A Thousand Blessings
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2006年12月22日(金) 編集CD-R 【 の・だ・め 】

友人もブログでクラシック宣言!(なのかな?(笑))。
   ↓
「クラシックこそが、現在のぼくたちのリアルミュージックになりましたねー。
こんなに瑞々しく、目をキラキラさせてCDを聴ける。お教養主義にも権威主義にも、
みじんもひっかからずに、デートのBGMになるみたいに。」



その通りですね。「目をキラキラさせて」というところが大切。
クラシックを高級な音楽として特別扱いしている連中が絶対に到達できない
音楽の秘密の花弁から蜜を吸い取るのは、ボクラ。

「自由に楽しくピアノを弾いて何が悪いんですか?」
のだめの言葉を噛みしめて今日も聴く聴く、クラシック。

と言いつつ、DVD「バンプ・オブ・チキン/GUILD」を購入。
あとで観るのだ。楽しみ〜!





編集CD-R   sumita’s selection  2006.12.22



【 の・だ・め 】


1 モーツァルト「ピアノソナタ第8番」より第1楽章/リリー・クラウス(pf)

2 モーツァルト「ピアノソナタ第8番」より第1楽章/グレン・グールド(pf)

3 ラフマニノフ「ヴォカリーズ」/マゼール(指)ベルリン・フィル

4 プーランク「管楽器とピアノのための六重奏曲」より第3楽章
/ル・サージュ(pf)他

5 シューマン「マンフレッド序曲」/サヴァリッシュ(指)ドレスデン国立

6 ブラームス「ピアノ協奏曲第2番」より第3楽章/モラヴェツ(pf)他

7 ベートーヴェン「交響曲第7番」より第4楽章/C・クライバー(指)
バイエルン国立

8 エルガー「交響曲第1番」より第1楽章/バルビローリ(指)フィルハーモニア

9 プーランク「ピアノ、オーボエとバスーンのための三重奏曲」より第3楽章
/ル・サージュ(pf)他





タイトルは『の・だ・め』。あくまでも僕のイメージとしての“のだめ”ってことで。
漫画やドラマで紹介された曲もあれば、僕自身の“のだめ”的な部分を刺激した
曲もあり、とそれなりに面白い選曲。いつもの自画自賛。

モーツァルトをとっかかりにクラシックの世界に入っていくのは正解。
だったら、最初にクラウスとグールドを聴き比べちゃおう。
「のだめすごろく」のはじまり。どちらも完璧な演奏。甲乙つけるものではない。

ドラマでも使用されたセンチメンタルな名曲。
ラフマニノフを嫌悪しつづけたスーさんが、孤独に眠れぬ夜に負け、
amazonに注文したのはラフマのピーコン2番とヴォカ。

プーランクが書いた室内楽作品の最高傑作が『管楽器とピアノのための六重奏曲』。
楽器編成は、フルート、オーボエ、クラリネット、ホルン、バスーン、ピアノ。
メロディ・リズム・ハーモニーが完璧すぎるほどの調和をみせていても、
“書かれた音楽”という雰囲気が漂わないのは、音楽の根底にエスプリと
ジャズへの憧憬があるからだろう。
つまり、即興精神が息づいているのだ。

先日も書いた、我が人生の一曲、『マンフレッド序曲』。音大生のFちゃんが
「シューマンの管弦楽曲って、変なんだよ。曲の内声部が抜けちゃってるんだから(笑)」と。
僕がその意味を理解できたのは数年後。
どこか歪で天然な抜け具合のオーケストレイションを僕はずっと愛してるわけで。
シューマンも、“のだめ”だったわけだ。
僕にシューマンを教えてくれたお礼に、
僕は彼女にブライアン・ウィルソン(音楽史上最大の“のだめ”)を教えた。
が、結局理解してもらえず(涙)。

漫画『のだめカンタービレ』が何巻まで続くのは知らないが、
いつかはブラームスのP協2番で千秋と共演して欲しいな。
ギレリス(pf)ヨッフム(指)盤は永遠の名盤だが、先日、偶然聴いた
このモラヴェツ盤で僕の目(耳)は開かれた。
真面目にコツコツ音楽を聴いていれば、いつかはすごいものに
出会うことになっているのだ。これは世界の真実・宇宙の摂理。
ただし、オケはベルリンフィルに負けるが。エロ甘い第3楽章を堪能して欲しい。

テレビドラマ『のだめカンタービレ』のテーマ曲にもなっている
ベートーヴェンの交響曲第7番。
ドラマで使われているのは、第1楽章の途中(始まって4〜5分の部分)。
今回のCDRに収録したのは、第4楽章。
驚愕(!)のカルロス・クライバー(指)バイエルン国立のライブだ。
オケのバランスなんて端から考えていないクライバー。
鳴らせ!燃えろ!悶えろ!昇天しろ〜!
イ・・・イク・・・イクゥ〜〜〜〜(汗)ってなもんですわ。
クライバーも間違いなく“のだめ”だな。

そして、エルガーの交響曲第1番。無名な作品ではないが、万人に愛されているとは
とても言えない。僕は偏愛する。ドイツロマン派への憧憬がこのような作品を作らせたのだろうが、どこかバランスの悪いオーケストレイションゆえに、
この曲は永遠の2級品としての評価に甘んずることになるのだが、それのどこが悪い!と、僕は言いたくなる。21分間も続くこの第1楽章に散りばめられた
美メロの宝石の数々を拾い集めていくのだ。
彼女と。ベッドの上で。「すてき・・・ようちゃん・・」「君もさ・・・」

しかし、クラシックは僕にとってラブホのBGMなんだろうか?(笑)
だな。だな。ラブホのBGMは素敵だ。カラベリときらめくストリングスの
“ミスター・ロンリー”もショッキング・ブルーの“ビーナス”も
松田聖子の“天国のキッス”も、みんなある意味、ベッドの上の行進曲。意味不明。

最後は漫画『のだめカンタービレ』第14巻で結成されたヤキトリオが演奏した曲。
プーランクの室内楽の面白さは、リズムアレンジにある。このピアノは
まさに“のだめ”的フレーズの連発で、とにかく楽しい。
ということで、楽しい音楽でCDRは終わる。プーランクに興味がある人は
是非これ→を聴いてくだされ。




(12月11日 記)


響 一朗

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