道院長の書きたい放題

2003年06月04日(水) コーネル・キャンプ(2)/黄色いリボン

今回のコーネルキャンプで感じた印象深かったことを、気の向いた順に述べたいと思います。

■【黄色いリボン】22日木曜、JFK空港に到着。翌日、Zさんの自宅アパートを若干寝不足のまま午前10:30分に出発。キャンプ場に向かう。

アパートといっても、日本のそれとは大分イメージが違い、大晦日には50名?の人達を呼んでパーティができる規模である…。さすがアメリカ…。

NY支部がレンタルしてくれた大型のバンに、私、作山先生、根岸先生(横浜杉田道院長)、朝倉先生(東京祖師谷道院長)、野口さん(根岸道院生)、Sumikoさん(NY支部生)、そして運転手のZさんの計7名が乗り込む。ちょっと荷物が予定オーバーで、ギュウギュウ詰めの車内となった。

私の座席はZさんの隣。彼女の車に同乗する際は、(ハズバンドを除き私の)定席である。目的地であるイサカのキャンプ・バートンまで5〜6時間の行程。日本語と英語の会話がチャンポンになった空間が移動し続ける。

■私は電子辞書を手放せない。Zさんとの会話は以心伝心?の感覚的な会話で不思議な会話だ。それでも急所の場面で分からない言葉は、スペルを一字一字入力して確認する。

例えば…仏教思想の話題になり、「空」について話し掛けられる時、この単語を私が分からないと、「イー・エム・ピー・ティー・ワイ」と彼女が述べるのを、電子辞書の英訳に写し取る。そして訳ボタンを押して「empty/空」が変換され、

「エンプティ…、空のことね!」

「Yes! Empty!」

こうなって会話が進む。お互いどこまで内容が一致しているか甚だ疑問なのだが、Zさんとの会話はとても楽しい。もったいなくて、疲れていても一睡もする気にならない。

■彼女とは1998年のキャンプで知り合った。当時は白帯での参加だった。今回は2001年に初段を一緒に受けたDさんと共に、再びコーネルキャンプで二段を受験する。私も再び立ち会う。

Ken・大橋の撒いた種は確実に根付き、ニューメンバーが育っているのを実感する。作山先生と私も少しは貢献してるかな…?

のどかなドライブも半ばを過ぎ、広い幹線道路から田舎道となった。左右にグリーンの景色が開け、そこに黄色い野生の花が、まるで花畑のように群生している。運転中のZさんが話しかけてくる。

■「黄色の意味を知っている…? 黄色はね、愛する人が戦争に行った時、家族や恋人が無事に帰ってくるように祈る色なの」

「ほら見て! この家、黄色いリボンが結ばれているでしょう…」

指差す家を注視すると、家の玄関の前に確かに黄色いリボンが結ばれている…。

驚くべきことに、そのようなリボンのある洒落たロッジ風の家々が道すがら、そこらここらに点在しているではないか…!

結ばれたリボンは大変綺麗で、豪華で、それが「帰って来て欲しい!」という家族や恋人の切ない気持ちを強く代弁しているように聞こえ、感動的ですらある…。

(あー、アメリカは戦争してるんだ…)

遅まきながら、この国の今置かれている現状を認識したのであった…。

(続く)


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あつみ [MAIL]