2006年01月17日(火) |
星組新公 『ベルサイユのばら』 |
普及の迷作…いや不朽の名作『ベルばら』の新公。 新公といえども『ベルばら』 一歩大劇場ホールに入ると異様な雰囲気が漂っていた。
友人と「スゴイ人やなぁ。なに?最近じゃ珍しいんじゃないの?」 そんなことを言いながら、食事をするための空席を探す。 やっと見つけた場所で、食事をしながら…発表されたばかりの なぞなぞだらけの異動の話をはじめた。
よくよく…聞いてみるとまわりの人たちもなにやら組替の話に花を咲かせている。
異様な雰囲気はこれだったのか…。そう思った瞬間だった。
さてさて『ベルばら』新公。 見る前からすでに満腹状態の気持ちだった。
いつもの趣味の悪い衣装の小公子ちゃんたちがズラリ。 「超下級生がやってもかわいくないわ。」そう思ってしまった。
さてアントワネット登場…陽月華。 うーん。贅沢三昧の王妃に見えない。 すでに幽閉されているかのごとく…少し貧弱。 …というかジャンヌのよう。 品があるとかないとか…書けない。
オスカル…麻尋しゅん。 オンナだ。全くの女の子。男装の麗人ではなく、女の子だった。
フェルゼン…柚希礼音。 「あの〜、上級生は出ちゃダメなんですけど。」そう言いたくなる貫禄だ。
全体的に…歌…イケてない。ダメだ。 歌えていたのはレオンだけだった。
ウメ…そして夢乃聖夏アンドレ…もっともっと歌のおべんきょ、しましょ。 まひろ…女の子なの?オスカルなの?声が出ていない。
全体的にすごく毒舌で申し訳ないのだが… ウメちゃんは芝居はまあ、できていたけど、何よりも王妃に見えなさすぎで どこか気の毒な感じがしてしまった。 でもさすがラストの幽閉されてからの芝居は文句なしにうまかった。
まひろは最初から最後まで情熱あふれる女の子で まるで部活に燃えてる女子高生のようだった。 表情がとぼしい。 バスティーユで死んでしまう時も剣の置く場所を冷静に気にしてみたり 立ち位置を気にしてしまって…途切れ途切れに見えた。
アンドレ(夢乃聖夏)芝居はうまかった。細かい表情もできていたし、 何よりもスターブーツを履いて歩いたり、走ったりがスマートだった。
芝居はできていてもスターブーツを履いて歩いたり、走ったりすると どうしても“素”の部分が見えてしまうもの。 でも彼女はそれがなく、見ていてホッとできた。 オスカルの部屋に入ってくる時の颯爽感は見事だった。
ただ、歌ね、銀橋で歌いだす時の緊張がコチラまで伝わってきて 「4番、夢乃歌います。」という感じがした。 歌の時の声の出し方を勉強しよう。
まひろオスカルと夢乃アンドレの今宵一夜はいけなかった。 ここで手をとる、後ろにさがる、ひざをつく…と 段取り段取りで…シーンがシーンだけに見ているこちらのほうが そのぎこちなさから、恥ずかしくなってしまうほどだった。
ジェローデル(水輝涼)とてもさわやかでうまかった。 「下級生やのに芝居うまいなぁ。」そう思った。
うまいと言えば、メルシー伯爵(七風宇海) すごいウマイ。 特にフェルゼンに「王妃と別れてくれ」といいに行く時。 最初は物静かに語り始めたのにそのうち、強く説得していく・・・すごい気迫。 その時の七風さんは本当にうまくて、本当にメルシー伯爵になっているようだった。
この場面で……初めて……泣きました。涙出ちゃいました。
ブイエ将軍(彩海早矢)うまいよ。いつの間にこんなにうまくなったの? そう毎回思わされるほど、うまい。貫禄ありあり。 オスカルに「オンナのくせに」という時も パリ市内で衛兵に「攻撃せよ。」と言いに行く時も気持ちいいくらいの貫禄だった。 思わず「来た、来たっ!!! 出てきた出てきた。」と喜んじゃうくらい。 おヒゲも凛々しく・・・巻き巻きヘアもステキでした。
あ、それからマリアテレジア(華美ゆうか)もうまかった。 やさしく穏やかにアントワネットやメルシー伯爵に語る。 それでも深く聞き入ってしまうような語り方。
さてさてフェルゼン(柚希礼音) 歌よし、芝居よし、着こなしよしっ!!! もう十分だよ。うまいよ。安心できちゃうよ。そんな感じだった。
そんな貫禄十分のレオン。 最後の挨拶で泣いてしまった。 「今回の公演でいろんな人に支えられているんだ…と いつもより、本当に思いました。」そのようなことを言いながら 言葉を詰まらせながら…泣いていた。客席も思わずもらい泣き…。 「ちえ―っ!!!」そんな声もちらほら。 割れんばかりの拍手に包まれ…幕を閉じた。
鳴り止まない拍手にカーテンコール。 みんなキッラキラの笑顔だった。
若いっていいなぁ。 なんかイイモノ見た気分になれた。
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