【ザレゴト・タワゴト・ササメゴト】


2008年08月04日(月) 発作 いつもの

 ふわふわしたまま生きていく術はないものかと思っている。

 現実を拒否している、という程のものでもない。ただ、片足はネバーランドに掛かろうとしているのは確かだ。 つらいとか苦しいとか、そういうはっきりとした違和感がある訳でなく、ぼんやりと夏休みを惜しむ8月末の子どものような、そんな気分がもう何年と続いている。
 折り合いをつけなければならないと思いながら、どうにも折れてくれない自分自身を持て余して、こんな歳になってしまった。 それでも僕はまだ若い。 人間は若い時よりも若くない時の方が遥かに長い。 冗談めかして「もう若くない」と言ってはみても、やはり僕はまだ若い。人生の半ばにもさしかからない、ほんの若造なのだ。 けれど。 まあそれはいい。 問題は若くなくなった自分が、今と同じようにふわふわしたまま生きていくことは、きっと、もっとずっと難しいということだ。
 自分探しなんてするつもりはない。自分は、今ここに在るものでしかないから。それ以上の何かであり得る訳がないのに。探して見つかるのは影ばかりだ。実体はここにしかない。 知りたいのは社会。社会と自分を繋げるもの。そして他者の存在。いつまでも、独りのつもりで生きてくことは出来ないって、知ってるよ。この、ふわふわした何かの向こうにいる人を、いい加減に見つけなきゃいけないんだろう。
 僕はいつまで観客のいない独り芝居を続けるんだろう。緞帳の裏で声が枯れるまで、台本も離せずに。


 < マエ  モクジ  ツギ >


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天瀬紺太(仮) [ 俺 ]
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