空虚。
しずく。



 発作。

最近、学校に行けない。
正確に言うと、出られない。だけど。
家を出て、電車に乗って、学校まで歩いて。
そこまでは、平気なんだ。
だけど、学校について、教室の椅子に座ると。
身体が震え出して、自分を保ってられなくなる。

学校、別になんでもないはずだった。
友達と話すのも、授業受けるのも平気だった。
けど、最近は本当にダメみたい。
発作みたいなのを起こすようになった。
授業が始まる前に、私はトイレに駆け込む。
胸元からカッターを出して、腕を傷つける。

そうしないと、倒れそうだから。
そうしないと、誰かを傷つけそうだから。

自分を、抑えるために。

2時間の授業が終わって、一回だけの休み時間。
あと2時間の授業を耐えるために、私はもう一回切る。

ちゃんと、私でいられるように。

今日は、数学が休講だった。
小説でも書こうかと思って、
音楽聴きながらノートを開いた。
そしたら、突然発作起こした。
書いてた小説と、聴いてた音楽が悪かったのかな。
廊下走って、トイレに駆け込んで。
荒くなった息と、速くなった鼓動鎮めて。
切ってた。学校着いた時に切った傷の上から。

私の腕は、本当に綺麗じゃない。
傷だらけで、血だらけで。大嫌いだ。

精神発作は、いつになったらおさまるのかな。


胸元に隠したカッター。

手で触れたらすぐに解かる硬質のそれ。

ここなら、すぐに取り出せる。

ここなら、すぐに傷つけられる。

ここなら、いつでも私を殺せる。

あなたは気付きますか?

笑顔の裏に隠された、何も感じぬ、冷たい刃に。



2001年11月22日(木)
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