A Thousand Blessings
2004年1月〜最新|ひとつ前に戻る|ひとつ先に進む
人前ではけなしにくい映画がある。。 極めて世評の高い映画ね。 初めて見た時からもう大嫌いで、その後嫌い度は増す一方なんだが、 知り合う人間の多くがこの作品を評価してて、 飲みに行って映画の話題になると必ずこいつが出てくる。うざいったらありゃしない。 さすがに数年ほど前から話題に上らなくなったが。 「ニュー・シネマ・パラダイス」がその作品。 まあ、友人関係もある程度は大切なので、僕は酔ったふりをして話題には 参加しないようにしてたが。
尊敬する脚本家の山田太一さん■のエッセー集『誰かへの手紙のように』 を読んでいたら、森卓也著『映画 この話したっけ』の感想を述べている文章に 「ニュー・シネマ・パラダイス」が出てきた。おおー、僕と同じじゃん!、と 思わず声に出してしまった。
ちょっと引用します。
【中でもきわめつけは「ニュー・シネマ・パラダイス」評である。 私はこの世評高い映画を見た時、なんともバカにされたような気持ちになり、 こういう映画をいいと思う人は信用できないとひそかに思った。 手軽でセンチメンタルで甘ったれた作品だと感じた。 勝手な基準を作って、その尺度に合うか合わないかで人間を二分するなどという ことはとうにやめているつもりが「こんな映画にだまされる奴はロクなもんじゃない」と おさえようもなく思った。それだけ嫌らしさが濃いからこそ好きな人も多いのだろうが、 著者の否定の理由が素晴らしい。 私のように「思った」「感じた」などという我儘なゴタクではなく、 印象評めいたことは、一言もいわずに、作品の中の映写室の嘘に 徹底してこだわり、鮮やかに裁いている。 こんな真似のできる人は他にいないだろう。半端ではない熱狂の日々が あったからこその森卓也節である。 いや「あったからこそ」というのは、留保を要するかもしれない。 実のところ筆者の現在の醒めた熱中も相当なものである】
森卓也氏の著作を読むことを奨めるが、 森氏の指摘以前の問題として、つまり山田太一さんと同じ次元で この作品の嘘くさいヒューマニズム&センチメンタリズムの匂いに 鼻をつままずにはいられなかった。 山田さんも言っているように、僕もこの映画を見終えたとき ひどくバカにされたと感じた。同時に褒め称えた評論家や役者や映画関係者の 名前を手帳にひかえて、こいつら一生信用しないぞ、と思ったものだ。 実は僕の手帳には映画や音楽に限らず、あらゆること、それこそテレビの ワイドショーでおかしな発言をしたコメンテーターの名前まで、 細かくメモされている。これは僕の性格。やな奴でしょ?(笑) だから友達ができないんです。はい。
追記。
阪神優勝に大阪がバカ騒ぎしているとき、 我が中日ドラゴンズは密やかにサヨナラスクイズを決めてました。 そして今日、岩瀬が年間セーブの日本新記録を樹立! おめでとう!
しかし、思い返せば、あの試合。 岡田監督のひとことで蘇った久保田が投げた渾身のストレート。 中村のアンビリバボーなホームラン。 あれが全てでしたね。
さて、来年はドラゴンズ投手陣も若手が頑張りますぞ。 応援よろしく!!!じゃー!
響 一朗
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