A Thousand Blessings
2004年1月〜最新|ひとつ前に戻る|ひとつ先に進む
NOKKOの“人魚”■が特別なのは・・・ 筒美京平の90年代の最高傑作だからではなく、 NOKKOが歌っているという、その一点において「特別」なのである。
2分4秒、「あなた」の「た」。 2分17秒、「抱いて」。 3分13秒、「その胸が」の「が」。
偶然の産物であったとしても、これらの表現は やはりアーチスティックな意味において 高みに達した結果である、と言っていいと思う。
僕らは、そういう細かい部分にこだわって音楽を聴いていきたい。 つまり骨の髄までしゃぶってもらえることが 音楽にとっての幸福であり、またそういう音楽こそが聴かれる価値の あるものだと考える。
色気ではNOKKOを上回る安室 奈美恵ではあるが 今回のオリジナル完コピ・カバーバージョンを聴き終えたとき 残念ながら心に残るものは何もなかった。 「その胸が」の「が」に切実さは微塵もなく、あるのは濁った響きだけである。 安室 は大好きだが、これは明らかに冒涜だろう? avexの狙いも理解できない。頭が悪いのではないだろうか。 もうひとつ、耳も悪い。 オリジナルの価値を高めたことにのみ、意味がある。
響 一朗
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