皇帝の日記
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昨晩LAX発タルサ便が、悪天候で着陸できずにLAXに戻って来た。 そこに義父の友達が乗っていたので、夜突然に我が家にお泊まりする事になったのだ。
さあ、お片づけお片づけ。 もしゃもしゃ片付けている先から、散らかして行くイサムさん。
だいたい最近は、床に物を置いておくと必ずイサムさんの毒牙にかかるので、散らかっているのは全部イサムさんのおもちゃなのだ。 イサムさんの散らかした物を片付けている先から、イサムさんがまた散らかす。 なんかの無限地獄のようだ。
お客の布団は、来週皇帝の古友達、勇者が遊びにくるので干したばかり。 ちょうど良いと言えばちょうど良い。
ほんでお客さんは、夜に来て一緒にインド料理を食べて、朝はとてつもなく早い時間の飛行機をアレンジされて、皇帝が起きる前に出発してしまわれた。 あまりお話ができなかったが、こんなんで良いんだろうか。 おもてなし。
さて、哺乳瓶の洗浄などがあり、イサムさんが生まれてからずっと手あれしていた。 まあ、あんまり働き者ではないから軽傷なのだが。 そこで最近は主義に反して、食器を洗う時はゴム手袋を着用するようになった。 おほほ。 セレブ主婦みたい。 おほほ。 などと気取っていたら、あっという間に傷は癒えてしまった。 すべすべ。
ポイントは、手袋する前にクリームを塗っておく事。 長らく手袋しているとかぶれるので、一気に済まそうとしない。 主婦界では常識なのかもしれないが、最近の発見として記しておく。
赤ちゃんは鉄分不足に陥りやすいそうなので、ほうれん草を茹でてあげたらいいそうな。
だが、アメリカのスーパーで売られているほうれん草って、すごい汚いのだ。 汚いっていうか、畑から出て来たまんまくらいに洗浄がいい加減。 全体的に土まみれで、時々足の沢山ある虫まで付いてる。 日本の野菜のように、ちゃっちゃっと水道水で流したくらいでは、収まらない汚れっぷり。
これを洗うのが、毎回一苦労。 まず流し台をきれいにしてそこに水をはって、根を落としたほうれん草をバラバラ入れて洗う。 網で水を切って、更にさっとすすぐ。 めんどー。
おひたしが大好きだけど、これはきつい。 やーめたやめた。
と、近頃全然ほうれん草を食べていなかったのであるが。 イサムさんの為に、面倒くさいなどと言ってはいられないではないか。 しかし面倒くさい。 うーん。
悩んだ結果、素敵な物を発見してしまった。 それはベビースピニッチ。 ようするに、小さいほうれん草なのだが。
これが、アメリカのスーパーではバケツみたいなでかいケースに、葉っぱだけ山盛りに入って売られている。 (ビニール袋にパックされているバージョンも有) 茎の部分は初めからない。 そして、しっかり洗浄された状態である。
これを冷蔵庫に常備しておいて、何にでもバラバラと振りかけて茹でてしまうのだ。 まあお手軽。
大人の料理にも簡単に使えるので、最近もっぱらこれです。
また一つ、楽な物を見つけた。
ツイッターで流れて来て知ったので、最近ポチポチしている募金。 http://www.dff.jp/ 企業名をクリックすると、その企業が1円どこかに寄付してくれるという仕組み。 寄付する先も色々選べるので、その時自分が興味を持っているところに送れる。 ただし、一企業名につきクリックは一日一回が上限。
ツイッターでは同じように、ハイチに一日一円送れるので、こちらもポチポチ。 http://www.dff.jp/twit_haiti/
動画とか、サイトの主旨に関係なく突然入れられる企業広告よりも、効率の良い宣伝だと思う。 少なくとも、一日一回コスモ石油の事を考える日が来るとは思わなかった、あたい。
さて、その後どうなったかという話題のトレイシーメソッド。 全く筋力がないので、30分くらいエクササイズすると電池切れで倒れる。 それでも、日々30分ずつ一週間せこせこ動いていたら、それなりに細くなった。
それが、普段しないヘンテコな動きをするもんだから、普段細くならないヘンテコなところが細くなったのだ。 なんでしょう、アバラの間? あと、ふくらはぎの横? 太ももの付け根? 腕が胴体にくっついている部分の、胴体側の肉?
何そこ? そんなところに肉有りましたっけ? そして、そこが細くなったからと言って、全体的な印象で果たして「スタイルが良くなった」となるのだろうか。
トレイシーさんの推奨する体操は、筋肉ムキムキになるのが目的ではないので、運動を継続しても筋力はあまりつきそうにない。
彼女が言うには、隠れ筋肉をつけることで体がエネルギーを常に消費してくれるので、太りにくくなるんだとか。 効果がわかりにくい話だ。
ところで、筋肉のつきやすいジャバ夫さんは、皇帝が運動している横でチャラチャラ動いていただけで、一週間で腕脚がムッキムキになっている。
アメフトでもやれば良いのにと思うが、運動神経がないのでやったら命を落とす。
そんなわけで、ロスに居ます。 学校にもせっせと通い。
先週、アニメーションの授業で短編を作ったのだが、それを横から見ていた先生に大部分を手直しされ、どこが私の作品かしら?ってくらいに別物にされた。 ところが、今週になってその事を忘れたらしい先生は「この作品は素晴らしい!君はアニメーターになったらいい!」と大絶賛。
いや、自画自賛。
褒めるポイントのことごとくが、先生自らが手を下した部分。 ああ。 うんともすんとも言えなかった。
さて、シーランド国王からお手紙が来た。 レディー・オブ・シーランドの証明で、賞状みたいのが送られて来たのだ。 どうやらネットでのプリントアウトで済ませる従来の制度を改めたらしく、郵送で来た。
外の封筒には、英国の切手と消印が。 中の封筒にはシーランドの切手と消印がそれぞれ押されている。 運んだのは、大英帝国の郵便屋さんだ。
やけに立派な多色刷りで、赤い立体ハンコもついていて、とても本格的。
お免状をもらったら、すごく立派な額に入れてトイレに飾ろうと思っていたが、素敵な金縁の額までついて来た。
額を輸入したと思えば、安いくらいだ。
ジャバ夫さんに頼んで、早速トイレの一番見やすい壁にかけてもらった。 満足。
シーランドの爵位、100ドル以下なので、皆さんも是非。 友達の誕生日なんかに、ちょっと変わったプレゼントとしていかがでしょうか。
本日のイサムさんの朝食。 昆布だし、ほうれん草と卵黄のおじや。
お母さんの朝食。 卵白。
さて、ロッキーのお散歩に行ったり毛をすいたり、のんびりしている。 しかし明日から学校なので、ロスに帰らなければならない。 運転がなあ。
ただ、車に乗せるとイサムさんは眠ってしまうので、それが楽。 親孝行な子じゃ。
サンタバーバラ二日目。 義母がイサムさんを見ててくれるので、髪の毛を切りに行った。
もう、長い髪は面倒くさいんだ。 短くしたいんだ。 ちょっと前までは、短くすると子供っぽく見えると不評だったけれど、最近どうひいき目に見ても子供っぽくはないから、もう良いんだ。
というわけで、ベリーショートで前髪パッツリ、モード系にしてくださいって言ったら、スポック博士になった。 不思議。
こないだ、スポック博士が原子力のエンジンを素手で直し、被爆した映画のシーンを「ありえねーよ!」と言ったので、呪われたのだろうか。 ごめん博士。
(その後、博士は被爆が原因で亡くなったのだが、別の星で転生なさってました。SFにありえねーとか言っちゃ駄目ね)
突然サンタバーバラにいる。
今朝、義母と何気なく電話をしていたら、義父が一人旅行に出てしまったので暇、と言われたので、ほんではとサンタバーバラに来ている。 ジャバ夫さんは週末仕事があるので、イサムさんを乗せてえっちらおっちら一人雨の中を長距離運転して来たのだ。
なんと連日の悪天候により、世界中の命知らずなサーファーがカリフォルニアにやって来ていて、ハイウエイはプチ渋滞。 サーフィングは金と暇がないとできないスポーツだなあ、と思った。 だから軟派なのか?
サンタバーバラに来ると、義母が「さあ!それをよこせ!その手の中の物を!」と言わんばかりに、両手を広げてイサムさんをお出迎え。 ちゃっとお渡しして、皇帝は義父のワインセラーを急襲。
義父は人を使ってワインを集めさせているので、自分が何を持っているのか知らないのだ。 だから、何を飲んでもまずバレない。 普段飲まないロゼをカパカパ開けて、飲み比べては知りもしない蘊蓄をかたむけながら、離乳食作り。
ジャバ夫さんに確認したら火曜日くらいまで仕事が忙しいそうなので、イサムさんを義母に見てもらいながら学校とサンタバーバラを行き来しながら、火曜か水曜くらいまでだらだらしそうな感じです。
だらだら。
年末クリスマスにプレゼントをもらった数は、もちろんイサムさんがダントツで一位。
色んな人から色んな物をもらったので、このところおもちゃに埋もれている状態。 なんせ気まぐれな子供の事なので、今日のお気に入りが、明日のお気に入りとは限らない。 今まで見向きもしなかったおもちゃが、突然大好きになったり。 その逆も然り。
おもちゃ達の間では、日々せめぎ合い、蹴落とし合いが繰り広げられているのだ。 全てはイサムさんの寵愛を得るため。
今、まんべんなくおもちゃを一巡したので、ぐるっと回ってまた、お風呂のアヒルちゃんがお気に入りになっている。 ちょっとお風呂のドアを開けていると、アヒルちゃんを取りに入って行ってしまう程。 何が良いのかわからないが、時々抱きしめては、うっとりしている。
さて、話題の(?)DVD、トレイシーメソッドを購入。 インストラクターのトレイシーさんにあわせて、毎日体操して健康になりましょう、というもの。 昨晩ジャバ夫さんとやってみたのだが、30分で脱落。 けっこうきつい。
効果は未知数。 (コアリズムはどうした?)
雨がガンガン降ってる。
さて、離乳食。 なんせ、はじめの頃は歯がないし噛まないから、なんでもかんでもぐっちゃぐちゃに柔らかく茹でて潰さなければならなかった。 その上、ちょっとでも渋みや苦みがあると食べない。
とにかく煮て煮て煮まくって、栄養なんか全部熱で無くなっただろう、という感じ。 更にこしてこしてこしまくって、歯ごたえもなんもない状態。 手間と時間がかかって仕方が無いので、ベビーフードをガンガン投入していた。 アメリカの肉や野菜の安全性とか考えると、ベビーフードの方がむしろ清潔で良いかも、という気もしてたし。
ところが最近、ちょっとやそっとの固形物ならいけるくちになり、大根やほうれん草の苦みもわかる大人の男に成長したので、お母さんの手作り食に変更。 心を入れ替え、割とまともに料理している。
とはいえ、大変な事は続かないだろうから、今は鍋メソッド(勝手に命名)を活用している。 鍋に昆布を入れて煮て、そのお湯に次々に小さく切った野菜を放り込んでは、網オタマで引き上げて、器に入れておくのである。 豆腐、ほうれん草、人参、卵、サツマイモ〜とどんどん煮て置いて行くと、最初の方に煮た物が、ちょうどいい温度に冷めている。 基本、全て昆布味だが、それは致し方ない。 最後に米を入れて煮ると、野菜出汁の利いたお粥になる。
キャベツとか、いくら煮てもなかなか食べてくれない物は、納豆に混ぜてしまう。 すると、ぬるぬるになってつるっと口に入るので、わりと難無く食べてくれる。
まあ母になったのですから、たまには頑張ってしまいましょう。
ところで、こないだ元ルームメイトが我が家でだらだらしていたのだが。 ふとイサムさんの顔を見つめ「スポック博士みたい」と言うので、「じゃあかっこ良く髪を切ってあげてよー。失敗しても良いからさー」と言ったら、本当に格好良く、レイヤーの沢山入った今っぽい髪型にしてくれた。
ちょっと頭頂部の立ち上がった毛が短く落ち着いてしまったのは残念だが、また一歩アイドルに近づいたイサムさんであった。
南カリフォルニアでは大変珍しく、まとまった雨らしい雨が一週間に渡り降る予定。 昨日も今日も雨。 マリーナデルレイは海側だし、ロス自体が雨に弱い都市なので、道路のあちこちが水に埋まっている状態。
ジャバ夫さんが「このチャンスに、イサムに雨を教えなきゃ!」と言うので、雨なのに夫婦そろって外に出て、 「これが雨だよー」 「お空がおかしいねー」 「頭がどんどん濡れちゃうねー」 「雲が融けてるんだよー」 とイサムさんを濡らしていた。
オクラホマの子供が、「丘」や「山」という単語がわからないように、イサムさんも「雨」のわからない子になってしまうかもしれない。
さて、昨日の運転の試験。
お爺ちゃん先生の手作りテストだったのだが。 なんと、試験問題が全部旧漢字。 所々中国の簡体字も混じっており、これ、アメリカ育ちの二世の人とかは読めないんじゃ・・・と心配させられる問題だった。 いや、一世でも「通過」の「過」が簡体字とか、読めないかもしれない。(シンニョウに寸) 「しかし」を「然し」って格好付けないで書く人、私初めて。
「慢速」は「減速」って書きたかったんだろうな、と思う。 それは中国語。
外来語のカタカナ表記は、先生のフィーリングで構成されていて 「ミラー」は「ミーラー」 「スピード」は「スビート」 「ポンド」が「ボント」 だった。
あーアクセント置くところと、破裂音、濁音難しいですよね・・・。 有気音と無気音が日本人にわからないようにね・・・。
「カリフォルニア」「フィート」などの、拗音は難し過ぎたらしく、諦めてそこだけアルファベットで表記されていた。
これらの混沌とした問題文が、もちろんワープロではなく手書き。 しかも、お爺ちゃん達筆。 その上コピーが斜めで、文の端が切れている。
問題自体は簡単なのに、こんなに読み下しが困難な物だとは。
先生の複雑な言語習得背景と、その影響力、結果について、貴重な研究材料になり得る筆記だな、と思った。 どっかの研究室に寄付したい。
2010年01月18日(月) |
ドライビングスクール |
そんなわけで、信号無視の罪で行って来ました、ドライビングスクール。 ここで八時間の講習に耐えた後、筆記試験を受けて合格すれば、晴れて無罪放免。
ジャバ夫さんが、日本語で講習を受けられるところを探してくれたのだが、それがなんとパサディナ。 遠いよお。 いや、自分が悪いんだ。 めそめそ。 朝早く出かける。
すると、なんともはや、山が近い。 近いよー。 何にも無いよー。 やたらに歯医者があるよー。 学校の周辺だけで、1ブロックに5件も歯医者があるよー。
まあ、色々面白い事はあったが、最も面白かったのは、講師のおじいちゃん。 なんと90歳近い。 とても元気で、ヨボヨボではないのだが、下の歯が全部無いので何を言っているのかつまびらかではない。 歯医者で! 近所の歯医者で下の歯植えてもらって!
というのは大きなお世話だが、おじいちゃん、実は台湾人である。 日本植民地時代に生まれ、大戦中は日本の空軍として優秀な成績を修め、戦後は中国の弾圧を逃れてアメリカへ。 そんな経歴なので日本語が大変上手なのだが、使う単語が教育勅語時代なのだ。
「あにはからんや、ここで二台の車がであったのである」とか 「しからば裁判所へ行くしかないので」とか 「夜中に黒い着物を着た歩行者が通れば」など。 着物て。
また、戦中の人らしく「バカヤロー」を連発するのだが、問題を出す時に「こちらからバカヤローの白い車が左に曲がって来て、黄色い車にぶつかりました。悪いのはどっち?」という問題の出し方で、どちらの車の過失なのか、バレバレなのである。
歴史の話が好きなのか、講習の大半が中国の歴史。 午前中は現代から元までさかのぼり、午後はついに秦の始皇帝にまで話が及んだ。 更に、健康の秘訣まで。
健康の秘訣は、口腔衛生だそうな。 歯槽膿漏が人類の滅ぶ原因になるだろう、と予測された。
イサムさんを連れて日本食スーパーへ行き、ショッピングカートの幼児を座らせる部分に入れてあげたら、これ以上無いってくらいに喜んでいた。 興奮のあまり通り過ぎる全ての人々に、両腕をぶん回しケタケタ笑い、幸福をアピールするイサムさん。 突然共感を求められた人々は、戸惑いながら「あら、いいわねー」と言ってくれる。
今まで衛生面が心配で乗せた事が無かったが、これが使ってみたら、超便利。
ベビーカー押しながら買い物すると、せいぜいカゴ一杯、片手で持てる分しか買い物できない。 しかし、ショッピングカートならば、無制限に商品を詰め込めるのだ。 (帰宅後は、駐車場から部屋まで何往復かすることになる。)
もう、ショッピングカートを家に持って帰りたいとまで思った。 イサムさんも荷物も、何もかも詰め込んで歩きたい。
「将来何になりたくないですか?」と聞かれ、 「病院で使われる担架にだけはなりたくないですね」と答える夢を見た。 それは将来ではなくて、来世だろう。
さて、何も用事がなくても、一日一度くらいは外出させた方が良かろうよ、ということでイサムさんを担いで、近所の公園にぶらりと行って来た。 ら、背中が途中で痛くなりはじめ、帰るに帰れない程酷くなってしまった。 ああああああ。
公園から整体に電話したら、「今すぐなら昼休みだから診察してあげる」と言われ、車でがーっと行った。 そしたら、いつも一分の隙もなくメイクをしている受付のお姉さんの目が、半分しか完成してなかった。 ・・・すいません。 変な時間に来ちゃって・・・。
背中は、バッキバキに押され、腰までバキバキにされて、なんとかまっすぐ歩けるようになった。 最近調子が良かったから、油断して通っていなかったために、コリがたまりにたまって、腰にまで来てしまったんだとか。 調子が良くても、時々来たら良いよ、とのこと。
いつも「重いもの持たないでね」と送り出されるのだが、重いもの持たないのは無理だな〜。 イサムさん、今20ポンド。
イサムさん、ミルク飲んだ後必ずお母さんのシャツで口を拭くの、やめてください。 あと、隙あらばお母さんを噛んで、流血さすのをやめてください。
さて、演劇の宿題。 皇帝が来週演じなければならない役の台本に、「恋人に怒りながら、シャツを脱ぎすてる」というシーンがある。
たぶん、とてもセクシーなシーンなのだと思うのだが。
皇帝の頭の中は、北斗の拳。
ユリアー!!
新年発見した、コント。 http://www.youtube.com/watch?v=FFy0FBjIt9Q&feature=related 好き。
イサムさんを背負って、たまりにたまった割引クーポン券を持って近所のスーパーに行ったら、28ドルも値引きになった。 このような時に、円に換算すると目減りしてしまうのが、とても残念な昨今。
さて、本日の授業は、アニメーションのタイミング、というようなのだった。 アニメ動画で、動きがスムーズに見えるような時間割を作る技術、という、説明するとわけわからん話なのだが。 ようするに、上手に動画を作っちゃうぞ、という授業。
近頃動画を作る人は、もっぱらコンピューターを使っているので、例えば、「立ち上がる」動作を動画で作りたければ、立ってる絵と座ってる絵を描けば、間のところはコンピューターが作ってくれちゃうんだそうな。
でも、そうじゃないだろ? もっと、血が通った、重力を感じる絵が欲しいだろ? 紙芝居じゃ、無いんだぜ?
というようなわけで、人間にしかできない技術を学ぶのだ。 ふーん・・・。 産業革命の憂き目のごとく、技術が無いとどんどん首を切られる、世知辛い世の中。 アニメーターにも、プラスの技が求められるのですね。 ふんふん。
言うまでもなく、またしても生徒は、すでに基本的に動画が作れる人ばかり。 アニメーションを動かすソフトすら使えないのは、皇帝だけ。 いいんだ。 もう慣れたもん。 落ちこぼれだもん。
一人居残って、先生にカメラの使い方を教わったりしました。 なんで画像が勝手に反転するんだよー。 わーん。
ほんと、これだけ先生使って只だなんて、クーポンよりお得。
今日から学校新学期。
アニメやCGアニメを作る人たちは、演技を学ばなければならないんだそうな。 キャラクターの動きや表情を作るから。 ふーん。
というわけで、学校に演劇の授業がある。 ジャバ夫さんのスケジュールの都合上、今学期はこの演劇クラスをとる事に。 月曜日の午後。
あと、火曜日の午前中にも一個とってるのだが、これはどんなクラスなのか、説明を聞いても良くわからないので、明日判明したら書く。
演劇クラス初日は、またしても英語力が足りてないなあ、ということで終了。 しかし心優しいクラスメート達は、「わからない事があったら、遠慮なく聞いてね」と、メールアドレスを交換してくれた。 明らかに皇帝が一人だけ英語できてないからだ。
だのに、宿題はアルパチーノの映画から一部台本をおぼえて、来週皆の前で披露という、荒行。 辛い。 しくしく。 でも頑張ろう。 必要に迫られなきゃ勉強しないし。 必要に迫られる事なんて、今後ともないだろうから。
さて、学校に行ったら、ジャバ夫さんの同僚のイスラエル人にばったり出会った。 ので、イサムさんの日本デビュー写真を見せた。
ちょうど、イサムさんが福のお尻に触り、福が逃げている写真を見せた。 (イサムさん写真で、更新済み) 「まさか!猫のしっぽ切ったの!?」と絶叫された。
違うよ! 福さんのしっぽは、はじめから無いんだよ!! つか、日本の猫のしっぽは、かなりの確率で短いんだよ!!
東の果ての国で、猫のしっぽを切り取る異教がある。 と思われている。
渡米してからと言うもの、色んな方々にお茶をいただくので、あきらかに自分が買うお茶よりランクが上の物を飲んでいます。 ありがたいことです。 しかし、良いお茶を新鮮なうちに飲んじゃおう、と思って先に開けてしまう為、自分の買った安いお茶が古くなって、ますますいけてない味になっている事だろう。 嗜好品なのに、嗜好していない味に。
さて、ゲッティセンターに行って来た。 展示品を観る目的ではなくて、芝生の上でピクニックをしよう、というわけで。
というのも、先日サンタモニカの銀行に行った帰りに、芝生のある公園に寄ったのだが。 芝生でイサムさんをハイハイさせたい。 思う存分遊ばせたい。 と思ったのだが、お土地柄か、公園の芝生の中にタバコの吸い殻やら、ガラスの破片やら、注射器の針やらが落ちていて、とても赤ちゃんを放す気になれず。
ゲッティセンターは、常時清掃人がうろうろしているので、ディズニーランドよりきれい。 喫煙マナーにも厳しい。 週末は多くの親子連れがピクニックに来るのだ。
しかし、朝突然「行こう!」と決めたもんだから、なんの準備もしておらず。 ミルクやらオムツやら、なんとなく必要な物をぎゅうぎゅう紙袋に詰め込んで出発。 途中日本食スーパーで、おにぎりとウーロン茶を買って、ビニール袋にぶら下げて。
イサムさんの服も「芝生の汁が、シミになるから」と、すでに最もミルクが激しくシミになっている汚いパジャマ。 ジャバ夫さんは、昨晩遅くまで会社のパーティーでインタビュアーとして働いていたので、そのまま寝ちゃった、ヨレヨレの埃だらけの会社パーカー。 皇帝は、標高の高いところに行くので、スキーで着ていた、ゴアテック。
もっさ〜。
なにやら・・・。 家のない一家みたいだ・・・。
更に小脇に抱えているのは、皇帝が赤ちゃんの時に使っていた毛布。 今はぼろぼろなので、レジャーシートとして活躍してます。 はい。
ジャバ夫さんと 「やばいね、これは・・・」 「うん、我々すごい不幸そうだね」 「せめて、幸福そうにしよう」 と、ニヤニヤしながらゲッティ行きのモノレールに乗り込む。
他の家族の赤ちゃん達は、皆よそ行きのちょっと良い服を着ている。 高貴なイサム王子が、同情するなら金をくれの人に見える。
もっさもっさと出かけてみれば、なーんと、思ったよりもポカポカ暖かい、良い陽気。 ゴアテックでは暑い。 上着を脱いだ皇帝は、タンクトップ。 その二の腕には、イサムさんに噛まれた、見事な青タンが。
家のない不孝な家族な上に、DVの疑いまで。
こそこそ。 ちょっと庭の隅っこで、ぼろい毛布を敷いて、おにぎりを控えめに食べながら、イサムさんを放牧。
するとイサムさん、はりきっちゃって、猛然と芝生の上をハイハイダッシュ! 同じくピクニックをしている家族のところに行っては、「かわいいねー」と言われて、大喜びで駆け回っていく。
うん、最大の目的は達した。 浮浪者夫婦は、満足したのであった。 もっさ〜。
サロン・ド・母ちゃん。 イサムさんの前髪が、目の中に入りそうになっていたので、ジョキジョキと心赴くままに切り揃えていたら、狙った以上にまっすぐになってしまった。 完全に直線でもないから、スポック博士みたいだ。
さて、口座を作った銀行に行かなければならない用事があり、前の家の近所まで、えっちらおっちら車を走らせて来た。
前日、やだなー。銀行混むなー。時間かかるなー。 と、うじうじ言っていたら、ジャバ夫さんが「かわいい服を着ていけ」という意味不明なアドバイスをくれたので、シフォンワンピにちょうちん袖ブラウスを合わせ、とどめにムートンのブーツでガーリーに出かけたレディ。 甘さの引き算は、ごついカートに乗せた赤子で。
銀行は、予想通りの長い列。 しかし、最後尾に並んだら、奥から若い兄ちゃん行員が現れ、「May I help you?」と言って来た。 なにー!? かわいい服って、こう言う事〜?
えーと、国際ネットバンキングで、振り込む時に必要な情報をください。 とたどたどしい英語で言ったら、紙に必要な番号とかを、全部書き出して持たせてくれた。 「僕はジョージ。木曜日の午後は空いてるよ」と、必要のない情報までくれた。 ご丁寧に、ジョージの携帯番号までくれた。
・・・どーも・・・。 そんな軟派なことで良いのか、行員。 経済的にいち早く再建したからって、余裕ね、バンカメ。
それにしても、実は皇帝、子持ちになってからやたらアメリカ男児にちやほやされるのだよ。 映画館の切符切りやら、スーパーのおっちゃんやらに電話番号を聞かれ。 原因は、究明するまでもなく。
太ったからだよ。
痩せた女は御しがたく、ぽっちゃり女は引っ掛けやすい。 とでも思っているのか、本当にアメリカ人がデブ好きなのか。
子持ちの女に声をかける神経はわからんが、店で親切にしてもらえるなら良しだな。 でも木曜日の午後は空いてねえ。
アップルの駐車場でパリス・ヒルトンを目撃したジャバ夫さんから、電話が。 「写真で見るよりかわいいよ」 って、それはタレントとして致命傷なのでは。
さて、いつのまにか10ヶ月のイサムさん。 最近後追いの軽いのが始まり、お母さんが台所に消えるとものすごい勢いで匍匐前進して来て、キッチンとダイニングの間に取り付けた仮設ゲートのむこうから、ニヤニヤしながら覗いてくる。 かわいさ半分、怖さ半分。 シャワーを浴びていても、いつの間にか風呂釜につかまり立ちをしていたり。
離乳食は、料理のできない皇帝には苦しみ。 試行錯誤の末、納豆を良く食べてくれるようになったので、何にでも納豆をかけてしまう。 茹でた大根に納豆とか(食べたら、美味だった)。
カボチャを茹でた後、身をイサムさんにあげて皮だけ食べている。 自己犠牲っぽいが、実は皮の方が美味しいのだ。
ほんで、ついつい普段の食事と離乳食の残りを食べるので、太ってしまいがち。 思い切ってお母さんの昼ご飯を「離乳食のあまり消費のみ」と定めてみたら、思いのほか効果があり、ちょっと減量した。 ただ離乳食って消化が良いので、夕飯までにめっちゃお腹すくんだけど。 うーん。 産前の体重に戻ったら、ちゃんと自分の昼飯も作ろう。
さすがにロスも冬になればじんわり寒いじゃない、と思っていたら、水曜日には気温が上がって、ビーチに散歩に行ったらビキニの人が歩いていた。 Tシャツの皇帝も汗だく。
イサムさんも、眠いのに暑くて眠れないイライラからか、ベビーシートから抱え上げようとしたところ、お母さんの腕を貫通するくらいの勢いで噛んだ。
ぎゃあああああああああ!
と、思わず叫んだら、通行人が「え!?何!?」って顔で振り返り。 「赤ちゃんに噛まれた!」と、誰にともなく釈明する皇帝。
だって、だって、血が出たんだもん。 ううう。 10ヶ月、危険。
流行のふわふわゆるゆる白トップスに、これまた流行の細いベルトでウエストマークしたら、狙った以上に古代ローマ人になった。
さて、豚しゃぶをした。 日本に行った時に、父が作ったしゃぶしゃぶにいたく感動したジャバ夫さんが、うちでもしゃぶしゃぶを存分に楽しみたい。 できれば毎日しゃぶしゃぶをしたい(そんなに?)。 というので、ついに卓上ガスコンロと鍋を購入したのだ。 しかし、狭いリビングの中でガスコンロやってると、容易に気温が上がる。
しゃぶしゃぶも終盤にかかると、ジャバ夫さん「そっか、豚を先に入れてたら、豚汁になるんじゃん!」と発見。 いやいや、味噌入れなきゃ、豚汁にならないよ? 「え!豚汁って味噌入ってた?」 って。 味噌、味の主成分ですからー!! 残念!
そういえば、義父のクリスマスプレゼントに悩んでいたが、結局マフラーと靴下のセットにした。 山火事で、防寒具など焼けてしまったでしょうから、ユタに持っていくマフラーがいるざんしょ、と思い。 ただ、予算があるので、えーと、GAPで良さそうな配色のウールのものを選んで、きれいな色の靴下を沢山添えたのですね。 そらもう、履かないで靴下ぐるみにしたいような、良い色でした。 ジャバ夫さんはジャバ夫さんで、別のプレゼントをもう買っていたから、私のお小遣いでね。
ほんでクリスマス当日、プレゼントを開けていたら、なんと、義父から私へ、マフラーが。
グッチのカシミヤのマフラーが。
ぼそぼそ。
でもちゃんと、プレゼントしたマフラーをユタに持ってきてくれてましたよ。 多分、もっと良いマフラー持ってたとは思いますけど。
プレゼント、難しい。
正月早々、「自分の子供かわいいとか言っちゃって、バカじゃないの?死ねば良いのに」的な主旨のメールをいただき、軽く凹んだわけですが。 「人んちの子供の写真なんか見たくねーよ。送ってくんなぼけえ」的な事も添えてありました。 しかも、それならそうと、上記のようなすっきりした言い方でお伝えくだされば良いのに、実に遠回しな、心ない書き方をされたので、更に酷い感じが漂ってしまいました。 (「私だったら絶対言えなーい」みたいな)
世の中には色んな感じ方をする人がいるんだから、気をつけなきゃな、と思いながら、気をつかってあげる必要もないか、と思いました。 これからも、節目節目に子供の写真を送りつけ、盲目的にかわいがろうと思っております。
だからこれからも、くれぐれも丁寧な因縁メール送ってくんじゃねえよ、ぼけ。
イサムさん、完全につかまり立ちをマスター。
さらに、立った後、ちゃんと膝を折って座れるようになった。 地味だが、これができないと頭から床に倒れ込むことでしか座れないので、何気に上級者スキル。 でもまだまだ頭を色んなところにぶつけてるんだけど。
机の角だけはスポンジを巻いたのだが、脚とかはまだむき出し。 机や椅子のの脚にまでスポンジを巻いたら、さすがに過保護だろう、と思っているのだが。 でも飽くなき探究心で、あっちこっちぶつけるからなあ。 もうイサムさんの頭にスポンジを巻きたいくらいだ。
さて、ユタに居る間、イサムさんにも雪国の寒さや、本当の雪について教えてあげたいと思い、厚着させて連れ出したり、ボールに雪を盛ってあげたりしていたのだが。 イサムさんは、ダウンコートに包まれて外に出されると、瞬時に眠ってしまう事がわかった(暖かいから?)。 ボールに盛った雪は、両手でバシャバシャかき回し、部屋中水浸しにする事もわかった。 あと一年したら、寒さや雪を楽しめるようになるかもしれない。 今はまだちょっと早過ぎたのでありました。
ジャバ夫さんの仕事があるので、我ら夫婦は一足先にロスに戻った。 イサムさんはユタに置いて行きたかった(こーらー)のは山々だが、ちゃんと一緒に帰ってきている。 結局、一人勤勉に滑りまくった皇帝は筋肉痛。
さて、晴れてレディ・オブ・シーランドになったわけだが、国民の居ない国の貴族と言うその称号は、トイレでお尻を拭くにも使えない、意味のないものなのだ。 だから、免状(メールでもらえる)をあえてトイレに飾ろうと思っている。 うちに遊びにきた人は、トイレを借りて、初めてお貴族の家だと気がつくのである。 ところでシーランドってどこ?みたいな。
貴族になって良かった事と言えば、貴族のお漫才が、素でできる事である。 http://www.youtube.com/watch?v=XFvZqe75Bh4&feature=related
ルネッサーン。
あ、新年メールありがとうございます。 お返事は、お部屋の片付けの後、心引き締めて送ります。
よろぴこ。
大晦日も正月一日も、ずっとスキー。 借りてる家から、エレベーターで直接ゲレンデに出れるのだ。
皇帝以外は皆まったりモードになってしまったので、この絶好のロケーションで、滑ってるのが皇帝だけ。 もったいない。 いや、もったいないという根性が、日本人をリゾートに向かせないのかもしれない。 休暇なんだから、あくせくしないのが正しい過ごし方なのか。 だったらサンタバーバラでだらだらしてても、同じじゃないだろうか。 違うのか?
南カリフォルニアに住んでいる人は、高い家賃、土地代を払っているわけだが、それは常夏の太陽を購入しているようなものではないのだろうか。 大金はたいて、天気を買っているのだ。 なのに、何故か休暇になると、わざわざ冬を求めて他州に遊びに行くのだ。 誰かその矛盾に気づいて。
滑りまくっておいてなんだが、スキーは重いし、寒いし、時々痛いし、なんと過酷なスポーツだろう。 前世どんな酷い事をして、このような苦行を強いられているのか。 年始から求道者のような皇帝であった。
来年は、是非暖かいところに集合して欲しい。 ジャバ一族。
皇帝
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