A Thousand Blessings
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2005年07月19日(火) |
いま、会いにゆきます |
超絶大ヒットとなった映画「いま、会いにゆきます」を レンタル半額デーに借りてきた。3泊4日180円。 話題になっているものはとりあえず観る。
結論。 何とも薄ら寒い、日本映画の衰退を象徴するかのような超駄作。 衰退というより、手抜きというべきかもしれない。
脚本家、岡田恵和の限界は顕著だが、 むしろ罪が大きいのは原作の方かもしれない。 (読んでいないので断言は出来ないが) 日本で大ヒットする映画って、 どうしてこうも人間を薄っぺらく描いたものばかりなのだろうか? 人間はもっと複雑な生き物で、簡単にスケッチした程度の 観察では到底表現しきれない。
映画の最後の数分間、観客はある事実を知っていくことになる。 そこで多くの人は涙を流すという。泣けるか?何故、泣けるの?不思議。 チンケなセンチメンタリズムの垂れ流し以外のなにものでもない。 さらに言えば、ここで用いられたドラマ手法は、実にありきたりのもので 過去にいくつかの映画やドラマで使用されている。
客の感動の沸点が低いといってしまえば、それだけだが、 「この程度で感動しますよ、今の観客は・・」と製作者の呟く声が 聞えてきそうで、、、僕は怒りを超えて、 そんなものを観せられている観客に憐れみさえ感じてしまうのだ。
エンディングで、映画の低レベルに相応しいオレンジレンジの“花”が流れてきて 僕は反射的に停止ボタンを押した。
日本人って、こんな映画しか観なくなったのかなぁ・・・。虚しいね。
響 一朗
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