◆◇ お気楽観劇日記◇◆
公演やビデオなどを・・・見たまま、聞いたままを
つらつらと書き綴ったまたまた気楽なコーナーです。

2006年01月21日(土)  『グランドホテル』

1989年・・・月組・・・涼風真世さよなら公演で初めて見た。
プラチナチケットだったこともあって、2回見るのが限界だった。

そのあと、宝塚版CDと海外版CDを買って
飽きるほど聴いた・・・何度聴いても飽きなかった。
「もう一度みたい。もう一度あの回転扉が回るのを見たい。」
そうずっと思っていた。

そこへこの舞台の話を聞いた。しかも紫吹サンが出るという。
「え?紫吹サンがフラムシェン?あのアサノカヨがやった役?」
そう思ったけど、見たくてたまらなくなった。

早々に先行予約でチケットをGET。
今か今か・・・と待ち遠しくてたまらなかった。

雪の影響でヤキモキしながらようやく着いた劇場。
重厚な雰囲気の舞台装置。
大きな回転扉とその上から両側に降りた階段。
そしてその全体の上にバルコニーのようになっていて
そこにオケが入っていた。
オケの人たちも盛装をしていた・・・。

開演ベルもなく・・・始まる。
耳に覚えのあるメロディが流れ始めた。
どきどきと鼓動が高まり、涙が出てきた。
「見たかってん。ずっと見たかってん。」そう何度も思った。

歌詞は違うものの、ニュアンス的には同じで全て聴きなれた曲だ。
もううれしくてたまらない。

何度目かのさよなら公演中だというグルーシンスカヤに前田美波里サン。
ガイゲルン男爵に岡幸二郎、グルーシンスカヤの無二の親友に諏訪マリー
出産間近の妻を持つホテルマンエリックにパク・トンハ、ドクターに藤木孝。
それからプライジング社長に田中健、オットークリンゲラインに小堺一機・・・
そしてフリーダフラムシェンに紫吹サン。

宝塚版はオットーが主人公だったけど、今回は違うため
視点が少しずつ・・・違ってきてるけど・・・流れなどはそのまま。

岡サンの声はすばらしく、鳥肌がたつほどだった。
美波里サンはチュチュ姿はびっくりしたけど、さすがに存在感は圧巻。
途中、男爵と恋に落ちるシーンでのびっくりするほどの赤いバラのついた白いベッドには度肝をぬいたけど・・・(笑)

紫吹サンのフラムシェンは色気たっぷりで、麻乃佳世が演じたフラムシェンのような純粋無垢・・・無邪気な感じはなかった。
麻乃佳世のフラムシェンは世間知らずゆえの大胆さのようだったが
紫吹サンのは上り詰めていくための計算された大胆さだった。
でも心が純粋だったため、上り詰めるための堕落を見ることはなかった・・・というような感じだった。

美しすぎるほどの美脚を惜しげもなくさらけ出し、色気を振りまく。
なかなか似合っていた・・・ついこの間までバリバリくさくさの男役だったとは思えないくらい。

小堺サンは、期待以上でとても人間くさい、憎めないおじさんだった。
今回・・・見る前と見た後の印象のギャップが一番大きく、
一番心に残ったのは小堺サンだった。

他の人たちもそれはそれはすばらしい声の持ち主たちだったり、
小気味いいダンスを踊る人たちだった。

2時間弱の短い舞台だったけど、1曲1曲が心に響き、
ストーリーもだけど、舞台構成・演出が洗練されていて
見た後にもしみじみと心に染み渡る・・・
もっともっと見ていたい・・・そう思う公演だった。

『グランドホテル』・・・宝塚版・・・あの頃の映像が見たくなった。


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春吉

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