凪の日々



■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■

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2007年02月24日(土) 卒業

ベビーカーとベビーバス、チャイルドシートを処分した。
出来れば誰かに譲りたかったけれど、本体から取り外しができない部分がかびてしまったのだ。
アユムが気がつくと口に入れて遊んでいた部分。
他の取り外しが出来る部分ははずして洗ったら綺麗になっていただけに、残念この上ない。
でも、アユムが常に口に入れていた部分という事は、赤ん坊が常に口に入れる部分というわけだし。
消毒液にひたして乾かしたとしても、やっぱり口に入れる部分だと思うと、人に譲るのは躊躇われる。
これは、潮時という事だろう…と、思い切って処分場へ持ち込む事にした。

一人で行くのも寂しいので、出かけたアイが戻るのを待って二人で処理場へ。
「なんで捨てちゃうの?」とリサイクルだのリユースだのにうるさいアイが聞く。
「誰かに使ってもらいたいけど、洗えないところがカビちゃったからもうあげられないの。赤ちゃんが口に入れたら病気になっちゃうし」と説明。

捨てる前に最後にアイにベビーバスに入ってもらって写真とっておきたいなぁ。
ついでにベビーカーにも乗ってもらうかな。
嫌がるだろうけど。

あれこれ考えながら、処理場へ。
職員がテキパキと手順を教えてくれる。
場内の案内表示に従ってゴミ捨て場へ車で移動する。
鈍い音を立てて重い鉄の自動扉が開く。
機械油の臭いと、重い機械音がする、薄暗く広い構内に、ちょっと緊張しながら指示される不燃物処理場へ。
ベビーカーとチャイルドシートを作業服の男性に渡すと無表情の彼は無造作にポイ、ポイとそれらを大きな穴へ放り込んだ。

あっという間。1.2.3.はい、おしまい、だ。

あまりにあっけなくて、切なくなって涙がこぼれてきた。
「うわぁ寂しい。泣きそう」と言うと「ベビーバスは私がリカちゃんのおうちに使おうか?」とアイが提案してくる。
「そしたら捨てなくていいでしょう?」
有難う、アイ。
「そうだね。でも、これは卒業だから。哀しくてもお別れする時なんだよ」とアイにだか自分にだか言い聞かせて、案内表示通りに進む。

ベビーバスは可燃物だとかで、別の場所。
コンベアーの上に置かれたベビーバスは空港の手荷物のようにのれん状のビニール幕の奥へ移動していく。
もう、見えなくなるまで居れなかった。
車の中で涙がボロボロこぼれてきた。
「うわぁもう寂しい」と涙を拭いてアイを見ると、アイも涙を目に一杯溜めて、赤い鼻してこちらを見ていた。
「なんであんたまで泣いているの」と聞くと「わかんない」と涙をぽろぽろ。
「二人して泣いていると、変な親子って思われるかもね」と涙を拭きながら笑いあう。

車から降りて、アイを抱きしめる。
アイの頭は私の胸あたり。
「寂しいよぉ」と言いながらアイをだきしめるとアイは「くるしいー」と笑う。


なんでこんなに寂しいんだろう。切ないんだろう。
必要なくなったベビー用品を処分しただけで。
子供なんか大嫌いなんだろう私。
今までの子育ては苦痛でしかなかったんじゃないの?
そうだけど。そうなんだけど。

あぁもういいや。理由なんかわからないけど、とにかく、寂しいんだ。
哀しいんだ。切ないんだ。
大きくなったアイ。
だけど、次に抱きしめる時、アイはもうこれより大きくなっているんだ。
そして、抱きしめても笑ってくれなくなっているかもしれない。
「お母さん、きしょ!」と驚くかもしれない。
それまで何回も抱きしめておこう。アイも、アユムも。

「最後にアイにベビーバスに入ってもらって写真とっておきたかったなぁ」というと「げー」と舌を出された。
むかついたからもう一度抱きしめてやった。


2007年02月18日(日) ステッカー

なんか「妊娠してますステッカー」が世の中に広まりつつあるようで。
それって効力発揮するんでしょうか?
だって車の「赤ちゃんが乗っています」ステッカーだって、関係無い人には「だから何?」という認識しかないんだろうし。

私も実際赤ん坊を乗せて運転するまでステッカーの意味がわからなかった。
あれって「だから運転してて予測もつかない事態になる事もあるので後ろを走る車はそのあたり肝に銘じておいてね」との意味なんだよね。多分。
だっていきなり目の前の車が走行中にドア開けたら驚くでしょう?
追い越そうとした瞬間右側後部座席のドアが開いたら?
ついでに子供が転げ落ちてきたら?
赤ん坊や子供乗せてたらアリなんですよそれ。
チャイルドートで座席に縛り付けていても「お前はプリンセステンコウか!」と突っ込みたくなる位、気がつくと縄抜けよろしくシートベルト抜けして運転席に這ってきたりするんですよ。ホラーですよ。
走行中背中に蹴りいれられるのは当たり前だし。
腹減ると泣くし、菓子やジュースを与えておくとこぼしたり落としたりしてまた泣き喚くし。
だから窓開けるなって!縄抜けするなって!ドアロック開けるな!!!
もうすべてのスイッチロックしたままにしとかないと、何やらかすか分からない生き物なんですよ子供って(怒)

「赤ちゃんが乗っています」や「子供が乗っています」のステッカーを貼った車の中では運転手は子供とそういう精神的物理的戦いを繰り広げながら運転してるんですよ。
運転に集中するのがどんなに困難か。

車に犬とか乗せて走る人なら大変さが理解できるのかも。
いや、犬とかの方がまだお利口なのかな。
犬は勝手にドア開けないしね。

「妊娠してますステッカー(正式名称は知らない)」なんか、もっと理解してもらえないんじゃ。
腹が出ていない妊娠初期がしんどいのなんか、経験者しか分からないし。
経産婦でも妊娠期間が楽だった人には反対に「私は平気だったのに何あまえてんの?」なんて反感かったりして。

電車に座って、目の前に妊婦ステッカーを燦然とかかげている女性が立ったら、すかさず席を立って逃げるべし。
めまいをおこして倒れられるのはまだましで、へたするとつわりのゲロを目の前で撒き散らされるかもしれない。
満員電車で押されたとたん、彼女の口から小さな叫び声がもれ、股間から鮮血が滴り落ちるかもしれない。
こわいこわい。

いずれのステッカーも、とりあえず「かかわりたくないなら見かけたら近寄るな。可能であれば、出来るだけ遠くへ逃げろ。」って意味に解釈するのが無難かと。

いや、もちろん、「うわーお腹に赤ちゃんいるんだ〜幸せそう〜(はーと)」と思って温かい目で見守るってのもいいけど。
そう思う人と「だから何?」と思う人と、どっちが多いんだろう。


2007年02月15日(木) アイの英語教室

年度末恒例、アイの英語教室の保護者面談。
教室での様子と、来年度の継続か否かの確認。

日本人講師は「アイちゃんはよく出来ますよ」と絶賛してくれる。
でも誉めて育てるって感じの教室なのでいつものように話は半分で聞く。
英語教室ってどこもそういう感じなのかな?

「今度三年生ですよね?ジョン(外国人講師)はアイちゃんは六年生と一緒のクラスでも大丈夫じゃないかと言うんですけど」
え。それは無理だろう。だって単語まるっきり知らないし。
「だけど、問題は、そうすると六年生になるまで同じ事をまたやる事になるんですよ」
そうか。小学生英語だから、それ以上には進まないわけか。
でも六年生コースまでのが早めに済むのなら、さっさと済ませて良いんじゃ?

あれこれ思うけれど、アイにとってどうした方が一番良いのかが分からない。

アイと同じ幼稚園時代からの教室仲間Yさん宅は五年生と二年生を通わせているわけだけれど、この五年生が先日英検三級に合格したそうだ。
三級は中学三年程度のレベル。
この英語教室では、レベル的にもう卒業らしく、このままこの教室に通っても、同じ事を繰り返し教えるだけなので、個人的にレッスンを受けられるところを探されるか、同じ系列教室で、もう少し上のレベルの他の教室を探されるかしては、と言われたそうな。

しかしそうなると、料金が高くなる。
ここの教室で面倒を見れないから他の教室を勧める、というのなら、その教室をここと同じ料金で受けられるようにしてくれていいんじゃないのか?
Yさんは本部にそうかけあったらしい。
「検討してみます」と言われたそうだけれど、その後どうなったかはまだ聞いていない。

でも、小学生で中学の分を習い終わってしまったら、中学での英語の授業の時はどうするんだろう。
自分だけ先に習った事ばかりで、学校や周囲を下に見て周りをなめきった勘違い人間になってしまうんじゃないんだろうか。

「単語とか覚えるために、とりあえず来年度はこのまま繰り上がって三年生のコースで様子を見てみましょう」と講師は言う。
来年度、三年生のコースでは、年度末に英検五級受験が出来る程度まで持っていくそうだ。
順調に行けば三年生で五級。四年生で四級。五年生で三級。
Yさん宅の五年生は、順調に行った人というわけか。

Yさんは「英語って途中で止めると総てがパーになるから続けないと意味が無い」と力説する。
「間を空けちゃうとダメなの。だから、続けさせたいのに、教室がもう教えられないからそこで切るっておかしいじゃない?生徒を育てようって意識を持ってないってのは。能力を伸ばしてやろうとしないってのはおかしいよね?」

うーん、確かに、コレが塾とかなら、自分の所から成績の良い生徒が出るのは名誉なんだろうけど。
小学生英語の教室だと、どうなるんだろう?
でも教室的に、次のレベルの受け皿を用意していないってのは、不用意だよなぁ。

ってか、私はアイにどうなって欲しいんだろう?
お勉強英語は別に求めていないんだけど。
まぁ、アイの場合、単語とかほとんど読めないし、当然書けない。
まだ耳を育てる年齢なので、ソレでいいと思っているので別に良い。
お勉強英語は、まだ必要ないかな、と思っている。

アイが通うのを嫌だと言い出したらさっさと辞めさせて、替わりにアユムを通わせようかと思っていたけど。
Yさん風に考えると、それじゃ今まで通ってきたアイの経験がすべて台無しになるわけか。

親がどうすればいいか悩みながら通わせていていいのかなぁ。
子供の英語教室っていつが見極め時なんだろう。
ってか、どのあたりからお勉強英語への移行時なんだろう。

私もYさんみたいに、しっかり信念を持って子育てしないといけないなぁ。
そのためには、自分が色々リサーチして勉強しなきゃいけないんだろうなぁ。
うーん…



2007年02月09日(金) ランチ

Kちゃんと久しぶりにランチ。
お店は自然食材のビュッフェスタイル。
あれこれ料理をつつきながら近況を報告しあう。
とはいえ、特に報告するほどの近況がない私。
アイのインフルエンザくらいか。
我ながらつまらない毎日だ事。

Kちゃんはお友達の子供のお祝いに行って来たという。
微妙な言い回し。
「友達が、養子縁組したんです。それで、お祝いに。」

Kちゃんと同じ歳のお友達。
希望していた子と縁が繋がり、このたび乳児園(?)から引き取る事になったそうだ。
「そういう選択肢もあると思ってはいたけど、まさか自分の友達がそういう事になるとは思わなかったので驚きというか」
料理を口元に運びながら話すKちゃん。
可愛い女の子だった。丁度つかまりだちする頃で。お祝いの服を選ぶのも楽しくって楽しくって。
楽しそうに話すKちゃんの様子に、思い切って「聞いても良い?」とふってみる。
「つまり、Kちゃんも、それもありかなって気になったって事?」

「いや、それはないと思う」と皿の料理をつつきながらKちゃんは答える。
「そういう、血のつながりの無い関係は、旦那はまったく考えていないし、絶対嫌がるから」
それは、そういう話は二人の間で既に出たという事か。
「じゃあこのまま二人で過ごす人生をって事?」
「旦那は、出来れば子供は欲しいみたいなんだけど」
ゴーヤチップスをパリパリと食べながらもKちゃんの視線は皿の上の料理を見つめたまま。

男って、いつか出来るだろうみたいな、呑気な考えしか持ってないだろうと思う。
結局他人事っていうか。授かり物だから、なんて綺麗事で済ます甘い考え。
「出来ちゃった」なんて簡単に言えるのは感情と性欲だけで突っ走れる若い
体のうちだけ。
年齢を重ねたら、感情より理性だの常識だのが勝つのが当然。
結局、授かる為には体も心もそれなりの努力はしなきゃいけなくなるわけで。

Kちゃん夫婦の場合はまず夫婦で病院へ行く事なんだろうけど。
どっちにせよ苦痛を味わうのは女性の方なのに、行きたがらないのは男の方なんだよね。こういうのって。

なんて、あれこれ思うけれど、いつものごとく、そこまで突っ込んで言えない。

「男って呑気だからさ、欲しいのなら、Kちゃんが積極的に動いていくしかないと思うよ。ちゃんと二人で向き合ってしっかり話しあってみなきゃ。今後の人生の事をさ。」
それだけ言って皿のかぼちゃを口に入れる。

お腹一杯でお店を出たあと、ウィンドウショッピング。
冬物セールの残りなど冷やかし、物凄く気に入った帽子を見つけたけど、己の年齢と照らし合わせると買うのにはかなり躊躇。
好きと似合うがイコールじゃなくなるのって幾つからなんだろうね、などあれこれ。
コサージュが可愛い帽子だったけれど、私達の年齢じゃ、このコサージュはもうイタイんだと思う、など



とりとめのない事を言い合い笑いあいながら、なんだか、色々考えてしまった。


ただ、Kちゃん夫婦の幸せを願うだけなんだけど。
幸せって、人それぞれなわけだから。
Kちゃん夫婦にとっての幸せを。
そして、それがKちゃん夫婦の周りの人々の幸せに繋がる事を。

それには、どうしていったらいいんだろうなぁ…
いや、私が考える事じゃないわけだし。それは余計な事だ。

結局、こうして時々話を聞く事しかできないわけだよな。
他人の私に出来る事は。

ぐるぐるぐるぐる。


2007年02月03日(土) インフルエンザ

久しぶりに出かける予定だった週末。
アイはずっとこの日を楽しみにしていて、金曜日の夜は張り切って目覚ましをセットし、「ワクワクして眠れない〜」と言いながら眠りについた。
その明け方。四時頃。
「寒い…」としきりにつぶやくアイの声に目を覚ます。
触ると明らかに、熱。
どんどん熱は上がり続ける。
これじゃ今週末は自宅軟禁だな…とこの時点で諦める。
アイは残念がって泣きじゃくるが仕方ない。
思えば遠足前には熱出す子だったんだよなこの子。
神経質って事なのかな。それともお約束的に運が悪い子なのか。

夜が明ける頃は39度。
この上がり方は明らかにインフルエンザ。
でも予防接種受けたのに。

検査してもらうとしっかりインフルエンザAの反応。
しかもかかりつけの小児科で第一号だそうな。
あはははは。第一号って。どこからもらってきたんだか。
培養して検査したいので、と協力を求められ、綿棒を計四本つっこまれる。
協力したお礼にと、二千円分の図書カードを貰った。
へぇーこんなの初めて。

調剤薬局では「多分〇小学校で第一号ですよ」と言われる。
やれやれ。
この校区の小学生が全員この病院にかかっているとは思わないけれど。
「家族に移らないよう気をつけてください。これはサービスです」と使い捨てマスクを多量に貰う。
うぅむ。第一号だと待遇が違う?っていうか、ここでくいとめろってことなんだろうな。

心当たりは特にないけど、あるとしたら、スイミングでもらってきたのかもなぁ。
あれって隣の区だし、生徒はあちこち三つ位の区から通いに来てるものね。
他所の区の他所の学校の子から貰ったって事なんだろうなぁ。

いずれにせよ、アイが楽しみにしていた週末の予定はすべてボツどころか、感染予防のため今週一杯自宅軟禁かも。
運が悪いどころか、お約束というか、「ネタ?」とつっこみたくなるタイミングの悪さ。
この子はこういう星の元に生まれてるのか。
そもそも私の子供として生まれたことからして運悪いわけだしなぁ。不憫。


問題は、予防接種を受けたのがアイだけで、アユムも私も受けてないって事。
やだなぁ、移るかなぁ。しんどいんだろうなぁ。
扁桃腺の熱でもしんどいのに。

今年の誕生日はインフルエンザで寝込んでうなされているのかもな、私。
運が悪いのはもしかして私?





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