皇帝の日記
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結局もう半年ほど在留で仕事することになったが、かなり辞める気満々だったせいか、あまり仕事仕事する気になれない。 色々と新しく学ばなければならないのだが。
貿易の基本セミナーとかに派遣してもらえるらしい。 お金もらって勉強できてラッキー。
ところで、海外事業と経理関係と業務統括は同じ階にいるのだが。 経理の人って静かだ。 そもそも、ほぼ30代アッパーで、皇帝が最年少なので、大人な雰囲気(?)なのだ。 おやつの時間だというのに、誰も騒ごうとしない。 粛々と、机の中から各々取り出して、もそもそ食べている。 なんということだ。 営業も企画も、おやつの時間は、お菓子ばら撒き大会だというのに。 そのうえ、秘書課の人がお茶まで入れてきてくれる。 でも誰も自らお茶に手を伸ばそうとしない。 持ってきてくれるのを、待っているのだ。
なんだかよくわからないけど、外国に来た気分。 プチカルチャーショック?
土日に夕飯訓練をしている。 皇帝厨房に立たずは返上し、料理を学んでいるのだ。
ところで日曜日に、なすとモヤシの炒め物を作ったら、ナスのへたが刺さった。 しかも結構深々と。
我慢したまま会社に行ったのだが、ダンボールを持ち上げた瞬間、親指がずきずきし始めてしまった。 がびん。化膿しています。 秘書課の人から刺抜きを借り、プレスの人から針を借り、商品管理のおじいちゃんに老眼対策のルーペを借り、キーパンチャーのママに抜いてもらった。
横と縦のつながりが! 目指せ開かれた職場!
電車で両隣に座っていた女性たちが、一斉に深く眠りに落ち、寄りかかってきた。 ちょっとやそっとの押し返しや、すかしでは目を覚ましそうになかったので、一歩前に乗り出して座り、本を読んでやり過ごしていた。
15分ほどで、右隣の女性が、皇帝の背中の後ろで、完璧に横倒しになってしまった。 しばらくすると、左隣の女性も、折り重なるようにして倒れた。
お互いにぶつかった時、「すいません」と言いあって、体制を立て直していた。 いやいや、あたし。 「すいません」言う相手はあたしでしょう。
ところで、電車の中で、こんなに爆睡できる国は、世界広といえど、日本だけだそうです。 終電で金を取られることはあっても、命とられることはないからね。
駅の近くに、高いビルがある。 監視員の人が見逃してくれるので、エレベーターに乗ることができる。 そんで、ガラス張りのエレベーターで徐々に渋谷の空に上がっていくのだ。 東京タワーが見える。 そんで、何もせずにそのまま降りてくる。
目下お気に入りの帰宅コース。
皇帝の朝は早い。 ラッシュを避けるので、始業よりも相当早く通勤しているのだが。
会社へ向けて一本道を下っていると、前を行く明らかに不審な男が、当社の駐車場へ入っていった。 あからさまに挙動不審なので、用心しながら門をくぐると、なんとというか、やっぱりというか、車の陰に隠れて、服を脱ぎ脱ぎしていたのだ。
早朝とはいえ、東京の中央高速道路周辺でございます。 車はびゅんびゅん通っているし、人も普通に歩いております。 なんと大胆な犯行手口。 ああ、でも露出狂なんだから、見られる人数が多いほうが良いのか。 とかなんとか走馬灯のように考えながら、しかしこの気まずい状況をどうにかしなければならない。 幸いにも、皇帝よりも10分ほど早く、郵便物管理の人間が通勤して、駐車場に水を巻く習慣になっているから、「Tさん痴漢がいるー!」と呼んだら、ホースを握ったまま、すっ飛んで出てきた。
Tさんは、元大工で、顔の怖さは社内一の人だ。
敵は、計画的犯行ではないために、開いてもいない会社に人が来るとは思っていなかったらしく、服をかき集めて、小走りに逃げていった。 わが社の車の陰に隠れながら、道行く人に露出を楽しもうと思っていたようだ。
それにしてもあの人は、「今日は露出をしにいくぞー」と早く起きたのか、それともたまたまあそこで突然露出したくなったのか、そもそも昨晩から寝ずに徘徊し、露出のチャンスを狙っていたのか、その辺の経緯が気になる。
昨日のマストハブに共感した方は、是非週末に衛星で放送している「プレシャス・コンシャス」というファッション情報番組を見たらいい。 もはや感覚でしか物を言っていないナレーションが、何も心に残らないまま、ただまったりと休日であることを思い出させてくれるのだ。
というか、視聴者はほぼ女性のみと思われる番組にもかかわらず、何故ナレーターはあんなにセクシーボイスを強調させたがるのか。 残念ながらオカマっぽい口調なのが、高圧的。 そして英語の発音は微妙に悪い。 「夏の気分を盛り上げてぇ(鼻に抜ける)、エンジョーイ・サマー」 そのテンションはどうなのか。
ついでに、ヨーロッパ系の女性が、おしゃれ感を漂わすために、妙なアクセントの英語で登場するのだが、彼女は「ヨーロッパの田舎者」、ロシア人のような気がする。
そんなわけで目が離せない。 シーユー。
ファッション関係のキャッチコピーや雑誌には、横文字が多い。 それは、そもそもファッションというものが感覚でできており、カタカナの割合が多ければ、感覚的にかっこいいからなのである。 ほとんど「てにをは」しか日本語がない誌面ばかりだ。
「セレブはスカルをマストハブ」 と見ると、別にセレブでもないのに、骸骨モチーフがなんだか今年の流行アイテムっぽいことが伝わってくるような「気がする」わけですね(?)。 しかしマストハブって何だ。
貿易業務になってしまうと、もう感覚的なお仕事ができなくなってしまう。 そう思うと、このわけのわからないコピーを考える仕事とかも、もっと突き詰めたら面白かったのかもしれない、とか思う。 隣の芝は青い。
ところで週末は珍しく料理などをしてみた。
2006年07月03日(月) |
ほら吹き男爵(わざとではない |
こんにちは。 退職の伸びた皇帝です。
辞表を用意し(うそ。役職者ではないので、辞表は要りません)、ボーナスの出るのを今か今かと待ち受けていた皇帝。 部長に提出する出張報告書には、いやみを一行添える余裕まで見せた。 そして報告書を添付ファイルにして送信した直後、内線で部長から呼び出し。
がびーん。 読んでないかと思ったのに。 まさかこんなことで首にはならないと思うが・・・。
恐る恐る部長室に入ると、部長が「お疲れ様でした」とご挨拶。 がびーん。
と思っていると、話はどうやら解雇ではなくて、海外事業部異動とのこと。 おおう。 海外事業部とはいえ、別に海外に行くわけではなく、対海外ビジネスをする人になるらしい。
なんの当てもなくぶらりと海外に行き、学校に戻って職でも探そうと思っていた皇帝には吉報。 たとえ半年でも、海外貿易業務に携わったキャリアがあれば、再就職にぐっと有利ではないですか。 さらに、休日その他、待遇にもやや改善があるとのこと。 じゃああと半年いても良いかな、と・・・。
ところで、部長は後で報告書をつぶさに読んだらしく、また内線で改めて怒られた。 部長は経費使いすぎ。
皇帝
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