| 2004年03月22日(月) |
◆(１)重大事故を憂う…。 |
■先週の土曜日、昇段練習終了後、昨年転籍して来た某大学拳法部ＯＢから聞いた話は衝撃的でした。何年か前の話ですが、乱捕り練習の際、上段蹴りが入り、アゴを骨折した事故があったというのです。
「どんな練習してたの？」
「面(スーパーセーフらしい)と胴を着けて、叩き合うものです」
「上段蹴りも有りで…？」
「はい。…もう床一面が血だらけになって、歯も数本折れて、四ヶ月間、入院したようです」
「……重傷じゃない。先生はいたの？」
「はい」
「本部には連絡したの？」
「分かりません…」
■ざっと、こんな内容です。実は最近、他の重大事故を確認しており、私は大変憂慮しています。いくつかの問題点を箇条書きします。
�‐�林寺拳法の運用法は上段寸止めではなかったのか…。最近は「当て止め」という言葉が使用されているが、特に大学拳法部においては、当て止めと当ての境は無いに等しいようである。つまり当てる。事実、某クラブの定期戦では、スーパーセーフ着用、胴不着用での格闘ルールによる試合さえ行われている。
�∋�故はクラブ内の練習時に起こっている。これは何を意味するかというと、学生拳士の心の荒廃を意味する。手加減と言うか、(仲間にさえ)情け容赦のない攻撃を加えるのは近年の格闘技ブームの悪しき影響であり、少林寺拳法からは排除されるべきものである。←決して、顔を知らない相手なら思い切り叩いても良い、と言うのではない。
�６愡濟�項を守らずに事故を起こした場合、刑事罰と民事罰が与えられる。しかし問題は、指導者、本部がもっと真剣に拳士の安全を考えるべき、と考える。場合により＝生命の危険が予見される練習法なり試合法が改善されない場合、指導に従わない場合、活動停止処分、解散処分を命じるべきである。
�し�士の安全確保は、本質論、管理責任論、安全論という三つから成り立ち、武道教育という観点において絶対の要件である。しかるに現状はどうかというと、少林寺拳法は現代武道九団体の中で、危険度が最上位にランクされかねない危険な状況と考える。
�タ瓦�健全に育つ運用法であって欲しい。公認面は否定しないが、顔を無条件で叩いている現状(不殺拳たる三日月打ちを奨励しない意)は憂うべきものである。特に昇段試験では、上段は当て止めではなく、寸止めにすべきである。
�Ρ人冕，箸亘〃舛留人僂魄媼韻靴峠の�するもの。乱捕りとは勝負を意識して対戦するもの。１９８１年の死亡事故以降、せっかく努力して「運用法」「攻守限定」という概念を生み出したのであるから、また元に戻るが如くの「乱捕り」という概念を復活させる指導法は再考すべきである。
■近年、少林寺拳法の在り方が、他の格闘技の悪しき在り方に侵食されているのではないでしょうか。この現状を深く憂慮します。昔、体育会の悪しき風習に汚染？されたクラブが問題になりました…。シゴキで後輩を死亡させた事件が二件あります。うち一件は永久廃部。
事故…。（起こした）経験者のほとんどは、皆、私の言うことを理解してくれます。
私を含め、支部長、道院長は皆その危険と隣り合わせです。一番聞きたくない意見。「武道なのだから、多少の怪我は仕方がない」というものです。
私の言っている事故は多少(でさえ防ぎたい。無事故対策の最善を尽くした上でのそれは致し方無い)ではありません。命に関わる重大事故なのです。あるいは生涯に渡って障害を残しかねないものなのです。
まさか、１９８８年の死亡事故以降、一件も起こらなかったから、（もし事故が起こっても）少林寺拳法は安全なのだ、とは考えていないでしょうね…。
死亡事故の悲惨さは、もうコリゴリです…。
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【注意】本「書きたい放題」は気持ちの問題もあり、即日にアップします。ですので、当日中、あるいは翌日にかけ、表現の過不足を改める場合があります。印刷して読む場合は数日後にお願いします。
表現が異なったまま残るのは、私にしてみれば不本意であります。いずれ、リニューアル？＝改訂して行きたいと考えています。★印なんか付けますか…。
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