空虚。
しずく。



 禁忌。

殺人。
人が、人を殺すこと。
当たり前だけど、それは禁忌。
犯してはならないこと。

だけど、どうしてか。
私は、それが禁忌に思えない。
それは、いつからだったかな。
弟を殺しかけた時?自殺しようと思った時?
それとも、もっと前だったかな。

命を軽んじてるわけじゃない。
だけど、奪ってみたくなる。
それと同時に、奪われてみたくなる。

それも、"なんとなく"だけれど。

殺すのも、殺されるのも。
どんな感じなのか、知るのも悪くない。

愛する者を殺す感覚。
愛する者に殺される感覚。
知らない人間を殺す感覚。
知らない人間に殺される感覚。

どう、違うのか。

だけど、しちゃいけない。
自分が壊れても、それだけは。

だけど、それすら思えなくなったら?

狂った自分。
何も感じない顔で。
何も映さない瞳で。
手に持った、何かを掲げ・・・。

舞い散る鮮血。
事切れる、誰か。

見飽きた夢が、現実になる?

・・・それを、怖い。
と思わない自分が、また、怖い。


"解き放ってしまえ。"

"何も感じなくなるから。"

"解き放ってしまえ。"

"お前に光は似合わないんだから。"

2001年12月01日(土)
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