空虚。
しずく。



 段々。

"桐山に似てきたね。"

友達と談笑する愛さんの声。
部屋の壁に寄りかかってぼんやり聞いてた。
明日香さんはなんでいつも本読んでるんだろう?
思考は別のとこを巡ってる。

二時間目の、現代社会。
書き留めるだけの勉強中。
あきらが出てきたがった。

"切りたい。"

学校だから、ダメだよ。
それに、服が汚れたら、怒られるもん。

帰り道。
雲の間から、月が覗いてた。
いい気持ちじゃない。なんか、変な感じ。

家。
ぼんやり、ぼんやり。
今日もやっぱり、同じ夜。

逢いたくて、逢いたくてチャットに行った。
一番、大切。だって想ってる人。愛してる人。
その人のことだけは、認識してると思ったのにな。
やっぱり、感じなかった。多分"悲しい"はずなのに。

今日は自分の意志で半分。
やっぱり綺麗じゃない。ただ、紅いだけ。
もう自分の血見ても何も感じない。舐めても全然味しない。
傷だらけの、腕。まるで自分のじゃないみたい。
けど、自分につながってるから、自分のなんだ。
だったら、ちぎっちゃえばいいんじゃない?
身体から離れたら、ただのもの。ゴミ。だもんね。

(なぞるだけの言葉なんて、虚しいだけなのにな。)

2001年11月02日(金)
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