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■ 過去。続。
小学校2年生の夏休みが終わった頃。 新学期が始まる、始業式の日だった。 私は、リビングで学校の準備をしていた。 私には一つ違いの弟がいる。 今日も、一緒に学校に行こうと思っていた。 だけど、登校時間になっても弟は起きてこない。 私が見に行くと、弟は布団をかぶったまま言った。 「学校に行きたくない。」 衝撃だった。
「子供は学校に行って当たり前。」 まだ「不登校(登校拒否)」 は認められていなかった時代だった。 (今は、認められてきていると思う。)
とにかく、慌てた私は親にその事を言った。 母も父も驚き、母が弟を説得しようとした。 けれど、弟は応じない。 たまりかねた父親が弟の部屋に入って・・・。
怒鳴り声。衝撃音。弟の泣き声。
私は凍りついた。 初めて感じた、"恐怖"だった。 男性の怒鳴り声が怖いのは、 多分この出来事がトラウマになっているのだと思う。
弟は、結局学校に行かなかった。 その日以来、彼は一度も学校に行っていない。
ずっと、誰にも言えない痛みを抱えていたのかな。 私、何も知らなかったね。 気付いて、あげられなかったね。 誰よりも、近い場所にいたのに。 ごめんね。 ダメなお姉ちゃんでごめんね。
今も、弟に対する罪悪感は消えない。
小学2年生。初秋。
父に対する"恐怖"が芽生えた日。 そして、"私"の人生が変わった日。
続。
2001年11月17日(土)
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