2001年11月07日(水) |
■布陣法/構えについて! |
■ 法形について思うことを述べましょう。
□将棋の定石には実戦の積み重ねから生まれた、序盤における(戦法の)駒組み手順、中盤に至るまでの変化手順。および、駒の機能を主にした攻撃手筋、防御手筋と言われるものがあります。
布陣法である序盤定石には、絶対に知っていなければならない定石があるので、例を上げます。先手、後手共に飛車先の歩を突いていったとします。イメージできますか?
先手の五手目の手番で、そのまま角の頭を歩で攻めてはいけません。必ず自分の角の横に金を上げて、弱い角の頭を守るのです。そのまま突くとどうなるか、先手は必敗します。逆に、後手が金を上がらずに歩を突いたらどうなるか、同じく後手が必敗です。
(無理攻めを咎める規則正しい理論が)面白いでしょう! これを“守り”という視点から述べても面白いのですが、今は“布陣法/構え”という視点で述べます。
□一字構えは中段の攻撃、主に回蹴りに強い構えです。ですから、中野先生は仁王拳においてやや前屈、上段を誘うが如くの構えをとります。これは、中段の攻撃については必勝の備えがあるからであり、誘った上段については当然です。
法形を修練する際、この二つの意味が理解されなければなりません。誘いをテーマにした法形/白蓮拳においても、誘いの外を攻撃された場合、無理攻めとして咎める反撃法の存在を前提として、この布陣/構えが成り立っているのです。
私はしたがって、ある構えからことさらな誘いをかけるのを不自然と考えます。構えそのものが、身体の一部分の固め/守りであり、結果ある部位/大きくは上段、中段をすでに誘っているのです。身体全身という防禦線は長大に過ぎ、全てを守るのは不可能です。で、ある部位を鉄壁にして後顧の憂いを無くし、他を守り易く、反撃し易くするのです。
□例えば、払い受け蹴りの際、一字構えから前手を横に誘えば、相手は大きく回さなくとも三枚を蹴る事が出来ます。そうなると、守者は上段と中段の両方に気を配らなければなりません。
大きく回してくる攻撃への反撃法が払い受け蹴りであり、もともと一字構えで中段を固めている我に対しての、彼の無理攻めへの必勝法がその本意でなはいでしょうか。ただし、顔面を後方に引き、攻撃されにくくして、前手を横に中段を誘うという考え方もありましょう…。
何故、そのように思ったかと言うと、中野先生の八相構えの指導を受けたからです。この時の構えは、体は左45°半身。左右の手はやや高め、特に右手は顔面の右下横まで上げます。明らかに上段を固め、(結果)中段を誘っています。
中段の攻撃に対しては、あらゆる中段反撃法、上段に対しても同様の反撃を秘めて構えるのでしょう。この時、正面は向きません。全ての法形で、下段/金的は誘いません。先程述べたように、防衛線が長くなり過ぎます。半身の構えで固め、無理攻めへの咎めとして、膝受け波返し、地王拳などがあるのです。
□従来の修練では、無理攻めを咎めるという視点が抜けているのではないでしょうか。誘いばかりに目が向いている帰来があります。しかし、「誘いの隙に真の隙あり!」なんて恐ろしい言葉が存在するのです…。
過去の本部の連載と重複していないでしょうね…。
|