空虚。
しずく。



 ごめんね、もう言わないから。

朝になっても全然眠れなかった今日。
奥底から無理矢理感じさせられてしまう声。
うるさい、本当にうるさい。
「黙れ!」
思わず怒鳴ってしまった。
彼らに触れると私は引き戻されてしまう。
怒り、憎しみだけの感情を引き出されてしまう。
ぴくんっ、って身体が跳ねる。
それに乗じてあきらにまで弄られる。
段々ぼやけてく自分。

(・・・私は、無力だ・・・。)

気がついたのは夜。
けど、うるさいのは止まない。
出来るだけ意識しないように、音楽をかけた。
こういう時は、ほんとに音があってよかったと思う。
なかったら、多分耐えられないもの。

だけど、精神はちょっと限界だったみたい。

「・・・人形としてでも、価値を見出してくれるなら。」

思わず、そう呟いてしまった。
それは、彼らの元に戻るという事。
あの日々を、また繰り返すという事。

「二度と言うな!」
すごい剣幕で怒られた。

「そんなコト、言わないで下さい・・・。」
そう言って、泣いてしまった彼女。

・・・ごめんね。
屈しちゃ、ダメだよね。
解かってるんだ。
どんな事になるかも解かってるんだ。
・・・もう、言わないから。
言ったら、また弱くなっちゃうから。

・・・しっかりしなきゃ、ダメだ。

2001年12月14日(金)
初日 最新 INDEX MAIL HOME


My追加