸る。朝が来るのが待ち遠しかった。
2002年02月20日(水) |
オコゼがキレた日 #1 |
オコゼの主だった頃の私は、今にして思えば、恥ずかしい程にリキみまくってた。 先に、「犬」との挫折で失った、支配側としての自信を取り戻したかったからかな。 徹底した隷属を望む奴との縁を結ぶ自体、その気持ちが招いたのかもしれない。 結果、私は「厳しい主」として振る舞い、奴にそう認識されるのが心地よかった。
実質的に、奴を侍らせとけば、私は絵に描いたような女王様気分を満喫出来た。 奴の所作は、まさに奴が理想とする「完璧な奴隷」のソレだった。見事なほどに。 それでも、再々私が奴を叱咤したのは、その粗野な性向や身勝手さを見かねてだ。 その度、手や足が飛ぶ・・・ま、これも奴の理想としては、望んだ事だったろう(笑
しかし、奴が予定調和的に納得できる「お仕置き」以上の「お仕置き」を課した時、 奴は、キレた。そこに「奴隷」の姿はなく、失望と怒りに震える男が出現したのだ。 それを見て、私ははっきりと恐怖した。けれど、逃げ出したいとは思わなかった。 腹の底から熱い塊が噴き上がり、全身を巡った。凄いエネルギーに身震いがした。
・・・・・。
オコゼに初めて会った日。その幸運に舞い上がりつつ、S女な友達に電話をした。 奴のことをひけらかしたくて、思い入れたっぷりに報告する。凄いの見つけたワ。 一通り話を終えた頃、彼女が問う。「その子、**くんじゃない?」あら、ご存じ? 巷を回遊しているフリーのM魚の情報が、こうして交換されるのは、珍しくない。
「実は、彼、ウチにいたのよ…」彼女が笑う。「結局、逃げ出したんだけどね…」 私は途端に恥ずかしくなり、慌ててしまう。だって、随分自慢げに話しちゃった。 「でも、誰にも仕えたことないって言ったのよ?彼」言い訳がましく、言い募る。 「あぁ、彼、嘘つきなのよ」彼女が再び笑い、同時に、私は邪な決意を胸に抱いた。
「暫く彼の出方を待つけど、決着つける時には協力してくれない?」彼女に願う。 「いいわよ。私も逃げられてるんだし」即座に快諾をもらい、少しだけ気が晴れた。 嘘をつかれた事実が、一転、私の優位を約束する。その事だけで、期待が高まる。 ・・・結局、それからふた月ほど、奴の嘘は綻びることなく、無事に過ぎていった。
・・・・・。
さて、奴の本性が「嘘つき」であっても、別段、私には関係のないことだと思う。 私に直接関わりのないところで、幾ら嘘をつかれても構わないものね。しかしだ。 己を信用して貰おうと、「戸籍謄本、お持ちしますッ」とまで息巻いたのだ。奴は。 流石にそれは退けたが、その言の一方で、私の問に嘘を並べたのが腹立たしい。
勿論、SMなんて特殊な関係だから、色々と明らかにしたくない気持ちはわかる。 それでも立場的に、訊かれれば、嘘でも何でも返答せねばと焦る気持ちもわかる。 実際、当初奴が語った身上は、ことごとく嘘だった(笑)まぁ、仕方ないだろう。 だから、私が拘った嘘は、ただひとつ。奴が、SM的な身の上を偽ったことだけだ。
だって、この手の嘘は、回り回って私が困ってしまうんだよね。先の電話みたく。 まぁ、この辺は、実に特殊な斯界の事情だろうな。SMな世間って、結構狭いから。 普通の出会いなら、誰とつきあったかなんて明かさなくていいもの。厄介だねぇ。 その意味で気の毒とは思うけど、奴の嘘は「お仕置き」に値する罪と決めつけた。
・・・・・。
いつ尻尾出すだろう?いつ嘘を暴いてやろう?と、邪な期待を抱いて日が過ぎる。 そんな折、私に3時間もの待ち呆けを喰らわすてな失態を、奴は犯してしまった。 奴としては、当然いつも以上の叱責を覚悟したのだろう。謝罪の言葉さえ失った。 ・・・そして私は、この機に乗じて、嘘の分まで「お仕置き」する決意を固めていた。
そこここでお聞き及びと思いますが、先日、akirasadさんとチバさんにお誘い頂いて、ミニオフを楽しんでまいりました。akirasadさんとは初対面だったのですが、同じ性癖ジャンルという親近感もあって、幾分気楽にお目に掛かることが出来ました。・・・いえ、幾分どころか、緊張感なくダラケっぱなしだった感もありますが(笑
先に、やはりチバさんが催して下さったオフ会を経験した後日、チラと書きましたが、SMオタクな私としては、同志とご一緒する席のほうが馴染み深いのですね。特にこちらでは、「S女でござい」とエゲツナイことばかり書き散らしてますので、自意識過剰と自らを諫めつつも、この面を晒すに申し訳ないような気になるのです。
その点で、分け隔てなくお付き合い下さるチバさんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。同じく、S女ごときを気に掛けて下さった、S男性であるakirasadさんにも、心から感謝しています。また、akirasadさんのご差配で、お電話を頂いた、みーなさん、あまえさんのご厚情にも、この場からですが、御礼申し上げます。
・・・・・。
さて、ワタクシ、SMオタクとはいえ、オタクな集まりには再々に寄せてもらって、SだのMだのと仰る方とは、相当数お目に掛かる機会を得てきました。確かに、その場ではSだMだと看板背負って、各々、多少の衒いやポーズがあったりもするのですが、その土台たる人を見つめれば、どなたも極当たり前に生きている人達です。
そして、これは同志たる欲目もあるかもしれませんが、とても真面目に生きてる人が多いように感じてきました。生きるに意識が高い、というのかしら・・・これもまた、美化し過ぎかもしれませんが。ただ、自意識の高さが、敢えて性的マイノリティであるSMを指向させると考えれば、この印象もあながち間違ってはないでしょう。
しかし、ご存じの通り、巷が抱くSM嗜好者についてのイメージは、かなり短絡で乱暴なものとなりがちです。S側は横暴で強権的。M側は従順で追従的・・・っと、ひとまず世間並みに荒く括っちゃいましたが(笑)・・・ともかく、いずれもあまり良いイメージはありませんね。当事者たちは、それを充分に覚悟してますが。
・・・・・。
前置きが長くなりましたが、今回お目に掛かった「S男性」のakirasadさんは、私が知る他のS男性と同じく、とても穏やかで落ち着いた雰囲気の方でした。で、やっぱり聞き上手。これは、既に彼の掲示板で承ってた通りでした。ご自身に自信を持ってらっしゃる揺るぎのなさが、「女に上手に使われる」結果を招いているのでしょう。
っと、誤解を招きそうな失礼な表現をしましたが、これは重要なS側の要件と思っています。何の行為においても、主導する側は相手を受け入れるところから始めた方が、効率がいいのです。受容することで、S側が揺らぐ筈もないのですから(笑)表面上は相手におもねるが如く見えますが、仕組みとしては理に適ってるんですね。
・・・・・。
チバさんは、彼女の掲示板でご案内の通り、ホントに一生懸命生き抜いている女性です。全身からエネルギーを放出して、輝いてます。怠け者の私には、実に眩しい(笑)時に、大丈夫かしらん?と要らぬ心配もしてしまいます。けれど、それがチバさんらしさかな?と思えば、お心のままにあることこそが、幸いなのでしょう。
会話の中で、SMに話が及び、「M女さんって、従順なんですよね。あたしには無理」と、彼女が仰いましたが・・・これも、私感としてはドウカナと(笑)だって、私の知るM女性にあっては、普段からMっぽく従順な人なんて一人もいません。従順なご自身に憧れるからこそ、敢えて、SMの関係で叶えたいと望むのではないでしょうか。
SM(DS)にのめり込んでいる連中ってのは、色々と決まり事を作るのが好きだ(笑 大きくは、SM観に絡むようなもの。斯界の論議のネタにもなって厄介なんだけど。 曰く、本当のSMはセックスをしないもんだとか、S側は服を脱がないもんだとか。 ま、情報が広く流布する今じゃ、人それぞれのSMってトコで落ち着いてるけどね。
対して、小さくは、SMのお作法的な部分。SMオタクなら、やっぱ拘りたいよね(笑 首輪をかけるのはS側のやることだから、M側は勝手につけちゃイケナイよとか。 S側の前では、M側は正座だよとか・・・ま、ままごとじみた決め事なんだけどサ。 けど、パートナー間の決まりって、甘い絆っぽくて悪くないナと思ったりもする。
更には、相手も得ないうちに、まだ見ぬ女王様との決め事を夢想するM魚は多い。 彼らの夢想の糧は、そこらに転がっている。SMクラブの経験や、M専誌の記事等。 ご調教前の挨拶に始まり、隷属の宣誓、奴隷の礼儀、色々細かく決めてみてる。 いや、それが悪いってんじゃない。恋に憧れる少年みたいで、可愛いいじゃんネ。
・・・・・。
オコゼと初めてプレイらしきものをした時。奴に、何か質問があるか?と訊いた。 すると「ご挨拶はどうすれば?」と言う。奴の言葉の意味が解るだけに、可笑しい。 「コンニチハでいんじゃない?」そう返すと、奴は拍子抜けした顔をしたものだ。 きっと、仰々しいご挨拶をさせられる「奴隷な自分」を夢想してたんだろうねぇ(笑
そう言えば、「犬」にも、この手のがっかりを喰らわせたっけ。やはり初めての時。 正対しても、一向に目を合わせようとしないのを不審に思って、訊いてみたんだ。 曰く「奴隷は、主様の胸より上を見てはいけないので…」正直、面食らったわヨ。 「それが正道としても、私はお前の目が見たいわね」笑いながら、それを退けた。
今でも、当時から一貫してそうなのだが、私は殊更に仰々しい言葉遣いはしない。 いや寧ろ、しない人の方が多いんじゃないかな?少なくとも、私の知る限りでは。 巷で噂される「如何にも女王様な振る舞い」は、世間が創った神話みたいなもん。 神話を体感したい客の要望を、辛うじて、クラブ嬢が叶えてる程度かもしれない。
・・・・・。
というワケで、特に大層な決まり事を課することなく、オコゼとの逢瀬は続いた。 それでも、私達がうち解けた雰囲気になることはなかった。ま、仕方ないわよね。 だって、互いに緊張感ある関係を望んだし、馴れ合う程の時間も経なかったし。 訊かれた事に答える以外は、しかつめらしい顔で寡黙に奴隷を務めていたっけね。
傍目には、何とも味気ない、何が楽しいんだかってな間柄に見えただろうと思う。 でも、当人達が納得してそうしているなら、それでいいのだ。言うまでもなく(笑 奴は窮屈な緊張の中に身を置いては、憧れの「奴隷な自分」を満喫してた筈だし、 私もまた、奴が笑む余裕もなく、緊張しきっている姿に満足していたのだから。
これは、オコゼに限らず、「犬」も、それ以外の者と関係したときもそうだった。 どうにか微笑むくらいは出来るのだが、声をたてて笑うには、なかなか至らない。 「犬」の笑い声を初めて聞いたのは、付き合い始めて、数ヶ月経った頃だと思う。 私をマッサージしてる最中、テレビの内容につられて笑ったらしい。吃驚した(!
・・・・・。
さて、オコゼが初めて笑った日。これは、鮮明に記憶しているヨ。印象的だった。 ふとした時に、「たまごっち」が私を呼んだ。まだ、ソレが流行始める前のことだ。 神妙な顔で「たまごっち」を捧げ持ってきた奴に、アレコレと操作して見せてやる。 不思議そうに見つめてた奴が、遂に一瞬、笑い声を漏らした。何だか嬉しかった。
バレンタインに思い出すのは、オコゼのことだ。私にとって、奴は初めての奴隷。 とてもいい奴隷だったけど、実質的に関わった期間は短くて、一年に満たない。 だから、奴にチョコをやったのも一回きり。知り合って日の浅い頃だったと思う。 イチオウ…って感じで用意した。私的には、殆ど義理チョコ程度の感覚だったナ。
随分前のことなので、その日自体の記憶は既にない。が、その瞬間は覚えてる。 いつものように私が椅子に座り、奴は床に正座していた。まだ伏し目がちだった。 あぁ、そうだ。奴は、まだ私の目を見られなかったっけ。それ位初々しい頃の話。 毎度毎度、叱ってばかりいたなぁ。どれだけ蹴り上げて、頬を張ったことだろう。
もちろん、奴はちゃんとしたオトナだし、口で言えばワカル程度の頭はあったよ。 けれど、当時。私はまだまだ肩肘張って、「厳しい主さま」になりたがっていたし、 奴も、そういう相手を望んでいた。というか、奴の価値観自体がそうだったのね。 目上の者から体罰を与えられることで、自分の存在価値を実感する、みたいな(笑
生憎と当時の私は、その手の価値観に本心から同調する事が出来なかったけど、 奴の心情に乗じて、いかにもな振る舞いをしてみてた。初心者女王としてはサ(笑 ところが、意外にも、私は結構ハマれたんだよね。胸にグッと来るものがあった。 サディスティックな興奮とか、体を折り曲げて許しを請う奴への愛しさとか…。
・・・・・。
そんな感じで、奴にとっての私は、にわか仕立てながら、怖くて厳しい主だった。 何もせずにいても、いつも緊張感を漂わせていて、それは私にも心地よかったね。 その時も、奴は床を見つめながら、次に上から下される言葉に身構えていたろう。 大きな体を小さく屈めた奴のつむじを見ながら、私はチョコの包みを取り出した。
頭の上でガサガサと物音がしても、奴が顔を上げることはない。微動だにしない。 耳に届く何事かの気配に、胸を騒がせているのかな?こんな瞬間がとても好きだ。 そして、私は無言のまま、俯く奴の鼻先に突きつけるように、包みを差し出した。 義理チョコ気分だったから、値段の安い、本当に小さな、掌にのる程の箱だった。
それでも、それ風の包装を施された箱は、すぐにも意味を知らしめたことだろう。 けれど、奴はしばらく動かなかった。いつもなら、意志よりも先に動く手なのに。 そう、奴は、職業上人につき従う訓練を受けた人間で、最初から完璧だったのね。 こちらの動きを察知して、動線上に手を差し伸べることが出来るような。ナノニ。
・・・・・。
石のように固まりながら、床に置かれた拳だけが、ギュウと握られるのが見えた。 相変わらず、頭を上げようとはせず。鼻先の箱に、動きを封じられたかのようだ。 「ほら、バレンタインでしょ?」仕方なく声を掛ける。自然に笑いを含んでしまう。 箱を鼻先に擦りつけてやると、それを合図のようにして、漸く奴の腕が動いた。
やがて、奴の手がおずおずと箱に届き、両の掌を合わせて捧げ持つようにした。 そこでやっと、私は屈めていた半身を戻すことが出来、奴の言葉を待っていた。 ところが、奴は黙ったままで、また固まったのだ。僅かに、肩がわなないている。 そして、その手許に目を移せば、掌中にすっぽりと、包みが握りしめられていた。
その可愛らしい風情に駆られて、私は再び、奴の顔を覗き込むように体を折った。 すると、案の定、奴の目蓋がきつく閉じられて、鼻先に涙が露の玉となっている。 泣き声をたてないように、歯を食いしばっているんだろう。唇の端が震えてるよ。 堪らず奴の後頭部に手を置くと、促されたと思ったか、奴は漸く言葉を発した。
・・・・・。
「アリガトウゴザイマス…コンナ…」奴が、嗚咽まじりにたどたどしく礼を述べる。 これ程に感激する奴の想いを、改めて知る。それが嬉しく、また愛おしかった。 「そんなに握ってたら、チョコ溶けちゃうよ?」返事するかわりに、そう笑ったら、 子どものように慌てて仕舞いにかかるのが、奴らしくない。声をたてて笑った。
冬になると、 アタシの足はいつも冷えていて、 靴下を穿いたくらいではおっつかない。
さあさあ、お前の出番だよ。 アタシの足を愛おしいと思うのならば。
出掛けるときには、ブーツを履いて、 せめて、風に当たらないようにはしているけれど、 爪先は氷のように冷たくなって、 痛いくらいに辛いのよ。
アタシの足を崇めるのなら、 何をすべきかわかってるわね?
ねえ、早くブーツを脱がせてよ。 足の先をきちきち締め付けて、 冷たいったらありゃしない。
早くったって、 丁寧に扱ってくれなきゃ、困るわよ? お気に入りのブーツなんだから。
ダメよ。 脱がせた方の足を、床に下ろさないで。 冷たいじゃない・・・。 そう、お前の腿の上。 この付け根の辺りが暖かくて、いい気持ち。
ほら、ホントに冷たいでしょう? 可哀想だと思うなら、 もっとちゃんと暖めて。
だから、さっさと裸になって。 服着たままじゃ、意味ないでしょう? アタシの靴下も脱がせてね。 それから、床に仰向けに寝ころんで。
ね? じかに触れる方が、ずっとあったかい。 こうしてると、お前ったら、 クッションの良い足温器みたいじゃない? 胸やお腹や股ぐらが、ほかほかしてて、いい感じ。
でもね、 やっぱり、指先がまだ冷たいの。 口に含んで、暖めて。 舌を使って、指の股まできちんとね。
だけど、残念ね、 お前の口やお尻の穴が、今よりもっと拡がれば、 アタシの足をすっぽりと飲み込んで、 暖めてもらえるのにね。
ううん、贅沢は言わないわ。 この足にとっては、 お前みたいな生き物が、何より役に立つんだもの。 いつまでも、アタシの足の奴隷でいて頂戴。
それが、 お前にとっての、歓びにもなるのならば。
2002年02月12日(火) |
性癖と性愛と結婚について #7 |
「ボクは既婚ですが、妻は全くそのケがなくて…」先日、femdom系の2ショットチャットで、男は自分の事情をこう説明した。咄嗟に、先のあわびさん板の記事を思い出し、同時に「マタダヨ…」と呆れる。丁度、この一連の記事を書き始めた頃だったので、ふと思い立って「どうして、そのケがないとわかるの?」と質問してみた。
「以前テレビでSMの映像が出てきた時に、こういうのどう?って訊いたら、好きじゃないと言われたんです」幸い、男は丁寧に答えてくれた。「それだけ?」「ええ、だから妻はダメだなって…」ここで、ちょいと含みのあるログを積んでやる。「私も初めは、”好きじゃなかった”ワ。でも、今は大好きよ。これ、どう思う?」
果たして、男は私の意を汲めずに戸惑っている。それを無視して、質問を重ねる。「じゃ、さっきの話、立場が逆転してたらどう?奥さんが、そういう場面を指してあなたに訊いたら?」「あ…」「はっきりと答えられるかな?実際に興味があろうが、なかろうが」彼は、再び答えに詰まる。「奥さんのホントのとこはわからないね」
・・・・・。
ここで念のために言うと、私は、既婚者が性癖を晴らしたいと願った時に必ずしも、配偶者の可能性を探るべきとは思っていない。ただ、彼の事情を聞いて、少し突っ込んでみたくなったんだね。一度きりとはいえ、彼が妻に問うた時、それなりの思惑があり、期する所がゆえに、その一言に相当の勇気が要ったと想像したから。
確かに、彼の明かしたエピソードは、夫婦にあっては、些細なやり取りだとは思う。たぶん、彼の思惑も「アワヨクバ妻に…」程度であったのかもしれない。。けれど、私の感覚では、全く無音にやり過ごさなかった所に意味を見てしまうのだ。だから、彼が真摯に妻に期待するのなら、結論を焦るなとお節介をくれたかったワケ。
とは言いつつ、ここまでの質疑の本意は、そこではない。例によっての意地悪で、回りくどい嫌味を言ってみてるだけ。新たな関係性を交渉する場で、妻を引き合いに出すのはオカシイだろ?それは、SMの関係に限らず。もちろん、対話が進めば、家庭の事情を聞く耳も持つが、のっけから切り出されると、ちょっとヨワるぜ。
「本当は奥さんとSMしたいけどダメっぽいから、他の女を探すってんなら、アテになってる私的には、ちょっと嫌だわ」「いえ、そんなつもりは…」「なら、この場で妻のことを持ち出すのは止めた方がいんじゃない?たとえ、あなたの真意が”妻は使えないから”だとしてもね(笑」彼は慌てて謝ったが、いや、別に怒ってはないヨ。
・・・・・。
これまでの繰り返しになるが、私は、日常生活のある家庭で、SMの行為や関係を実現する是非や可能性に、スッキリと解を出せてない。自身の身の上に都合良く、時に是と思ったり、懐疑的になったりする。しかし、現実は、夫以外の対象を求め、得ている状況なので、既婚者が婚外に相手を模索することに、疑問を抱いてない。
更に、その理由が、「妻がノーマルだから出来ない」でも「妻とは変態行為をしたくない」でも構わないと思っている。つまり、どっちでもいいのだ(笑)幾ら親密に関わろうとも、互いの個人的な領域は、その個人が差配すればいい。はっきり言えば、家庭の事情を、私との関係性の理由にして欲しくないのだ。本音はどうあれ。
これは、SMに関わる以前からの感覚だ。時折、妻への不満を口にしながら口説く男がいたけど、どうにも理解できなかった。確かにそういう事情があるにしても、言うべきじゃないだろう・・・いや、色々あるのはお互い様だけど、「家庭の不満や不足」を相手と関わる動機としてアピールするのは、やっぱ失礼だろうと思うのね。
・・・・・。
さて、先の彼の自己PRからは、妻のことが外されただろうか?健闘を祈っている。
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→ 「性癖と性愛と結婚について #6」
2002年02月11日(月) |
性癖と性愛と結婚について #6 |
いつだか、夫が言った。「ボクの親は、ボクが結婚しないと思ってたんじゃないかな?」そう言えば、義母が私に「結婚してくれて…」めいた言葉をくれたことがあったっけ。「たぶん、息子には何か欠陥があると思ってたかも・・・ってあるけど」夫は苦笑したが、まぁ欠陥とは言わなくても、カワッテルのは間違いないわねぇ。
もしそうだとしたら、義母は「何を」想像したろう?世間の相場で見れば、特に不足のない息子。妻である私が言うのも口幅ったいが、外面はどこから見ても、モテそうなのだ。それなのに、30過ぎても女の影が全くないとしたら?単に、女関係について口を閉ざしているだけなら、気配くらいは、女親にはわかるものだろうし。
それに、自分がMである事が世間に露見するのをとても怖れていた夫は、万が一の事が起きたらドウシヨウと怯えて、密かに義母に頼んでたことがあると言う。「ボクが死んだら、父にも内緒で真っ先に、アパートの天袋にある雑誌を処分してくれ」・・・これじゃあ、義母が憂うのは無理ないね。有り体な所で、ゲイあたりを疑ったかな?
・・・・・。
事実、夫には女と交際した経験がなかったのだ。夫のファーストキスも童貞も、私が頂いた。少なくともそれまでに夫が求めた性愛は、M性癖に基づく性欲と愛情そのもので、フツーの男女交際をする必然がなかったワケだ。人並みに、筆おろしに焦るような段階もなかったのだと思う。セックスよりもSMを切望してたんだもの。
セックスが苦手だというM魚は意外といる。はっきりと無理だと自覚する者さえいる。いや、彼らが勃起不全ってことじゃない。M側に立てば、或いはそう想像すれば、ちゃんと勃つ。勃ったちんこをまんこにハメれば、勿論セックスは物理的に成立する。この方法で、彼らは、夫婦間の「責務」を果たすらしい。ご苦労なことだ。
私が知る限り、この手のM魚は、結婚前から自分の性癖を自覚していたと言う。だから、生殖のために或いは夫婦間の義務として、フツーにまぐわう苦労を承知で、配偶者を得たことになる。しかし、言うまでもなく結婚は、性愛の結びつき「だけ」でなされるものじゃない。結果、彼らは一様に、伴侶たる配偶者と幸せを築いている。
もっとも、こうした顕著な性癖を有するのは、かなりコアな連中で、大抵のM魚は、性癖をさておいて、フツーの恋愛をし、フツーのセックスをこなしているものだ。更に結婚となれば、性愛以外の結びつきも重要な要件となる貴重な縁だ。たかが性癖を枷として、躊躇することもなかろう。ひとまず、人並みの結婚生活は送れる。
・・・・・。
さて、コアなM魚たる夫と結婚した私だが、私自身がコアなS女だとは、実は思っていない。確かにS的な性行為を好み、Mっぽい男に惹かれる傾向にあるけど、SM抜きの性愛だって、ご縁さえあればハマることが出来ると思うもの。夫と出会わなければ、優しくて大人しい男と結婚して、夫婦でセックスしてたかもしれないね。
と、一応想像してみたけど、夫との結婚に掛け値なく満足している私としては、正直なところ、夫婦間セックスを親身に想像する事が出来ない。夫婦を形作る性愛の部分が欠落してるのに、何が満足ダ?と誹られるかもしれないが、ホントにそうなんだ。夫以外に性愛の対象を得ているから、そう思えるのかしら?どうなんだろ。
言い訳がましいが、私は、性愛の対象を一人に絞りたいとか、絞らなきゃとか思えないのだ。これは結婚以前からの性向。この延長で、夫以外を求めることに疑問を抱いてない。更には、過去の葛藤を越えたせいで、夫婦だからヤらなきゃとも思ってない。とまぁ、極めて身勝手な論でもって、今の状況をヨシとしているワケだ。
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→ 「性癖と性愛と結婚について #5」
2002年02月08日(金) |
性癖と性愛と結婚について #5 |
そのM魚が明かす、彼の結婚の不幸な顛末に、私は唸ってしまった。
いや勿論、彼が自らを語るとき、それは、Sのパートナーを得んがための、即ち私に対するPRともなり、若干の脚色を帯びるのは承知している。自らの過去を不幸に誇張することで、私におもねる意図もあっただろう。このやり方は、なにも彼に限ったことじゃない。しかし、彼が自ら履いた下駄を差っ引いても、酷い話だった。
・・・・・。
彼は適度に男前で、人並み以上の収入を期待出来るエリートで、それなりの礼儀も心得た、好青年だった。一目見たとき、モテるだろうなと思った。実際、その印象のままに、彼はモテてきたらしい。女との交際は、いつも惚れられて始まり、幾度かプロポーズも受けたという。世間の相場では、結婚相手としても上等だものね。
その中のひとりと結婚をした。女が彼に惚れた程に、彼が女に惚れたかどうかはわからない。けれど、彼の性癖に関わる告白と希望を、彼女が受け入れた時点で、彼は結婚することに決めたと言う。「M癖を隠したままで結婚するのは避けたかった」と彼は回想するが、つまりは、M的な性行為を前提として結婚したかったのだろう。
彼の望み通りに、妻はS的な行為をしてくれて、セックスは首尾良く運んだ。やがて、妻は子を宿し、行為は絶えた。彼は段々と不足を覚え、行為を迫る。が、育児に疲れたと妻はこれに応じない。S側が応じなければ、M側の希望は叶わない。不満が募る日々が続く。そんなある日、また妻が要求に応じ始め、彼は行為を取り戻した。
しかし、夫婦の営みは、またも妊娠出産によって中断する。再びの状況を恨んだが、第二子の育児が一段落する時までお預けだと我慢した。・・・けれども、彼の望みは、二度と叶えられることはなかった。もう子は要らないと夫婦で結論してから、その結論はつまり、妻にとっては、もう性行為はしないという意味でもあったのだ。
・・・・・。
「結局、妻は、子種が欲しくてSをやってたんですね」と、彼は自嘲するように言った。「子が出来たら、ボクは用なしになったワケです」妻がS的行為をシテクレナクナッタ理由を、そう説明する。結局、彼の結婚は、まさに「性の不一致」で終わったのだが、子まで設けておいてもそうなるか・・・と、驚きを禁じ得なかった。
彼は言葉を継ぐ。「ボクは、妻と子のために家まで建てたんですよ。今だって、高い養育費を払ってるし…」恨みがましく言い募る彼の言葉に、同情しなくもないが、私の気持ちは暗く塞がっていく。疑いなく、何の為に結婚するかなんて、個々人の勝手だ。生殖を目指す結婚。性愛を満たす結婚。性欲を晴らす結婚。…勝手だけど。
鬱々と思いを巡らしながらも、つい言ってしまった。彼に。「随分身勝手な結婚をしてしまったものね?」「奥さんの気持ち、考えたことあった?ちゃんと聞いたことがあった?」イケナイ。詰問口調になってしまう。けれど、惚れた相手に慣れない性行為を求められ、応じてしまった彼女の心情に意識が向くのを止めようがなかった。
・・・・・。
彼らが離婚に至る心情の葛藤について、本当のところはわからない。しかし、私が彼と暫く関わってみて、やはり彼は、身勝手な性向だと理解した。だって、彼は、感情に支配されないロボットのようになりたいと望み続けたのだ。いきなりは無理ダと、何度説得しても譲らない。溜息吐きながら、見知らぬ彼の妻のことを思った。
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→ 「性癖と性愛と結婚について #4」
2002年02月07日(木) |
性癖と性愛と結婚について #4 |
性癖って程深刻じゃなくても、「ちょっと変わったエッチをしたいな」と思った時、それを誰とヤるかってのは大問題だ。既に性愛の関係にある配偶者や恋人に打ち明けて、あるいは提案して、受け入れてもらうか?それとも、それ専用(?)に新規の相手を探すか?・・・いずれにせよ、ある程度の手間やリスクを伴うのは間違いない。
願望によっては、身近な相手ではダメな場合もあるだろう。いや寧ろ、巷で語られる「変わったエッチ」は、配偶者や恋人には言えない「秘密」として位置づけられることが多いようだ。つまり、日常に関わりのない相手だからこそ、欲情出来るし、それを秘め事として胸に抱くことこそが、欲情する動機の一端をなすのかもしれない。
その一方で、身近な相手に「変わったエッチ」を受容する可能性がないと危ぶんで、日常の外に相手を求めざるを得ない人もいる。彼らがそう結論する根拠は、個々に異なるだろう。既に性愛を含めた信頼関係にある相手との関係性を、ふいにするのではないか?その関係性ゆえに、相手に「受容出来ない悩み」を与えるのではないか?
・・・・・。
身近な相手に「秘密」を持つことを、密かな楽しみとするか、心苦しく隠し仰せるかは、個々人の捉え方次第だ。が、どう捉えようと、秘密を抱く自体に負担を感じることは、往々にあるだろう。そして時に、その負担から逃れるべく、或いは愛の名の下に秘密を持つ罪を思い詰めて、告白に及ぶ人がいるのも仕方のないことと思う。
もちろん、告白に及ばずとも、「秘密」が「バレる」可能性もあるワケだ。・・・いずれの経過にせよ、「秘密」が明らかになったが最期、想像以上のダメージを相手に与えてしまうのは必至だ。それが性愛に絡む秘密であるが故に。身近な相手ではダメな願望であったにしても、相手を思いやって告げられなかった願望にしても。
そして、相手の秘密を知ってしまった側のダメージが深刻な場合・・・例えば、自分が受容できない願望を持つ相手との性愛や、果ては当人の人格まで疑ってしまうとか、生理的な嫌悪感が生まれてしまうとか、相手の願望を受容できない自分をせめてしまうとか。その場合、両者の関係性までが壊れてしまうこともあるだろう。
・・・・・。
こうした不幸な結末に至ったカップルは、私の身近ではやはり、SMの性癖に絡む事情となるのだが、私としては、M魚が秘密を抱くケースに肩入れしてしまう。というか、私の位置では、どうしても目に付くものだから。その度に、「男性がM癖を持つ」ことと性愛を含む結婚は、相容れないのかなと暗澹とした気持ちに苛まれる。
個々が抱く性的な願望を引き比べるべくもないが、それでも、「男性がM癖を持つ」という事実は、ノーマルな性意識の女性には相当に強烈だと想像する。もっとも、広義にSM自体が受け入れ難いものとしても。やがて彼女は、夫や恋人のM癖を嫌悪し、或いは苦悩し、それまでの性愛がほころび、関係そのものが破綻してしまう。
確かに、性の不一致から別離するカップルは、性癖云々のレベルでなくても、沢山いるのだろう。けれど、M魚の味方の私としては、男性のM癖が原因となる一連の不幸を、とても哀しく思う。と同時に、乱暴な論ながら、この不幸を招く一因は、M魚にありがちな、自分本位で堪え性のない性向にあるかもしれないと疑ってもいる。
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→ 「性癖と性愛と結婚について #3」
2002年02月06日(水) |
性癖と性愛と結婚について #3 |
先日、古馴染みのM魚から電話が掛かる。久しぶりの連絡に、互いの近況報告を交わしながら、またも話は、彼の結婚問題へと進む。「もう30ですモン、考えますよ」彼はオトナらしく笑ったが、今更年齢を口実にしなくても、もっと年若い時分から、将来の結婚と性癖をどう折り合わせるかについては、彼が再々に話題する所だ。
その度に、「若いんだから、結婚のことはさて置いて、SM関係を作ってみることだね」と言ってきたのだが、ここ暫くは、特定のパートナーに恵まれている状況だ。関係も良好らしいが、彼女が既婚のせいで、彼の悩みは新たな展開を迎えた。「彼女との結婚は無理だし…」独身者の性愛が、結婚を視野に入れてしまうのは仕方ないね。
「某なんか、SMなんて所詮夢だって言い切りますよ、オトナだなぁ」別のM魚を羨みながら、実は、彼は未だ「オトナ」になり切れてないと言いたげだ。「某とキミは違うタイプじゃん?」と応えると、「いやぁ、ボクも割り切れれば楽だって思うんですけど…」と語尾を濁す。そして、「やっぱ結婚はしたいデス」と言葉を継いだ。
・・・・・。
彼が心から望む結婚は、夫婦間の性愛がSM(DS)関係にあることだ。妻を主と慕い、偶にSMっぽい行為が出来ればいいなと夢見る。これはまさに、夫が独身の頃に理想としてた夫婦のカタチだ。が、生憎と私達はその実現に挫折してるので、これに素直に頷くことが出来ず、「そんな夫婦も確かにいるネ」と言葉を濁すしかない。
確かにいるが、私の本音としては、それってレアケースじゃないのと疑ってしまう。私の場合、「夫がMなのに、どうして夫婦でSMしないのか?」と訊かれる事が多くて、その都度「夫婦が対等である結婚生活と、主従関係は両立出来ないから」と答えるのだが、まさにその理由から、夫婦間SM(DS)は難しいとの意識を拭えないでいる。
けれど、やっぱりいるのだ、上手にSMやってる夫婦は。この事実の前に、私は未だ鬱々としてしまうのだが、私の事情はともかくとして、先の彼にとっては、希望を繋ぐ明るい事実ではある。勿論、今の彼女との将来が望めない以上、また新たな、しかも希有な縁を探す困難はあるだろうけど、彼の望みが叶う可能性は残されている。
・・・・・
さて、彼のように「妻が女王様」を夢見るM魚は意外に多い。そこで、例によって(笑)意地悪な質問を彼らに投げてみる。「夫を尻に敷いてる妻なんて、ゴマンといるぜ?」すると、大抵「いえっ、妻にS性がないと…」てな答えが返る。「SMやれる妻ってこと?」敢えて身も蓋もない問いかけをすれば、彼らは一様に答えに詰まる。
なぜなら、この手の望みを抱くM魚の多くは、「主様に喜んで頂けるのなら、どんな行為であれ幸せですぅ」と、行為よりも相手との関係性をこそ重視する隷属願望の強い組なのだ。先の彼もそうだし、ウチの夫も、かつてそうだった(たぶん今も、笑)。そして、その殊勝な言葉は、偽りなく純粋に、彼らの真に望む所なんだろう。
先の問答の続き。「単純なカカア天下じゃダメなのね?(笑」と助け船を出せば、「ハイッ、私をM奴隷と見なして頂きたいのです」と、晴れ晴れと答える。この時点で、彼らにとっての性癖は、非日常なものじゃないんだね。彼らが今後どのような解を見いだすのかは、個々人で違うはずだが、上手く夢と折り合って欲しいと願う。
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関連記事です。よろしければどうぞ^^(註:掲題、若干変更しました)
→ 「性癖と性愛と結婚について #1」 → 「性癖と性愛と結婚について #2」
大変畏れ多い物言いとは思いますが、 女は、 神さまみたいなものかもしれません。
もっと罰が当たりそうな言いかたをすれば、 私のカラダは、 神さまなんだろうと思います。
・・・そう、ある男たちにとっては。
とある神さまは、我が子たる人々に、 ご自分の血と肉を分け与えられたと言います。
同じように、 私が自らのカラダを分け与えるとき、 彼らは、それを崇め、押しいただき、歓喜するのです。
嬉しさのあまり、 彼らは、それを眺めすかしたり、 匂いを嗅いだり、舐めしゃぶったりします。 そして、大切そうに持ち帰ったり、食べたり飲んだりして、 自分のからだの一部にしてしまったりします。
彼らは、私の信者です。
私が男たちに分け与えるのは、 なにも自分の血や肉ではありません。 私の信者以外の人には、 汚らわしくて、見向きもされないようなものです。
私が身に着けて、汚れてしまったモノたち。 何日も穿いて、埃や汗で饐えた匂いを放ち始めたストッキングや、 股や尻に食い込んだその部分が、それと判るほどに汚れたショーツ。
あるいは、私のカラダから排泄されるモノたち。 口から吐いた唾や痰、鼻からは鼻水、全身から滴る汗や擦り取った垢、 股ぐらから迸るおしっこ、おまんこから垂れるおりものや生理の血、 そして、尻から絞り出されるうんこ。
ここまでのお話をご覧になって、 単に、気持ちが悪くなった方には、 ただただ、ごめんなさい。謝ります。
でもひょっとして、 なんだかワカラナイけれど、胸騒ぎがしてしまったあなたなら、 やがて洗礼を受ける日が来るかもしれません。
その日が来るのを楽しみにしています。
2002年02月04日(月) |
まだやるか?言い訳メドレー 2 |
ダメ押し的ツマラナ記事ですが、ま、リハビリつーことで(既に言い訳モード、笑
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まず、ほぼ一週間ナリを潜めてた理由。 単に元気がなかったから。うはは、ガキみてぇ(笑)けど、分かり易いよね。 ま、まぁたフラレまちた〜なんてワケじゃないのが、せめてもの幸いとしとこう。 当たり前に娑婆にいるとね、色々あるっすよ。ホント、いろいろ。うざうざ(溜息
で、病人多いス。身近に深刻な病名が溢れる昨今。マジ、病院いかねば、私も。 でもってインフルエンザ、流行ってます。しかも、一気に皆が倒れる。どゆこと? せめて、順番に罹ろうよってことで、私は未だ。うがいと手洗いに救われてマス。 んがー、単に罹り損ねただけかもしれない。ほれ、ナントカは引かないってさ(笑
・・・・・
奇特な男子からデイトの申し込みあり。けど、とある理由で実現ならず。あぅ。 てのもね、一緒に映画行きませんかって言う。しかもそれ、マニアな長編大作ダ。 ごめん。映画は独りで見に行く主義なんだ。隣でチョッカイ出していんなら行く。 と言ったら、案の定断られてしまった。でしょ?あんなの、ひとりで見といでよ。
大体ね、映画見終わって、側に人がいるのってウザくない?喋るのメンドくない? まぁ、これって私特有なのかもしれないけどサ。だから、イクときゃ独りなの(笑 あ、でも企画モンとしては、人とイクのも面白いやね。痴漢ごっことか。んふー。 女3人でポルノ行った時は愉快だったわぁ。オヤヂの注目集めまくり。んふふー。
・・・・・
人前でニヤニヤしちゃう理由。これ、全くもって、お恥ずかしい事情があるのよ。 勿論、心情からニヤついてる時もあんだけど、自動的にそうなる癖みたいなモン。 親の葬式の時ですらニヤついてたらしい。だってサ、人がいっぱい居たんだもの。 って、言い訳になんないナ。かなりマズイ癖だワ。深刻な顔、カムバーック!!
で、その事情。この癖ねぇ、生まれつきじゃなくて、自ら創り上げちゃったのよ。 その昔、地下鉄の車窓に映る己の姿に愕然としたのがきっかけで、顔相を変えた。 もっとも、造作そのものはいじれないから、せめて口角だけは上げることにした。 あれから15年。乙女の決心が、ニヤけたオバサンに成り果てた。どーする?(大汗
・・・・・
こないだ。身近な奴隷を吊る機会をふいにした。折角、施設があったのにサ…。 しかも、その落ち度に気付いたのは、一日以上経ってからだ。あぁ、おバカな私。 ふとした瞬間、あーッと後悔が走った。やってる途中で気づけよ、自分。呆れる。 いきなり、あぁすればよかった、こぅすればよかったと、ひとり反省会が始まる。
しかもだ。あん時、使いにくい長縄二本と格闘しつつ、奴の四肢を結わきつけた。 あの縄の長さと労力があれば、前後左右鞭打ち自在の仕掛けが出来たのにねぇ…。 うー、こゆのって結構あるナ。そん時には、そのやり方シカナイと思い詰めてサ。 イカンですね。柔軟な視野を持たねば。人生損する。いや、実際ソンした。嗚呼!
・・・・・
さて、先月23,24日付けで記事した「性癖と男女交際と結婚について」ですが・・・。 勢い込んで書き始めたにもかかわらず、そんなこんなで更新が止まってます(汗) が、止まってるだけで、止めちゃない(汗)ので、ぼちぼち書く予定ではいます。 これ、自分ん中では重要なテーマなんですね。・・・やっぱ、書かねばダワ(宣言)
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