雑感
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久しぶりの3連休は、これもあれもしようと計画を立てて いたが、家計の見積もりミスでキャッシュフローが 悪くなり、節約を強いられ楽しみにしていた自転車旅行が お流れになった。
無理して泊りがけの旅に出ても後々おもしろくないので、 近場をうろうろしている。 昨日は、ドナウの上流へ散歩。ボトルに水を入れて、 手作りのケーキを持参した。
今日は、パンを焼いた。パンを作るなんて2年ぶりくらい かな。発酵がいまひとつだったけど、マヨネーズパンと チョコパンが出来上がり。家中にイーストの匂いがただよって いい気分だ。 最近、がっかりすることが多かったせいか、掃除をしたり 手のかかるものを作っていると癒される。心のケアとして 作業療法みたいなのがあったね、確か。 専門家の手を借りないでも、自力でこういう作業を通して少し づつ快復していけるのがよい。
明日は長く自転車にのろうと思う。
2003年08月15日(金) |
クロスターノイブルクへ |
連日猛暑が続いていたが、昨日の雷雨の訪れとともに、 急に気温が下がって今朝は穏やかな日になった。 時折、雨雲が通過して、出かけようとすると大粒の雨に なる。 1時間ほど待って、ドナウの運河を目指した。運河を 数キロばかり上流へ乗っていくと、ドナウの本流に出る。
クロスターノイブルクへは、ドナウ沿いの本格的な自転車 道が通っているので、行き交う旅行者も多い。 この村まで自宅から30分くらいだろうか。ここで引き返す にはもったいないので、さらに上流を目指す。 健康ランドの傍のキャンプ場を通って、車も通らない専用 道路を上っていくと右手にドナウの流れが見えてきた。 このあたりは、ウィーンに家を持つ裕福なひとたちが、 週末のセカンドハウスとして建てたコテージ風の家が多い。 芝生に寝転んだり、バーべキューをしている家族がいる。
この村をとおり過ぎたところで、自転車道の標識が二つの コースを示している。一つは家族用サイクリングコース、 もう一つはロードレーサー用のコース。レーサーコース ってどんなのかなとそっちの方に進んでみた。
何のことはない。ただの一般車道だった。でもアスファルト が新しく敷かれているので、路面抵抗が小さい。しばらく 進むとグラッフェンシュタインに着いた。ここは山頂に お城がある。登ってみようかなと思ったけど、体力温存 を考えて通過。右折して本来の自転車道へ。
川岸に沿って、適度に舗装された自転車道があった。 ここまで1時間30分。 引き返すことに決めた。川沿いのサイクリングはどこかで 折り合いをつけないと果てはドイツまで、下流なら2時間も 走ればスロバキアの国境超えになってしまう。
ウィーン市の看板を見つけるとやっと戻ってきたという 安心感がある。少しづつ自分の行動範囲が広がって 何となく嬉しいサイクリングだった。
運動のできない週末は、出かけるのも暑いし、ツールの 録画を2本見たあと、そうだおやつを作ろうというアイデア が浮かんだ。
ケーキの本を見ながら、前にオーブンを使ったのは何時 だったかしらと思い出そうとつとめる。 ダイエットのこともあって、極力おいしいもの、甘いもの は避けようと味気ない食習慣に陥って、ひどくつまらない 日常にになってしまったことを反省。
紅茶ケーキとレモンゼリーを選んだ。引越しのさいに製菓 道具はずいぶんと処分したつもりだが、棚の奥に基本道具 が見つかった。もう他人のためにお菓子を焼くことはない だろうと思ってたので。
材料がないので買出しに行く。ミルクと卵と小麦粉と ベーキングパウダー。ゼリーは買い置きがあるのですぐに 完成。ダージリングをホットミルクに浸し置く。 卵は泡立てていると、やわらかなクリーム色に変貌して 砂糖を入れるとさらにかさが増えてねっとりしている。
ふるった小麦粉と紅茶ミルクをたして型に流し込む。 オーブンに入れたあとは、さしあたってすることもなく 独特の焼き菓子の匂いと紅茶の香りが、そろそろとキッチン から流れこんでくる。 焼き上がりを待つ、こういう日常のささいな嬉しさが、 重なってくることを幸せというのだろう。
土曜日にクロカンハーフがあるので、エントリーしようか 考えていたけれど、結局パスした。 起伏のあるコースを走るのは、脚でも自転車でもきつくて 何度もやめようかと思うのだけど、ゴールしたあと不思議 とまた走りたくなる。
起伏のあるコースは、周りの景色もどんどん変わるので 厭きないし、下るときの快感は苦しい登りがあってこそ 感じることができる。
普通のマラソンカレンダーとは別の、山岳マラソンや クロカンの専門サイトがあることを知ったのはごく最近だ。 大衆のマラソンとは別に、確実にコアな山岳ランナーが いる。
自転車競技にもスプリンターと山岳スペシャリスト、ワンデー レースやタイムトライアルのスペシャリスト、さらに何でも ござれのオールラウンダーが存在する。 自転車の山岳ステージがわくわくするのは、きつい登りを 汗かきながら驚異的なスピードで、電動ミシンを踏むみたいに 登っていく姿に惹かれるからだろう。
背後からアタックして急坂でスピードアップすると、見事に 反応してカウンターアタックをしかけてくる丁丁発止の戦い には、どきどきさせられる。
これが平坦コースだとそれほど訴求力は感じられない。 坂をのぼること自体、とても意義があるのだなと思う。 生き方も、平坦よりは起伏がある方がおもしろいかな。
去年は大雨が降って各地が洪水になったのに、今夏は 暑すぎる。雨もめったに降らないし、スペインや南仏では 山火事が発生しているそうだ。
先週、ワイン街道を自転車に乗ったが、地面は乾ききって 今の時期、一番輝いているはずのひまわりが揃って頭を垂れて いた。枯れてしまったのも多い。
家にいても、オフィスにいても暑くてひどく汗をかいている。 クーラーが普及していない土地のせいか、扇風機がよく売れて 入荷を待っている人々がたくさんいると報道された。 昨日は暑い中、走ってきたが身体に力が入らない。こういう ときは、プールに浸かっている方がよさそうだ。
暑さ対策
お茶を冷やした。 シーツと枕カバーを3日に一度交換した。 つまらないことで怒らない
これで少しは涼がとれるかな
2003年08月05日(火) |
hilfsbereit |
ドイツ語の hilfsbereit(ヒルフスベライト)は、(困った ことがあれば)いつでも手伝いますよの意味がぴったり すると思う。
職場では、些末な仕事でも hilfsbereit の気持ちで 引き受けるようにしている。こう書くと偉そうに聞こえる が、嫌な気持ちを顔に出さないで、手際よく片付ける、 処理内容の結末を予想して、不測の事態の手立てを考えて おくと、つまらない仕事でもプロ意識が持てると思う。
先日、夏休みのバイトに来ていた女性が解雇された。 彼女を見ていると、反面教師になり、自分も他者に対する 態度を常に気をつけないといけないなと感じた。 人の話を聞かないから、何回か指摘しても直そうとしないし、 自分の能力を誇示しすぎて些末な仕事を引き受けない、 気にいらない仕事は露骨に表情に出す・・時間にルーズ云々・・ 仕事を頼む側としては、少々のミスがあってもやる気の ある人にやってもらいたいと思うのは人情だろう。 語学能力が高い人だったのに、もったいないが、hilfsbereit の気持ちが欠けていれば日系企業でも現地企業でも長続き しない。
人でも組織でも、この人とつきあえば(仕事をすれば) メリットがあるから関わっていくのだと思っている。 メリットは物質的なこともさることながら、精神的なもの 、例えば笑顔や、そばに存在しているだけで和やかな気持ちに なれるとか、そんな感じのものかな。
四六時中、hilfsbereit でいることは不可能だけど、フリくらい なら俳優の気持ちでできるのでは。そうして振舞っていたら 自然と身に着くものなんだと思っている。
自転車を電車に乗せて移動することを輪行と言うらしい。 今日は輪行してドナウの北東80キロのレッツというワインの 産地まで出かけた。
チェコ国境に近いこの町は、ブルグンダーとチャドネィが有名 でそれぞれの品種にちなんだサイクリングコースがある。 でも、今日はレッツから西方のラーという町へ移動することに した。およそ50キロの行程なので2−3時間の散歩だと 思ったが、サイクルコンピュータは39度を指している。 国道を走っているときは熱風が吹いてきた。アスファルトは 相当熱くなっていてタイヤがパンクしないかとはらはらした。
何時の間にかサイクリングコースから外れて国道沿いにラー を目指していた。タイヤもやわなので、国道の方がずっと 走りやすい。前にも後にも誰もいない。たまに車とすれ違う だけ。村に入っても暑いせいか誰も通りに出ていない。 ゴーストタウンのような村にはひんやりした飲み物を売って そうな店もなかった。
最後の一滴を飲み干してボトルは空になった。あと6キロ。 アスファルトの地面を滑らかに移動してようやくラーの 中心広場へ到着した。 オープンカフェが開いていて、レモンソーダを一気飲み。 暑かったけれど、いろんなことを思いながらペダルを踏むの は楽しかった。 いつか、こういうツーリングに付き合ってくれる人がいたら いいなと思う。周囲には私と張り合える体力のある人が いないのが残念だ。
先週末、ツール・ド・フランスを見にパリまで出かけた。 いつもなら、飛行機の中、あるいは前夜に旅行者が使うフランス 語フレーズを暗記して備えるのだけど、歳を取るとだんだんと おっくうになり今回は何も準備しなかった。
パリ行きの機内で通路をはさんで隣に座った70歳くらいの マダムは乳飲み子を連れている。お孫さんかしらと思ってちらちら 観察していると、やはり赤ん坊は手がかかるらしく、いろんな 細かいことを乗務員に頼んでいる。最初はフランス語が飛び交って いたが、そのうちマダムは英語に切り替えてまくしたてた。
フランス系の人かしらと思っていたら、今度はオーストリア人に ごく自然なドイツ語で話しかけている。このばあさん、只者じゃない なと思った。フランス語はよく聞いてみると流暢だが、外国人が 話すように、いやに文法がきちんとしていた。
さて、ホテルに着いて一応覚えたてのフランス語でチェックイン してみる。予定調和の会話が成立していたが、突然係員が チェンジアップを投げてきた。よく聞き取れなかったので 英語に切り替えてもらった。付け焼き刀はだめだなあ・・
2日目、3日目と街の看板やフランス語にも慣れたのか、突然 昔習ったNHKのラジオ講座や初級クラスのテキストの場面 がフラッシュバックしてきた。忘れたと思っていたのに、どこ かの引き出しに入れて取り出せなかったみたいな感じがする。
ツール関連の雑誌を購入した。読めないと思っていたら、 専門用語や話題になっていることはわかるので、そこそこ意味が わかる。自転車のためにまたフランス語を習いたいなと思った。 ツール総合優勝のアームストロングはきれいなフランス語しゃべ るしね。
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