A Thousand Blessings
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2005年07月12日(火) |
タバコの煙を吸わされる |
一日セブンスター(のちにチェリー)3箱。タバコ依存症後期には、 さすがに体調を崩しマイルドなやつに替えたが、 それでも3箱のペースは変わらなかった。 60本。朝起きて出勤するまでにすでに5本は吸っている。 職場につくまでにさらに5本。タバコが吸える仕事だったため それから約10時間で25本は吸う。飯を食いに行ってさらに15本。 家に帰って10本。そんな生活を15年ほど続けた。
20歳から35歳までの話だ。 禁煙(というより絶煙)してから15年が経ち、タバコの煙を まったく受け付けない体にまで改善する事ができた。 今の職場は、9割近い人間がタバコを吸う。きちんとした分煙施設が ないため僕は「強制的に」煙を吸わされることになる。 吸わされる側の健康に多大なる悪影響を及ぼすのに、 今の職場では誰もそういう意識がない。 休憩室には当たり前のように煙が充満している。 その光景を「普通ではない」と感じる神経が麻痺している。
タバコを吸う権利は、もちろんある。 しかし、吸わない人間の健康を妨げる権利はないのだ。 これは同じ嗜好品でも酒とは大きく違う点である。 好きで吸っているんだから文句を言うな、というのは 大音量で音楽をかけて近所に迷惑をかけることと違わないのではないか? 電車内で、隣りの若造のウォークマンがうるさい!と怒るオヤジよ。 あなたの体中からヤニの匂いがしますぜ。
さて。僕が絶煙できた理由は、たった一回見た夢。 目覚めたその瞬間にタバコをやめた。もちろんしばらくは 禁断症状に苦しんだが、その後一度もタバコに触る事はなかった。 夢の中で僕は医者から肺癌を宣告された。 「もし、一年前に禁煙していれば助かりました・・・」と医者は言った。 絶望に打ちひしがれて目を覚ました僕は、何と、泣いていた。 残される両親のことを思って泣いていたのだ。 医者のたった一言で、僕は絶煙できた。あの医者はいったい 誰だったんだろう・・・。心から感謝している。
・’゜☆。.:*:・’゜★゜
で、すべて書き終わった後に気づいた。 僕も15年間、他人の迷惑を顧みなかったわけだ。 その反省として絶煙したのではなく いわば偶然によってそうなったのだから、 今の僕の考え(迷惑喫煙者への批判)は過去の自分を棚にあげていることに なるかもしれない。 確かにね。でも、今はタバコの害悪と迷惑を認識しているから 良しとしてほしいのだが、。
響 一朗
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