| 2003年06月06日(金) |
コーネル・キャンプ(４)/芸は身を助ける… |
今回のコーネルキャンプで感じた印象深かったことを、気の向いた順に述べたいと思います。
■【芸は身を助ける】少林寺拳法は拳士にとって言語に匹敵するコミニュケーションの手段である。言語が通じない相手でも、法形の演練を通じての交流が可能である。その時、拳士はお互い一体感を感じ得る。
そしてゲームも同様である。共通のルールーを元に、たとえ顔を見知らなくても、国や言語の制約を越え、インターネットでさえ対戦が可能である。
現在、日本の文化が世界中でブームのようだが、若い人たちには、武道やら、華道やら、茶道やら、囲碁将棋やら、その心得を持ってもらいたいものである。
■９８年に参加した際、Ｚさんと知り合ったのは趣味のカメラを通じてのことだった。
私はカメラの心得が少々ある。山崎博通先生の道着姿での(ちょっと有名？な)袖巻き返しの写真。あれの撮影者は私である。
講談社が発刊した『少林寺拳法』の撮影に同行した際、許可を得て撮影させて頂いた。ＩＳＯ４００の白黒フィルムを４倍増感、機種ニコマート・オート、レンズ・５０�弌�絞りf５.６、シャッタースピード２５０相当での撮影であった。受けは作山先生。
それで…私のカメラがマニアル/ニコンＦＭ２であったことから、フォトグラファーであるＺさんが、「写真が趣味なら教えてあげるから、明日早朝に来れば」ということになり、次の日、早朝の湖畔を一緒に撮影して歩いたのが今日に至る交流のきっかけとなった。
■今回、根岸先生、野口さんが大変お世話になったＲさんも、９６年に参加した際、チェスを通じて知り合った。たしか初戦で私が勝ち、Ｒさんが真顔になって、次は負かされたことを覚えている…。
彼にはチェスのことを色々と教えてもらい気が合った。合宿終了後は前ＮＹ支部長の宮田行広先生を訪ねることになっていたので、他の参加者と一緒に帰り、その晩、ＧＦと共にイタリアンのレストランに連れて行ってもらった。
その気持ちが嬉しく、年長者の私の招待とした。次の日も彼は親切に、あれは…ソウホウ辺りを案内してくれた。温かい人であった…。
■今回、７年ぶりの再開。白帯であった彼は二段になっていた。で、今回も彼はチェスを持参していた。合宿初日、再戦となった。彼にブランクがあったことが幸いしたのか、初戦は私の勝ちとなった。結構本気のようで、お互いちょっと疲れた…。
このキャンプでは他にも挑戦者があり、まあ私が勝って、日本男児の心意気？を見せたのだが…とうとう本格派が立ちはだかった。
Ａクンは２３歳の茶帯の拳士。ボストン支部からの参加であった。色白で私より背が高く、ガシッとしている。メガネを掛けた静かな鋭角的な顔立ちは理知的で、かなりな男前。声は低く、ややハスキー・ボイスである。
道場からＫやＹが来ていたら、とんでもない騒ぎになるところだった…。
■対戦すると将棋と同じで、駒を持つ手付きがまるで違う。
（ウッ、これは強い…！）
案の定、私の棋力ではとても歯が立たない。
結局、キャンプ中、随分とチェスを教わった。あの低い声でペラペラと教えてくれるのだ。しかし悲しいかな、薄ら返事を返すのみで…残念であった。
「来年も是非キャンプに来てね。またチェスやろうョ！」そう話しかけると、嬉しそうに「ニコッ！」と笑った。
Ａクンはシャイな人であった。また新しい友達が出来たかな…？
■Ｒさんがその後リベンジして来たが、引き分けとなった。今度は相当気合が入っていて、顔を真っ赤にしての長考連続であった。
ゲームは開始早々、私のミスでナイトをただ取りされ、不利な局面に陥った。しかし私が盛り返し、優勢になったところを、今度は逆にＲさんの粘りにあって、結局引き分けに持ち込まれた。
「ＯＫ、イーブンですね」と告げ、握手して終了となった。
Ｒさんとはなにか凄く気が合って、目が合うと「オゥー、ロビン！」とハグしてしまう。最後の頃、彼はハグしながら、「オゥー、フレ〜ンド！」と言った…。
「芸は身を助ける」のではなく、「芸は友を呼ぶ」が正しいようだ。
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