雑感
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週末の土曜は祭日になるのでお店は休み。 りんごがセールになっていたのでまとめて買った。 2キロ150円ほど。安い。もぎたてで、新鮮だが小さい のが多い。タルト生地に詰めるか、焼きこんでりんごと くるみのケーキにしようか。
かぼちゃもいつもの半額だったので、ごろっとしたのを 1個買った。パイ生地に挟んで焼くか、ポタージュにするか 決めよう。
幸い台所にはくるみも山盛りある。くるみ割りで派手に 割って、今日はチーズパンに入れて焼いた。 晩秋のキッチンの窓からは、すっかり黄色くなった落ち葉 が風に吹かれてまぎれこんでくる。 中庭の大木の天辺はゆらゆらと小枝が風に乗っている。 葉も全部落ちる日も近い。
外は冬めき始めているが、キッチンはまだ秋の色に恵まれて いる。
一日たって、主催者のサイトをのぞいたら、日曜のマラソンの お礼や感想メールで賑わっていた。
このレースでは自己ベスト続出のようだ。気温も5度とちょっと 寒すぎるくらいで、給水が5キロごとしかなかったけれど、 幸い脱水症にもならなかったから、身体に無理をしいても 大丈夫だったよう。
4周回というのは、同じ景色を4度見ることになって、さぞかし つらいレースかなと思ったが、さにあらず。5キロや10キロの ラップが取りやすいのでペースがよくわかる。
4度も巨大なスタジアムを通過するのは気分がよかった。 司会者がマイクで名前を呼んで励ましてくれるし、声援も多い。 唯一のアジア人ということで特別扱いをしてもらったような 気になる。
「これで最終ラウンドだね。」と追い越しをかけてきたお兄ちゃん に声をかけた。お兄ちゃんも4時間30分以内のゴールを 狙っているということなので渡りに船とついていくことに決めた。 自転車の後輪につくのと同じで引っ張ってくれる人がいると とても楽だ。ペースに合わせていると上手くスピードアップが できた。 お兄ちゃんは35キロ手前で遅れだしたので、合わせずにそのまま速度を 保った。振り返るとずいぶん後方を走っている。 前を見るとオレンジのジャージの3人組が500メートルくらい 先をいくのがみえた。 35キロのエイドで彼らに追いついてからは、急に元気が出てスピードも 落ちない。疲れぎみのランナーをどんどん捕らえてとうとうゴールまで 脚がもった。 ゴール時にはいっぱい声援をもらって本当に嬉しかった。 いま持っている走力をいかに分配して、省エネ走行することが 大切かわかったいいレースだった。
ジョギングをした後、サウナへ寄った。 いつものサウナ室の温度が低くてなかなか汗が出ないので、 トルコ式のサウナ室へ入ろうとすると先客がいたので 入るのをためらっていたら、手を振っておいでおいでを している。 湯気の向こうには、元同僚が座っていた。 彼女は3年前まで同じ職場に勤めていたが、上司とそりが 合わず、なかば辞表をたたきつけるような形で去って いった。その後は、大手の情報関連の会社に就職したと聞い ていたが、話してみると業務縮小のため退職し、今は 製薬会社に勤めているとか。
彼女はよく仕事ができる人だったが、感情をコントロール するのが下手でしょっちゅう、上司とぶつかっていた。 真っ向勝負するのじゃなくて、もうちょっと上手く人つき あいができれば、今も同僚だったのに残念だ。 転職のたびに、収入も減っているんじゃないかと心配に なる。
今の職場で長く勤めている同僚たちは、目を見張るほど 仕事ができるわけではないが、人付き合いの技術を 持っている。こういうのは洋の東西を問わずけっこう 大事な技術だと思う。 大した仕事はしてないけど、自分の生活はきっちり守って いるという風に、堅実な日本人のようなライフスタイルで ある。
最近平地で走ることが多いので、気分を変えてウィーンの森の 北西の方向へ行ってみた。フルマラソンも近いし、ロングを 走ってないので脚力をつけるためでもあるのだけど。
周辺に〇〇コーゲルという地名が多いのは、円錐形のような頂 の丸い丘(小山のよう)の形状をさしているからだろう。 コベンツルでバスを降りてヘルマンコーゲルへと向かう。 秋の暖かな陽射しのせいか家族連れが多い。 標識には8,6キロのコースが記されている。いきなり 結構な登り坂の洗礼を受けて、息切れがする。 30分ほど走ると狩人の牧草地という場所へ出た。ここへ は3年前に来たことがある。あの当時は車があって、晩秋の 短い散歩をよく楽しんだなあと、ふと思い出した。
牧草地には柵があり、馬がのんびりしている。隣には 子供の遊び場があり、小さなヒュッテの戸外のテーブル には行楽客が多かった。
ここからコベンツルに戻れば1時間のジョギングになるが、 今日はお天気もいいのでもう少し走りたいと思って、 さらに森の奥深くへ走っていった。地図を持っていないので 木々に記された白ー青ー白の表示を頼りにたぶんどこかの バス停に着くだろうとのんきに歩を進めていった。
40分ほど走っていくと、林道の終わりで道路に出たが 道がわからない。途中で出会ったランナー(こんなところに もいるのだ)は折り返して来た道を引き返している。 私も倣って引き返したが右方面にノイバルデッグ方面の 標識を見つけて、どうせ知らない道ついでに、もうひとつ 冒険してみようと斜面を駆け下りた。ここからは本当に 誰にも出会わず、道も細くなる一方で、あたりを見回すと しんとして、時折木々が風に煽られて、こーんこんと音を たてる。森は深く、高度も相当あり、引き返すなら今かなと 思うけれど、上り坂を戻るのも億劫で、まあいいかと小走りに 下りていった。 30分ほど下りていくと車の音が聞こえる。どうやら幹線道に 出たらしい。 人家や人の声を聞いてほっとした。知らない人に淋しい道で 会って怖いという話を聞くが、誰にも会わないのもかなり 怖い。幸いリュックの中には、ボトルとお菓子があったので 何とかなるとは思っているけれど。
どうにか2時間強走って路面電車の駅に着いた。 ウィーンの森はほんとに走りがいがあると実感した。
先日、長らく会っていなかったクラスメートからメールを もらった。休暇取れたので当地に遊びに来るという内容だった。 私のことを覚えてくれていたのがすごく嬉しい。 インターネットやメールがあればこそ連絡が取れて再会の 運びとなったのは間違いない。 現在の高速通信の便利さに感謝しなくちゃ。
四半世紀ってとんでもない時間の長さだと思っていたけれ ど振り返ってみればそんなでもない。クラスメートの笑った 顔や体操着にはちまき姿は今でもはっきりと覚えている。 私の中では歳をとっていない彼女たち。
自分よりちょっと年上や年下の同性の人たちとは、どうも 歯車がかみ合わないと感じることが多かったので自分からは 連絡を取らなかったけど、彼女たちと何回かメールを交換して うまくつきあっていけるかなあと少し元気を取りもどした。
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