A Thousand Blessings
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2006年02月13日(月) ポール・モーシャン「Garden of Eden」の感想をちょこっとだけ。。





すぐに連想したのは、かつてのウエストコーストジャズ。ジェリーマリガンあたり。
最初はクール・ジャズか?とも思ったが、もっと分かり易い。ヒットするのも頷ける。
ポール・モーシャンの新譜「Garden of Eden」。
冒頭のミンガスの“直立猿人”と2曲目の“グッバイ・ポーク・パイ・ハット”は
オリジナルの粘着質な部分を全て取り除いたかのような
風通しのいい演奏になっている。それがウエストコーストジャズを思い起こさせた
理由かも。
演奏もコンパクトにまとめられており、初めてジャズを聴く人にも
すんなり受け入れられるように「できて」はいる。2曲目まではね。
たとえば、ジャズでちょいと寛ごうとこのアルバムに手を出すと
おそらくドラムスを耳の一番遠くで聴くことになるのではないか?と思う。
一番近くで聴くのはサックスのハーモニーだろうな。
でもって、そういう聴き方はそれで正しいのであって、人間一番身を任せやすい部分に
もたれかかればいいので、僕はたまたま僕の背中を這いずり回るようなこの気色の良い
ドラムスに依存してしまうだけでね。

聴き進むうちに、だんだんモーシャンのドラムスがAECのドン・モイエ風に聴こえてきた。
これって見当違い?かなー・・・。
強烈にアフリカを感じてしまうのだ。ドラムスというよりはパーカッション。 

と書いたところで、最後にジミー・コブ風の技を見せつけて終わるあたりは
粋じゃないすか。この人は、聴き手を煙に巻くのがお上手。

結論。いいアルバムだ。曲はどれもポップだし
モーシャンのサウンドプロデュースもとっちらかった印象がない。
だからといってお行儀が良すぎるわけでもない。適度にインテリで適度に下世話。
両方にちょうどいいバランスで立っている。
衝撃的な部分は皆無だが、そのぶん味わい深い。年季がちがうしね。
もちろん「何に集中して聴くか」でお楽しみの度合いも質も随分違うが。

ひとつだけ残念なのは、ベースの存在感が薄いこと。
マーク・ドレッサーだったら?最近ジャズをあんまり聴いていないので
的外れかもしれないが(なんだか消極的だな(苦笑))
マーク・ドレッサーありでしょ?

突然、閃いた、モーシャンも年齢が年齢なので
キース・ジャレット、マーク・ドレッサーの二人と
トリオを組んで、後世に残る傑作を作ってほしいな。ほしいな。
この3人、接点あるんでしょうか?やっぱり的外れ?ですかね?






響 一朗

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