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■ われは草なり
勢いを増す草を足元に見た時、記憶の中から詩が甦りました。
われは草なり です。
われは草なり 伸びんとす 伸びられるとき伸びんとす 伸びられぬ日は伸びぬなり 伸びられる日は伸びるなり われは草なり緑なり 全身すべて緑なり 毎年かわらず緑なり 緑の己れにあきぬなり われは草なり緑なり 緑の深きを願うなり ああ 生きる日の美しき ああ 生きる日の楽しさよ われは草なり生きんとす 草のいのちを生きんとす
作者である高見順は 昭和38年56才の時に食道癌に侵され余命を知ります。 抽象的なものではなく現実のものとして死に直面し、入院中に「死の淵より」など胸に迫る作品を残します。
われは草なりはその後、死を受け入れた末に得た安定・静けさ・明るさの中で書かれたようです。
そのことを知り、この詩が多くの人の心に生き続ける理由が分かりました。 この力強さが何処から生まれたのかが分かりました。 "魂の叫び"だったからなんですね。 改めて感動しています。
2008年03月21日(金)
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