雑感
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2003年09月22日(月) 初心に戻って

日曜の10kレースで脚を酷使したのだろうか、
ハムストリングスがかなり疲れている。今日は自転車に
乗りたかったが、暗くなりかけたのでベルベデーレへ
ジョギングに出かけた。

疲労感があると、速く走れない。脚に負担をかけないよう
に超ゆっくりのジョギングとなる。このゆっくりさは、
妙になつかしい。いつのまにか、速く走ろうと練習でも
レースでも目一杯走っていたので、ゆっくりジョグが
心地よく感じられる。このまま2時間でも3時間でも
ずっと走っていたいという気にさえなる。

こういう感覚は長い間忘れていた。
手術前に、走ったシェーンブルン庭園の寒さや、術後に
ひたすら歩きながらリハビリしたプラターの遊歩道を
思い出した。あの頃はゆっくりでも走れること自体が楽しくて
タイムなど二の次だったね。

週末にリュックに水と食料を入れてウィーンの森をひねもす
走ってみたくなった。きれいな景色を目の当たりにしたく
なったから?

夏は自転車にかかりきりだったけど、秋になって走る魅力
が再び戻ってきたようで嬉しい。


2003年09月12日(金) プラムのタルト

ツベッチュケン(プラムの1種)のタルトを焼いて職場
に持って行った。
先週、同僚から数キロもツベッチュケンをもらって、
大量のマーマレードを作った。
タルト生地と一緒に焼いてみたら、われながらすごく
おいしかったので、誰かに食べてもらいたいなと
思っておそるおそる職場のキッチンに置いた。

幸い同僚たちはすごくおいしいと言ってくれて、普段
はお菓子に見向きもしない上司まで「食べてもいいの?」
って聞いてくる。

お手製を他人に味見してもらうのはすごく勇気がいる。
食べてから、ひょっとしてお腹を壊していないかなとか
本当においしかったのかしらと不安になる。
もとから、人にものを贈るのが苦手だ。何かをあげる
のは大好きなのに、迷惑がっていないかなと考えすぎる
傾向がある。

今回のタルトはレシピをたずねてくれたので本当に
気にいってくれたのだろう。
おいしいという言葉は作り手にとっては魔法の杖のような
ものだ。こちらこそありがとうと言いたいくらい。




2003年09月08日(月) バッハウ

バッハウハーフをようやく申し込んだ。
朝早起きして出かけるのもおっくうなので、今年はやめ
ようかと思ったが、毎年走っているし、5千人以上の
ランナーと一緒に走る魅力は抗し難い。

風光明媚なバッハウ渓谷は、ワンウェイの平坦コース
で記録も出やすい。毎年完走するたびに、次はフルをと
思うのだけど、9月中旬はたいてい走りこみができていな
いので、気弱になってハーフを申し込むパターンだ。

この時期はいつも、スタートする前は寒くて、きりりと
身が締まる。もう何回ハーフを走っているのだろう。
数え切れないほどなのに、どのスタートも一瞬、すごく
緊張する。心拍数が20くらいぽんと上がる。

右手にドナウを眺めながら走るとき、無心ではなくいろ
んなことを考える。次のマラソンのこと、いつか一緒に
走りたい人のこと、記録のことを頭に描いて少しでも
呼吸のしんどさを忘れようとする。
18キロ地点は終点の町クレムスの入り口だ。
速いランナーも遅いランナーもそれなりに、自分のぎりぎり
のペースで走っている。

あと3キロほど町を周回する。脚がとっくに終わってる
けど、もうひと踏ん張りすればゴールは近い。
こんなことをもう4回も経験している。


2003年09月05日(金) ツヴェッチュケン

同僚から、バケツ2杯分くらいの、ツヴェッチュケンを
もらった。杏とプラムを足して平均したようなものと
いったら、想像がつくかな。

早速何人かに配ったものの、まだバケツ1杯はある。
こういうときは、国営放送のネットレシピを見ると便利
だ。じゃがいもの粉で作っただんごの実にして、粉砂糖
で食べたり、ケーキに焼きこむ、それでももて余した
ときはジャムにするといいそうだ。

明日は一日、種取りをしてこの作業にかかりきりに
なりそうな予感。爪を痛めて走る気がしないので
いい気分転換になる。


2003年09月04日(木) 秋の味覚

先週から急に冷え込んで、昨日思わず暖房を入れてしまった。
最高気温も20度を超えなくなると、今まで暑かっただけ、
よけいに寒く感じる。

秋らしくなると、収穫の季節がやってくる。
先日、かぼちゃを買った。早速、パンプキンパイに変身。
そのまま煮ても、べちゃべちゃするので、スープや
パイの具に化けることが多い。

ボルチーニ茸も、そろそろ生が出始める。適当にカット
して、オリーブ油で炒めて、バルザミコをふりかけて
食べるとおいしいだろうなあ。

ワインは、モストやシュトルムの濁酒が2リットル瓶に
入れられて売っている。

今夜はあつあつのパンプキンスープ。仕上げに生クリーム
とパンプキンオイルをあしらえて出来上がり。
ついでにパンプキンパイも作って、味覚の秋を楽しもう。


2003年09月03日(水) スローフードの生活

ちょっとした理由から、質素な生活を余儀なくされて
いる。昔なら、がくんとめげるところだが、根性が
すわってきたせいか、ちょっと困ったなと思う程度で
実はそれほど、落胆していない。

普段からなるべくお金を使わないようにしているが、
今回は、自転車にお金を使わない、お昼もお弁当を
持っていく、手作りできるものは時間がかかっても
こしらえる・・と決めて生活していると、意外にも
スローフードを作る生活に慣れて、結構楽しめるよう
になった。

日本料理の材料は高くつくので、ウィーン料理や
イタリア料理、パンやケーキを頻繁に作ることになって
油の摂取が増えたのが気になるが・・

パイ生地、ピッツァの台、タルト生地、パン生地と
それぞれ奥が深く、こつのようなものがあるので
作業を始めると苦にならない。
世の料理家やプロの料理人が全身全霊をこめて料理する
気持ちが少しわかったような錯覚さえ覚える。

食べ物に手間隙かけていると、生活全般にも目が行き届く
ようになり、いきおい日々の暮らしに余裕をもつこと、
小さなことも大切にするくせがついてくる。

質素に暮らすのにも技術(クンスト)が必要だと実感する
この頃。


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