皇帝の日記
目次もくもく|ぶらり過去旅|ぶらり未来旅
ここ数週間程、午前中曇りの日が続いた。 午後には相変わらずピーカン照りになるのだが。 ジャバ夫さんに、「珍しいねえ、こんなにずっと曇ってるなんて」と言ったら
「だって梅雨だもん」
て言われた。
なぬ!? 梅雨って梅雨って。 雨降ってませんけど。
でも、これがロスの梅雨なのだそうな。 空気は相変わらず乾いている。
そして、冷蔵庫の方が湿度が高いんじゃないかと言う事に最近気がついた。 冷蔵庫に入れておくと、食材がカビるのだ。 ケーキとか、外に出しておくと、カチカチになってしまう。 でも冷蔵庫に入れておくと、適度な湿気で長持ちする。 そして、忘れているとカビる。
日本だと、確か冷蔵庫の中は乾燥しているってことになっていたと思うのだが。
カビ。 懐かしい響きだ。 日本は結露やお風呂の湿気で、すぐにカビが出て来るからなー。
しかし、湿気さえあれば、すぐに物がカビるという事は、チャンスさえあれば成長できるカビは、カリフォルニアにも結構潜んでいるという事ではないだろうか。 成長できないカビが、あちこちにいるのか。
そろそろ梅雨明けです。
イサムさんは繊細ではない。
粉ミルクのメーカーが変わっても、全然気にしないで飲むし。 哺乳瓶が変わっても全く平気だし。 素材がゴムでもシリコンでも問題ない。 おしめが濡れて泣いた事もない。 いくら濡れても大丈夫だ。 育てやすい。
と思っていたら、近所の奥さんが「うちの子は神経質で、毛布が変わっただけでお昼寝しないの」ときた。
イサムさんなんか、家事の合間に床に置いておいても眠ってしまうのに。
しかし、ここで注目したいのは、この奥さん、別に困った風ではない。 むしろ、ちょっと自慢げなのだ。 「うちの子は違いがわかるのよ」うふふん、という言葉が、隠されている(ような気がする)。 そう、イサムさんはおおらかであると思っていたが、もしかしたら、単に違いがわからないのではないか。
イサムさんのお父さんであるジャバ夫さんも、違いのわからない男だ。 掃除する前の部屋と、掃除した後の部屋の違いがわからない。 レタスとキャベツと白菜の違いがわからない。 自分の服の中に、弟の服が混ざっていても気がつかない。(そして弟も気がつかないので、泊まりに来ると、自分の服を置いて、ジャバ夫さんの服を持って帰ってしまう) 妻が50ドルの服を着ていても、5ドルの服を着ていても、同じに見える。 リアリティードラマ「ヒルズ」の登場人物は、全員同一人物に見えている。(男女だけ別なので、彼にとっては永久に「男A」と「女A」のグダグダ話なのである) お酒の味の違いはわかるけど、まずくても飲める。
こういう人と結婚すると、どうなるかと言うと。 楽だ。
イサムさんもこのまま違いのわからない男か、わかっても気にしない男になってくれ。
ところで、最近飲む力が強くなったイサムさん。 哺乳瓶の飲み口をつぶしてしまうので、なんか良い商品ないかな〜とネットで探していたら 「哺乳瓶の乳首が変わると、賢い赤ちゃんは嫌がります」てな事が書いてあった。
・・・賢くないんか・・・イサム・・・。
そうそう、今週末は休日出勤なジャバ夫さん。 土曜日の夜12時になっても戻らないので、寝る前に電話したら、 「11時頃には会社出たんだけどね、ハリウッドで渋滞に捕まっちゃってさー」 って、いかに道路事情の悪いロスでも、土曜の深夜に渋滞って。 「マイケルジャクソンのファンが、ハリウッドの床に埋めてある☆の所に集まって来てて、上も下も渋滞」 なんと。 しかも、周辺のレストランなどは、地方から出て来たファンで、朝から満員状態だそうな。
次々に伝説を作り上げるあなたらしい。
マイケルフォーエバー。
そんなわけでコアリズム。
日本で販売しているのと同じかどうかわからないが、すっかりダイエットへの情熱の失せた皇帝へてこ入れのため、ジャバ夫さんが買ってくれたのだ。
ダイエットへの情熱が薄れた理由とは。 1)二人目が出来たら、どうせまた太る。 2)別に女優じゃないし、産後一年くらいだらだら太っていても、誰も気にしない。 3)一年くらいだらだら太っていたら、第二子ができるかもしれない。 4)じゃあまあいいや、だらだらしたら。
それでもダイエットをしなければならないモチベーションとは。 1)産前の服が入らない。
そう、服が入らないと言う理由だけで、頑張ろうというのだ。 無理だ。 ワンピースを着てれば良いや。
で、だらだらしていたら、ジャバ夫さんが「リハーサルディナーの時のドレスを着て、ディナーに行こう!」と言うので、「入りません」と正直に言った。 結婚式の時は、ベスト体重から更に3、4キロ減だったので、今の体型からすると6、7キロも痩せていたのだ。
凄まじい体型のアメリカ人に囲まれていたため、ジャバ夫さんは、妻が増量した事に気がついていなかったのだ。 どうりで最近、同じ服ばかり着ていると思った・・・。 と、愕然としたようなのだ。
こんなに健康的になったのに、気がついていないとは、その方が驚きだ。 むちむち。
で、このコアリズム。 どうやら、全てのプログラムを完了する頃には、ラテンのダンスが見事に踊れるようになっているのだと言う。 ルンバやサンバやサルサなど、基本動作が出来るようになっちゃうと言うから、すごい。 お得だ。
でも痩せたラティーノを見た事が無い。
そんなわけで、昨日はジャバ夫さんが、「今日一日イサムの面倒は俺が見る」と宣言したので、就寝前までお任せしておいた。 金曜日は、日本の入籍記念日なので(ジャバ夫さんに戸籍は無いが)、プレゼントに赤ちゃんフリーな一日をくれたのであった。 別に何するわけでもないが、マッサージに行って、アパートの庭にあるジャグジーに入って、最近通販で買ったコアリズムを試したりして、リラックスな一日だった。
夜寝かしつけるのに、多少テクニックがいるので、そこだけお手伝いした。 赤ちゃんが夜寝るためには、気持ちを落ち着けなければならない。 赤ちゃんは興奮していると眠れないのだ、当然ながら。 そして、赤ちゃんは自分の感情をコントロールできないので、大人が手伝ってあげなければならない。 ちょっと部屋を暗くしたり、黙って揺すってあげたり。
だが、ジャバ夫さんは、イサムさんを遊ばせていた。 ぷーぷー鳴るおもちゃや、バウンサーなどであやしているのだ。 イサムさんは、お父さんに遊んでもらって大興奮。 これでは眠れない。 眠いのに眠れないので、イサムさんは段々不機嫌に。
ついに夜10時頃、ジャバ夫さんギブアップ。 「寝てくれないよ〜」とイサムさんを返品して来たので、お母さんのスペシャルテクニック、「おでこを生え際から眉毛に向かってナデナデ」の術で、5分で撃沈。 これはお母さんのお母さん直伝の技でござるよ、ニンニン。
昨日は寝るところだけしかイサムさんの世話をしていなかったのだが。 今朝起きて、ジャバ夫さんが仕事に出かけてから、イサムさんをチェックしたら。
後頭部に毛玉が出来てますけど・・・?
お父さんと、何をして遊んでいたの、君は。
全然伸びない毛を、一束毛玉と一緒に刈りました。 断腸の思いだ。
ところで、産後太り対策にコアリズム。 本当に効くんだろうか。 乞うご期待。 ちなみに、産後4ヶ月で、ベスト体重+3キロまで来てますよ〜。
妊娠中痛かった背中の筋肉だが。
お腹が引っ込むにしたがって、段々痛くなくなって来た。 はー。 やっぱり皮が突っ張っていたのね・・・。 とほっとしたのもつかの間。
今や成長曲線を上回る勢いで成長しているイサムさんだが、まだ首が据わっていないので、持ち上げる時に、全身を支えてあげなければならない。 で、持ち上げては降ろし、持ち上げては、と繰り返していたら、あっという間に肩と背中が痛くなって来た。 たまに、イサムさんが抱っこを要求しているのに、力つきて持ち上げられないときがある。 これではいかん。
ジャバ夫さんの平日の休みを狙って、近所のマッサージ屋さんに行って来た。 90分の背中フルコースマッサージ。 特に、右肩は触ってわかるくらいにガキガキだったので、集中的にもんでもらう。 はー。
少しだけ体が軽くなった。 ほんで、家に帰ったら、大声で泣くイサムさんと、途方に暮れているジャバ夫さんがいた。
イサムさん、知恵がついて、お母さんがいないと泣くようになりました。 余計な知恵を・・・。
以前ちらっとクーポンについて書いたが。
アメリカの安売りスーパーでは、必ずと言っていい程、色んなクーポンが色んなところにくっついてくる。 レシートの裏に直接プリントしてあるのが代表的だが、雑誌とかの広告にもバーコード付きの値引きクーポンがついていたりして、マメにちょきちょき切り抜いて、財布の中に入れておくと、いざその商品を買う時に、ぱっとレジで取り出せる。
クーポンと言っても、日本のけちけちした値引きとは、ひと味違う。 5ドル10ドルがばっと値引くのだ。
しかも、日本のクーポンに多い「ただし」がほとんど無い。 一回の会計にクーポンを何枚も組み合わせて使えたり、そもそもスーパーですでに値引きしている商品から、更に引いたりできる。
それは単に、ぼーっと働いている労働者はイレギュラーな事が出来ないので、商品と一緒にバーコードをピッとするだけで良いクーポンじゃないと、レジがつまるからかもしれない。
クーポンなんてケチ臭い、と思わず、これがやってみるとはまるのだ。
アメリカに住み始めた頃は、小さな英語でごちゃごちゃ書いてあるのが、意味を理解するのがメンドクサイので、多くのクーポンを只の紙切れだと思って見過ごして来た。 だが近頃心を入れ替えて、ハサミ片手に生きる事を心がけた結果、先月300ドル近く節約できた。 でかい。
デパートのクーポンとか、時々「100ドル以上買うと25%オフ」「更に200ドルで30%オフ」「ついでにこの25ドル券プレゼント」とかいう、投げた感じの物がDMの封筒とかにくっついてくるので、とっておいて、家具とか大物を買うときまで冷蔵庫に貼っておくのだ。 今使わなくても、いずれ使うかもしれない。
だから、クーポンを始めると、ごちゃごちゃしてくる。 自分が何のクーポンを持っているか、把握しながら生きて行かねばならない。
たかがクーポン、されどクーポン。 奥が深い。
昨日はイサムさんがぐずぐずしていたので、車を出す事にした。 イサムさんは、車に乗せると、揺れが気持ちよくてぱたっと眠ってしまうのだ。
さて、でも無駄に車を走らせるのもなんなので、何か目的が欲しい。 近頃日本の若者の間で、ロス発信のkitsonなるセレクトショップが流行らしい。 と、ジャバ夫さんに言ったら、「それならビバリーヒルズで見た事がある気がする」とのこと。 ふーむ。 ビバリーヒルズに行くには、ハイウエイ405を通る必要がある。
しかし皇帝、テキサス時代からずっとハイウエイを運転した事が無い。 合流するところが怖いし、出て行くところも怖い。 あと、別の路線と混じるところも怖い。 ビバリーヒルズだと、途中ハイウエイ10と交差する点がある筈。 いーやーだー。
・・・いやしかし、このままアメリカに住むのならば、ハイウエイを利用しなければならないだろう。 子供が熱を出したりして、すぐに病院に行かなければならない事になったら、ハイウエイだ。 ジャバ夫さんがいない時に、サンタバーバラの義父母になんかあったら、ハイウエイに乗らなければならない。 うーん。
じゃあ行くかあ。 と、意を決して飛び出して行った。 が、チキンなので、結局行きはハイウエイに乗らずに、だらだら地上を走って行った。 良い感じの揺れで、イサムさん撃沈。 苦手な立体駐車場に入って、カートに乗せたら、イサムさんの目が、突然「ぱちーん!」と音がしそうな勢いで開いてしまった。 ああ〜もっと寝ていて〜。
しかし、アイドルイサムさんはお外にいる間は、とても良い子なのだ。 うんともすんとも言わず、ベビーカートを誰かが覗き込むと、絶妙なタイミングでにっこり笑って、ファンの心を鷲掴み(いつからファンに・・・)。 結局kitsonはロデオドライブからは撤退していたので、行かなかったが、30分程周辺の高級ブティックをうろちょろし、暇そうな店員さんの話し相手をして、イサムさんがパパラッチに見つかる前に帰る事にした。
帰りはどきどきのハイウエイ。 かなり緊張していたが、丁度時間がラッシュに差し掛かっていたので、交通量は多かったがスピードが遅く、危なげなく通る事が出来た。 懸案のハイウエイ交差は、カーナビのおかげさまで難無くクリア。 日本では考えられない程でこぼこの道のおかげで、イサムさんも再び撃沈。
家に戻って時計を見たら、出かけてから2時間しか経過していなかった。 しかし自分的には大冒険。 頑張った。
イサムさんは、ロデオドライブにもファンを作って来た。
朝10時くらいになると、いつもイサムさんがお昼寝を始めるので、その頃にシャワーを浴びるようにしている。
ところが今日は、昨晩渋滞のハイウエイを夜中に走って帰って来たので、眠くて眠くて、一緒に眠ってしまった。 ふがっと起きたら、11時。 イサムさんはまだ眠っていた。 ほんなら、と、シャワーを浴びて、お水を止めたら、それまで水音で聞こえなかった泣き声が「ふんぎゃー!!」と聞こえて来た。
あー起きちゃったんだー。 と思いながら、急いで浴室から出て来たら、未だかつて無い程の大声で、泣きまくるイサムさんを発見。 「ふんぎゃー!ふんぎゃー!ふんぎゃー!」 と、まるで漫画みたいな泣き方。
自分の「ふんぎゃー!!」のあまりの音量にびっくりして、更に「ふんぎゃー!!」と泣いている状態。 あーお母さんが悪かったよー。 と、抱っこしてあやしても、もう興奮しすぎて、自分でもどうやって泣き止んだら良いかわからない。 むせたりしながら、しばらく何をするにも抱っこしたままでいたら、そのうちようやく泣き止んだ。
泣き止むと、呆然としているイサムさん。 あーぼくは何がそんなに悲しかったんだっけ?
泣き止んだので、クッションの上に置いて、コーヒーを作りに台所に行ったら、また「ふんぎゃー!!」再開。 そうだった!お母さんが僕を置いて行っちゃうから泣いてたんだ!! 置いてかないでー!!
というわけで、今日はもう抱っこしっぱなし。 あー。
でも、皇帝はシャワー15分か20分くらいしかかかってないんだけど・・・。
旅行に行っている義父母の家の、様子を見に行ってきた。 ロッキーがお留守番している。
家の前の海に、サーファーが沢山来ていた。 どうやら附近のビーチがサーフィンのメッカらしく、波を追いかけて来たサーファーが、家の前まで流れて来たらしい。 海には所有権がないので、知らない人たちが庭先で泳ぐ事になるのだ。
ポーチに座って、イサムさんにミルクをあげながら、サーフィンを見学した。 人が集まると、海鳥やアシカといった生き物達は逃げてしまうようだった。
イサムさんが大きくなったら、サーファー相手に、庭先でレモネードを売らせたら、もうかるのではないだろうか。 いや、サーファーの冷えた体には、ホットコーヒーの方がありがたいかもしれない。 むしろ、ラーメン屋の方が良いか。 おでんだ。
とか考えていた。 家の換気をしただけで、特に何もしなかった週末。
ボディーボードでも習うか。
寝ぼけながら納豆を混ぜていたら、トースターの上にこぼしてしまい、朝から絶望した。
さて、男達はうるさい。
特に男親と息子達は、仲が良かろうと悪かろうと、何かと無意識に張り合うので、一緒にいるとうるさい。 我が家だけの事かと思っていたが、どうやら夫家でも同じで、義父とジャバ夫さん、義父と義弟、ジャバ夫さんと義弟、どの組み合わせでも、一緒になると何かとうるさい。
息子「お父さん、その話もう聞いたよー」 父「じゃあもう一度聞け!」 息子「何回同じ話するんだよーもー」 父「お前に話してるんじゃない!」 とまあどこのご家庭でも、似たような現象が見られると思うのだが。
しかも、無意識にその場にいる女性陣にジャッジを求めるところがある。 義母であったり義妹であったり皇帝であったり。 息子「皇帝もその話聞いたよねえ?」 嫁「あーまーそーかねー?」(なんとなくお茶を濁す) 父「ほら聞いてない。この話はこれから面白くなるんだぞー」 息子「こないだ話してたよねえ?母さん」 母「ふーん?」(やり取り自体に興味がない)
こんなシーン、一度や二度ではない。 しょっちゅう同じ事をしているのだ。 あーアホくさ。 いやいや、本人達はいたってまじめなのだが。
ジャバ夫さん、しみじみと 「俺のお父さんは、なんであんなに自己主張が激しいんだろう?」 と首を傾げていた。
そもそも、義父はアメリカ人であり、スコットランド系であり、南部出身の男性であり、弁護士で政治家。 もう、世界中のうるさい要素を片っ端から集めて、濃縮して、還元しないまま粉を固めて錠剤にしたような人なのだ。 それにしては、穏健派だと思いますけど。 政党も鳩派だ。
と、意見を述べると、ジャバ夫さん納得。 「そうかー。お父さんはじゃあいい人なんだ」 うん、あれで、けっこう色々譲っていると思いますよ。
でも、両雄並び立たず(?)、顔を合わせると、やっぱり言いあう二人なのであった。 不思議ですね、男達。
イサムさんが産まれた時、母親フェロモンの影響か、「こんなにかわいい生き物はいない!」というくらい、イサムさんがかわいく見えた。
で、先日生まれたてのイサムさんの写真が必要になり、パソコンでぽちぽち見てみたらば。
・・・虫みたい・・・。
手足が痩せてて、顔もなんだか細いし、まぶたが重そう。 動き方もカクカクしていて虫っぽい。
何故あんなにかわいく思ったのだろうか。 それが赤ちゃんの罠か。
そして、今のイサムさんがどう見えるかと言うと、やっぱり「こんなかわいい生き物はいない!」なのだ。 虫みたいだったのに、こんなにかわいくなって。 良かった。
もう少しして、今の写真をみたら、また違って見えるのだろうか。 冷静な自分はもうどこにもいない。
ところで、皆様お気づきかもしれないが、イサムさんちっとも髪の毛が生えてこない。 いつごろ伸びてくるんだろうねー。 まるこめ。
またUCLAに実験されに行ってきた。
今回はばっちり機械に反応してもらえたイサムさん。 アジア人と白人の顔をコンピュータ画面で見せられて、それにイサムさんの視線がどう反応して、どう動くのか。
難しい理屈はわからないものの、結果は、イサムさんはアジア人女性を見るときだけ、すごい勢いで個人識別しているとの事だった。 白人が出てくると、もうちょっと反応が鈍いらしい。 お母さんを探してるってこと?
その結果に不満のあるジャバ夫さん。 お父さんだって探して欲しい。 毎朝遊んであげているのに。
というわけで、帰りの車の中で、何となく嫉妬をにじませる発言をするお父さんであった。 「お母さんはご飯なんだよね」とか言っていた。
かわいそうだから、言わしておいてやりましたよ。 ふふん。 余裕の皇帝。
ところで、全く気がつきませんでしたが、父の日は第三日曜日ですって!! 教えてもらってびっくり。 もうお祝いしてしまった〜。 ジャバ夫さんには黙っておこう。
今朝起きたら、イサムさんがとても大きく見えた。
寝ている間に、宇宙人が巨大化光線でも浴びせて行ったのだろうか。 とか言っている場合ではない。 イサムさんが巨大化したら、洋服を入れ替えなければならない。
子供服って良くわからない。 だってゆるいのだ。 で、ぴったりになるまで待っていると、ぴったりになったらあと1週間くらいしか着る事が出来ない。 だから、いつも「ゆるめ」あたりから着せ始めなければならない。 ぴったりになったと思ったら、すぐきつくなる。
つまり、ぴったりしているのは、ほんの一日二日なのだ。 このタイミングをうっかり逃すと、一度しか着れなかった服などが出てくる。
あー。 見送った〜。 下手こいた〜。 となってしまう。
ところで、イサムさんのすごいところは、今まで撮影用とライオンさんの、3、4着以外は、全て頂き物かお下がりでまかなっているのだ。 衣料代0。 イサムさん、君は幸せ者だ。 皆様ありがとうございます。
しかし最近、義母の買ってくれていた業務用オムツがついに無くなってしまったので、自分で買わなければならなくなった。 今まで、見ないふりをしていたが、オムツって結構なお値段なのだ。 いつかこの日がやってくるとわかっていたので、近所のオムツの底値は調べていた。 一パック12ドルのオムツだが、CVSで時々8ドルセールをしている。 そして、この日のために、皇帝はチラシやレシートの裏にくっついてるクーポンを集めに集めていたので、しばらくは3ドルOFFで買える。 それでも5ドル。
うーん。
オムツに税金がかかるのが納得いかない。
7月から、絵画の学校に行く事になった。
というのも、ジャバ夫さんの職場が有名な学校の敷地内に有って、妊娠前から「いつか一クラスくらい取ってみたいものだ」と思っていたのだ。 しかし妊娠と出産のごたごたで、結局行かなかった。 子供を預けるには小さいし、だいたい、そこまでして趣味のお絵描きを習う必要があるかどうか。
ほいで、ジャバ夫さん7月に人物画で有名な先生がくるらしい、という話を聞いて、皇帝の名前でさくさく申し込んできたのだ。 週一日3時間。 木曜日。 なので、木曜日はイサムさんを担いで、ジャバ夫さんと一緒に出勤して、オフィスにイサムさんとジャバ夫さんを置いて、授業に出る。
女性の社会進出を押し付けながら、育児を推奨する社会のシステムに疑問を投げかけるように、イサムさんを背負ったまま、オシン通学も良いかと思ったのだが。 でも首が据わらないと背負えないしね。
さて、趣味のお絵描きはどうなるやら。 これからどんどこしょー。
ところで、衛星でNHKが観れるようになった。 ドキドキしながら観た番組は、大河ドラマ。 あんなポップい感じの大河で良いんでしょうかー。 あー。
そんなわけで、ジャバ夫さんにとって、初めての父の日。
イサムさんを籠に入れて、アパートのプールで泳いで遊んで、ジャバ夫さんの好きな日式ハンバーグを焼いて、靴下ぐるみをプレゼント。 好評でした。
あと、ジャバ夫さんが折って壊した、ペーパーナイフも新調。 それから、部屋とベランダに切り花を飾ってデコレート。
お父さんおめでとう。
皇帝の父も、いつもありがとうございます。
粉ミルクが常温で融けるように開発した人、ノーベル育児賞。
さて、本当に必要になるぎりぎりまで買わないでおこうと思ったベビーベッド、ついに入荷。
本当は必要ないんじゃないか、と思っていたのだ。 だって、6ヶ月までは籠で十分だと聞いていたし、6ヶ月過ぎたら、もうつぶれない程大きいから、お母さんと同じベッドで寝れば良いじゃないか、と思っていた。
だが、イサムさんはものすごい根性で、籠から飛び立とうとしていた。 いや、本当に、今にも飛び立たんとしていたのだ。
前から、夜中に様子を見に行くと、籠の上か下の角の方にぎゅ〜っとつまって寝ている事が有った。 狭い角っこに入りたがるのは、お母さんの産道を通ってきた記憶だから、とかまことしやかに育児書に書いてあったが、真偽の程はわからない。
とにかく、籠は揺りかごなので、一方の端に重心がかかると、斜めになってしまう。 別に斜めになっても良いんだけど。 だが一昨晩は、下の方にぎゅ〜っとつまり過ぎて、籠が完全に起立した状態になっていたのだ。
午前4時。 自分の目を疑ったね。 籠の下の方で、床に向けてひっくり返ろうとしている我が子の勇姿。
ぎゃー。
やーめーてー。
お母さんが起きなかったら、どうすんのあんたはー。
無事に救い出すと、イサムさんは片方の目だけ薄ら開けて、チロッとこちらを見て「え?何?まだ寝てるんだけど?」という感じ。
ばかー。
そんなわけで、ベビーベッド購入。 どこに置くべか。
帝王切開した時に、4インチ(10センチくらい?)の腫瘍が採れたと言う話をしていたが。 その時の執刀医が、しばらく腫瘍を採った事を忘れていた、という話もした。 何故か。
何故なら、丁度同じ日、同じ病院で、実に7キロ以上の、記録すべき巨大腫瘍の手術をした患者がいたのだ。 新生児よりでかい。 患者は妊娠していると思っていたらしいのだが、発見されると当然即手術となり、無事摘出成功したとか。
そんなインパクトの前に、皇帝の腫瘍なんか、鼻毛みたいなもんだ。 忘れられても無理は無い。
・・・・・・って、無い筈あるかー!!
というわけで、術後4ヶ月検診の案内の電話をもらったので、真相を聞いたのでありました。
あと、臨月前に急に羊水が減ったのは、その腫瘍のせいなんじゃないかもしれないけど、良くわからない、との事だった。
つまり、良くわからないらしい。
アメリカの先生は、正直に「わからない」ってよく言う。
今日は、前のルームメイトであるデザイナーに手伝ってもらって、手芸屋に行ってきた。 今度の父の日は、ジャバ夫さん初めての父の日だから、なんか記念になる物を。 でもお金のかからない物を。
と、考えて、イサムさんの靴下で、靴下ぐるみを作ってあげようと思ったのだ。 ジャバ夫さんは、ぬいぐるみとか大好きだ。 グルーミーのぬいぐるみも、何匹いるか知れない。 靴下ぐるみはかわいいし、簡単だし、息子の靴下が原料というところが、なんか記念っぽくて良い。
苦手な手芸に、あえて挑戦する。
なんで皇帝の作る物は、様子がいまいちなのかと言うと、まあ雑なのが一番問題なのだが、たま結びが問題なんじゃないかと思う。 たま結びをきれいに作れない。 あと、狙った位置に結べない。 だから、スタートとフィニッシュが、なんだかゆるゆるで、完成度が低いのではないか。
なので、新作映画の仕事で忙しいデザイナーを、無理矢理拉致し、「手芸屋に行こう!」と誘ったのだ。 彼女は、映画のコスチュームデザインもするので、もちろん裁縫は得意だ。 前に、洗濯で縮んだシャツを数枚縫い合わせて、新しいシャツを作っていた。
突然「手芸屋に行こう!」と現れておきながら「ところで手芸屋はどこ?」という大上段な皇帝。 その上、赤子連れ。 ベニスビーチの、大きな手芸屋さんを紹介してもらって、ついでに彼女の仕事に使うビーズやレースもしこたま買い占めて、ミッション完了。
お買い上げは、詰め物のコットン、目鼻を縫う刺繍糸、刺繍針、ぬいぐるみ用の長い針。
果たしてどうなるやら。 あ、たま結びの訓練もしてもらった。 ちょっとはましになった筈〜。
キノコだ。
特にエリンギとか、味を主張しないキノコ。 何にでもキノコを入れてしまう。 肉の量を半分にして、キノコで補う。 キノコだけでも塩胡椒で炒めてしまう。 アメリカのスーパーに置いてあるのは、白いマッシュルームとポータベッラという巨大キノコ。 時々椎茸も置いてある。 シメジとエノキは日本食スーパーでお買い上げ。 第八次キノコブームの到来。
さて、市川市の動物園にいると言う、オトメちゃん。 http://www.youtube.com/watch?v=Ka4lnk3NBKo&feature=topvideos 日本では有名なのかな? 異国から気になって仕方が無い。
イサムさん「で」遊ぶ方法。
イサムさんを連れて出かけることが多いのだが、車にも良く乗せている。 車に乗せる時は、ベビーシートに乗せるのだが、イサムさんは何故か、ベビーシートに乗ると自動的に眠ってしまうのだ。 ありがたい事に。 はじめのうちは、イサムさんと一緒に皇帝は後部座席に乗っていたのだが、段々只寝ているだけで、危険が無い事がわかったので、助手席に乗るようになった。
でも、時々寝言みたいな声を出す事がある。 この時は眠りが浅いので、ここでうっかり「あ、イサムが・・・」などと名前を呼んでしまうと、起きてしまうことがある。 なので「小さい人が」とか「社長が」とか言う。
発展系で「社長がご立腹ですよ」とかがある。 この遊びを「社長」という。
あと、家で昼寝させている時、寝起きに「ふにゃあああ」と一鳴きする事がある。 なんか嫌な夢でも見たのか、かけられている毛布が暑いとか、床が堅いとか、不満があるのでしょう。 この時「宇宙スパイ」という遊びができる。
宇宙人スパイが、米国大統領の体を乗っ取ろうとしていたのに、目が覚めたら赤ちゃんの体に入っていたのだ。 「大統領だった筈なのに」というところから、ドラマが始まる。
イサムさんが手足をバタバタさせていたら、「そんな馬鹿な!体が動かせない!」とか。 眠りそうで眠らない時には「違うんだ!俺を眠らせないでくれ!」とか。 こぼすばっかりで、なかなかミルクを飲まない時には「こんな物を飲んでいる場合じゃない!ホワイトハウスはどこだ!」とか。 鏡を見せたりとか。 イサムさんが一人で「あ〜う〜ぷ〜」と意味不明の音をたてている時は、「宇宙の仲間に信号を送っているんだね」と、声をかける。
要するに、まだ遊べないイサムさんの相手をするのに、つまらないから勝手にアテレコして遊ぶのである。
あーはやくイサムさん「と」遊べるようにならないかな〜。
小さい子がいるのに、外食だなんて。 と、日本の育児雑誌とか読んでいると、赤ちゃんを連れて出かける事自体がなかなか難しいとされているが、実はイサムさんを連れて、結構外で食べている。
この店ではどの席に座ったら良いのか。 何時頃が一番ノイズが無いのか。 とか、予約の段階で、かなり作戦を立ててから出かけるのだ。
作戦1:「イサムさんが騒音を出し始めたら、夫婦のどちらかが一度外に連れ出す」 実際には、イサムさんが騒ぐ事はほとんど無いのだが、今のところジャバ夫さんの方が子供の出す音を気にするので、お父さんが外に二回くらい連れ出した事があるくらい。 「ぷう〜あ!!」とご機嫌に声を出したくらいで、ジャバ夫さんはすごい気にする。 皇帝は、泣き出さない限り、別に声出すぐらいありあり、と思っているのだが。 まあその辺は、異文化なので、良くわかりません。
作戦2:「予約は5:30〜6:00。出来るだけ早い時間スタート」 レストランの騒音が、赤ちゃんの耳に良くないらしいので、出来るだけ早い時間に入って、酔客が出始める8:00より前に済ませる。
作戦3:「障害者プライオリティシートがあるところは、押さえてもらう」 ベビーカーで直接入れるので。 あとは、通路側とか端っことか、邪魔にならない席を頼む。 「赤ちゃん連れです」と言うと、勝手にお店が考えてくれる事も有るので、とりあえず言ってみる。
そんなわけで、かなり何回も外でご飯を食べたと思う。 ポイントは、赤ちゃんじゃ無くて、親の方が赤ちゃんを連れて外出する事に慣れるのが大事なんじゃなかろうか。 初めてレストランに行った時は、心配で心配で、味が良くわからなかったが、よく考えてみれば、ずっとイサムさんは眠っていただけなんだから、心配しなくても良かったのに。
今や大胆になったもんで、最悪赤ちゃんが泣くだけだ、という大ざっぱな心持ちです。 子供が生まれる前から良く行っているお店の人は、温かい目で見守ってくれるし、初めてのところでは嫌な思いをするかもしれないけど、そういう冷たいところにはもう行かないので、しょうがないか、という感じ。
赤ちゃん連れで出来ない事より、出来る事を探して、増やして行こうと思っている。
ただ、映画館だけは絶対赤ちゃん連れて行けないので、誰かが赤ちゃんを2時間見てくれるチャンスが有ったら、必ず映画へ!
ジャバ夫さんの休みを待って、家具屋に行ってきた。 なんてったって、家具が無いのだ、今の家は。
本日購入予定だったのは、
ベランダ用にアウトサイドテーブルセット ダイニングテーブルセット リビング用照明 リビング用コーヒーテーブル
でした。 つまり、無かったのだ、それらが。
結局、ベランダ家具だけはぴったりの物が見つからず、その他の物を全て、ベニスビーチでお買い上げ。 月初めなのに、もう残高がいけてない事になったが、いいのだ。 だって本当に欲しかったのだ。 ダイニングテーブルと、照明と、コーヒーテーブルが。
アメリカ人は、何故か間接照明が好きなので、ホテルでも普通のアパートメントコンプレックスでも、直接照明がほとんど無い。 我が家も、キッチンのライトが直接照明の他は、あっちこっちに小さな照明が散らばっているだけで、リビングがなんだか薄暗い。 これでは、日が落ちた後本が読めない。 雑誌も読めない。 今は日没が8時頃だから良いものの、冬は耐えられない。
家具の購入が後手後手に回ったのには、ジャバ夫さんが真剣に家具の必要性を考えていなかったせいではないかと思う。 でも、皇帝は一日のほとんどを家の中でイサムさんと過ごしているのだ。 ソファーの納期が3ヶ月も遅れているってだけで、脳みそが沸騰しそうなくらいイライラしているのに、この何も無い感が耐えられん! と、先週から激しく訴えていたのだが、本日その甲斐あって、なかなか良い感じに揃ったんじゃないだろうか。
家具が入ったら、部屋が狭くなるかと思ったが、今までぼよ〜んと床に置かれていた物達が、有るべきところに集まったので、むしろ広くなったような。
家具って大事だ。
あと、ダイニングテーブルには、あれがついているのだ。 あの、中華料理屋さんにある、ぐるぐる回るオボン。 イサムさんを回せる。 ぐるぐる。
「死ぬ瞬間ー死とその過程について」著E・キューブラー・ロス
という本が有る。 母の母が亡くなった時に、母が読んでいた本で、母が亡くなる前に渡されたのである。 著者が、死んでゆく人々にインタヴューしながら、死について色々考えてゆく、という構成。
普通の人は死ぬ事についてあんまり考えたがらないわけで、まして、死んで行く事が決まっている人の話をわざわざ聞きたがる人も、なかなかいないのではないだろうか。 そういう意味でも、著者の力作である。
母は3年前に余命を宣告されていたので、死について考える時間が多かったのではないかと思う。 死ぬ事ではなくて、死んで行く事について。
雨の日に考えると気が沈むので、晴れた日に一度考えてみると良いかもしれない。
昨日おじいちゃんの事を思い出していたが。 本当に、おじいちゃんは救心を私に飲ませていただろうか。 いかに天然ぼけのおじいちゃんでも、子供に救心は飲ませないだろう。 私の頭の中の消しゴムが、どっかを消して、記憶を書き換えてしまったのではないだろうか。
と、じっくり考えてみたが、あの粒は、もしや宇津救命丸だったのではないだろうか。 そういえば、銀色だった気がする。 皇帝はあんまり疳の虫とか夜泣きとかなかったらしいが、おじいちゃんは子供にはとりあえず宇津救命丸を与えておこうと思ったのだろうか。
さて、イサムさん、誕生して3ヶ月になりました。 おめでとう、イサムさん。 あんなに小さく生まれたのに、今では成長曲線の上の方になったし、片手でひょいと持てたのに、腕に余るくらいに成長した。 この調子でガンガン大きくなってしまうかと思うと、そんなに急がなくても良いよ、と思ってしまうのだが、そういうわけにもいかないでしょう。
イサムさんが学校に行くようになって、寂しくなったら猫を飼おう。 猫とか犬は、一生一家の赤ちゃんのままだし、将来の心配をしなくて良いからなあ。
ところで、イサムさん写真がまだ出来上がらない。 3ヶ月も過ぎてから、ご挨拶のカードを書くのはどうだろうか。 写真間に合わなくても良いかな・・・。 いや、もうちょっと待ってみる。
母方の祖父が亡くなりました。 長い事寝たきりだったので、一番最近会ったのは、結婚の報告に夫とお見舞いに行った時でありました。 亡くなる前日に、ふらりと立ち寄ったホールマークで、父の日のカードを見つけて「今年はお母さんの代わりに、私が書こうかなあ」と思って買って帰って、書いたばかりでありました。
おじいちゃんには、妻と子供二人が先に死んでしまった事を言わなかったので、天国で皆に会ったら、さぞびっくりするとこでしょう。
私は「親より先に死ぬのは不孝だ」というのは、親が子供の死を悲しがるからだと思っていましたが、今回はそれだけではないと気がつきました。 お婆ちゃんが亡くなった時は、母がよく祖母との思い出話をしてくれたのに、祖父の事を我が家で一番良く知っている人が、もういないのです。 親の存在した歴史の大部分を、子供が持って逝ってしまうということなんでないでしょうかねえ。
夕飯時に、じいちゃんが長い人生に幕を閉じたのです、とジャバ夫さんに報告したら、「じゃあ今日はおじいちゃんの思い出を語ろう」と言われて、あーお母さんがいたら、また新しい話が聞けたかもなあ、と思ったのでした。
ところで、思えば祖父は無口な人であった。 私はよくおじいちゃんの膝に座って、一緒に相撲や野球中継を見て、時々明治のコーヒー牛乳か、オロナミンCをもらって飲んでいた。 でも、何か話をした記憶が、あまりないのだ。 というか、ほとんどない。
母はよく、祖父が私をとてもかわいがっていた、と言っていたが、とてもかわいがっていた孫にさえ、ほとんど話をしていないということは、他の孫にもあんまり話をしていないのではないか。
そういえば、おじいちゃんは救心を飲んでいた。 時々内緒で一粒くれた。 子供に救心は良くないんじゃないかと思うが、あのツブツブがファンシーに見えて、喜んで食べていた。
騙されるな、当時の自分。
オズ。 ではなくて、オンス。 oz。
アメリカが、世界の流れに逆らいながら、独自の単位をかたくなに使い続けているのは有名だが。 なんと「US oz」と「UK oz」まで別物だとは。 UK ozはユナイテッド・キングダムのオンス、英国の単位。 両者の違いは、ほとんど鼻くそ一欠片くらいなので、もう統一しちまえば良いじゃん!と机を叩きたくなる。
で、なんでそんな話を始めたかと言うと、ミルクなのである。 粉ミルクを水に溶くのに、説明を読むと、「2オンスの水におさじ1杯(アメリカ単位で)」とか書いてあるのだ。 んで、皇帝の使っている哺乳瓶の方には、3種類のメモリが付いていて、これが「cc(ml)」「US oz」「UK oz」なのだ。 ね?イライラするでしょ? 特に、深夜起こされて、明かりのついてない所で手探りでミルクを作ると、まあ〜自分が合衆国にいるんだか英国にいるんだか、どうでも良くなりますよ、奥さん。
そして、1US ozは、だいたい30ccで、差は耳垢一欠片と言ったところでしょうか。 じゃあ統一しちまえよ!!と、隣の家の扉を叩きたくなる。
しかも、入院中はもっと脳みそが沸騰しそうだった。 何故なら、看護婦さんが教育を受けた時代に寄って、それぞれの人が違う単位を使っているのだ。 最近、医療現場では「ヨーロッパっぽい単位を使うと、先進国っぽいんじゃない?クール!」という風潮らしい。 年配の看護婦さんは、まだアメリカ単位を使っているのに。 がっでーむ。
2時間おきくらいに、違う看護婦さんが入ってきて「赤ちゃん、何オンス飲みました?」と聞かれて「えーと・・・(皇帝はもちろんミリリットル換算している)2、5オンスくらい?」と答えると「じゃあ午前中は全部で6オンス飲んだのね?」「えーと・・・・・・でも1オンスぐらい吐いてました」。 もう頭の中は数字で一杯。 只でさえ疲れているのに。 そして、違う看護婦さんが「何cc飲んだ?」と言いながら部屋に入ってくるのだ。 でーむ。
入院中は、オムツの重さまで測っていた(汚れたオムツ−新しいオムツ=排泄量)ので、「おしっこ何ポンド?」「何グラム?」とか聞かれて、吠えそうになっていた。
おかげさまで、すっかり「cc=oz」の計算は得意になり、寝起きでも答えられるようになったが、是非改善してもらいたい、アメリカ単位。
先進国に仲間入りを果たしてくれ。
2009年06月02日(火) |
カーペントリアとヴェンチュラ |
そんなわけで、義父母の新しい家を見てきた。 サンタバーバラから南へ20分。 カーペントリアとヴェンチュラの間くらいのビーチハウス。
家の前はプライベートビーチなので、オットセイやらペリカンやら、海の生き物やらがわらわら集まっている。 イサムさんがもう少し大きくなったら、ヒトデのつかみ取りなどして楽しめる事でしょう。
でもって、キモイ事に、砂浜にイソギンチャクが沢山生えている(?)のである。 引き潮時、これが気持ち悪いドーナツ型のナマコみたいな様子になって、浜のあっちこちにうずくまっているのだ。 踏まずにはおれないほど密集しているし。
義父母はそれを只の黒い石だと思っていたので、平気で踏んづけて歩いていたが、踏まれた後の奴らときたら! ぐにゅ〜っと小さくなって、砂の中に沈んで行くのですよ!! ぎゃー! 気持ち悪い〜。
さて、義父母にイサムさんを託し、カーペントリアとヴェンチュラを探検してきた。 カーペントリアの方が、建物が古くて、全体的に「田舎の海水浴場〜」という、もっさりした雰囲気。 半日もかからずにまわれてしまう。
ヴェンチュラは、ピアも有るし、観光用に整えてあるな、という道がちらほらあって、日帰り旅行にちょうど良い様子。
そして、ピクサーの新作を観てきたが・・・。 子供用ではないと思うくらい、悲しい話でありました。 考えてみれば、いつもピクサーの映画は悲劇から始まる。 そう思うと、いつも通りなのかもしれないが。
週末はカーペントリアに行っていました。
ジャバ夫さんには内緒なのだが。 実はイサムさんは奇跡の子なので、5月に入ってからは、コンスタントに夜6−7時間ぶっ続けて寝ている。 ただし、寝はじめるのが8−9時なので、起きるのは真夜中2−4時。
この時はお腹がすいて目が覚めるのだが、泣いたりしない。 「にゃー・・・(すいませんがー・・・お腹すきました・・・)」と、普段よりか細い声で訴えるだけ。 ジャバ夫さんはそんな音では目は覚めないが、どうも母親はそういう時なんかのバイオリズムで、スムーズに覚醒するようになっているらしい。 粛々と、明かりも付けず音もたてずに、あらかじめ枕元に用意しておいたミルクを4オンスばっかり飲ませると、また3−4時間の眠りに戻って行くのだ。 で、次イサムさんが目覚めるのが朝の5−7時。
もうそこで諦めて、イサムさんと起きてしまえば良いのだが、朝の苦手な皇帝は、3度寝を試みるのだ。 でももうイサムさんは長中期の眠りに戻ってくれる事は無い。 ばっちり起きているので、一時間おきか30分おきに「にゃー!(お腹すいた!)」「にゃー!(遊んで!)」と来るので、たいてい7時くらいにジャバ夫さんを起こす事になる。
で、なにがジャバ夫さんに内緒なのかと言うと、この朝の段階で、いつも皇帝は嘘をついているのだ。
「ごめん。夜イサムに何回も起こされてたから、眠くて。後は頼みました。ぐう(眠)」
という嘘を。
そして、朝は7−9時頃まで、ジャバ夫さんが育児担当。
いや、悪いとは思ってますよ。 ・・・多少・・・。
でもお父さん帰ってくる頃には、起きているイサムには会えないわけだから、朝イサムさんの面倒を見る事で、親子の絆が深まるのではないでしょうか。
と、反省してない母であった。
皇帝
|