A Thousand Blessings
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2004年10月31日(日) 見殺し国家

テロ組織は香田さんを自衛隊の隊員だと思っていた。
ならば、何故、日本政府は積極的にメディアを使い、
彼は自衛隊とは無関係の単なる旅行者であることを訴えなかったのか?
小泉首相は今回の事件が起きた時
開口一番「テロには屈しない」と発言した。
それは「人質が殺されるのは仕方がない」という意味であると僕は捉えた。
つまり、自国民を切り捨てた瞬間なのだ。
小泉首相の発言がテロ組織に届いていたかどうかは分からないが、
少なくとも我々日本人の耳には届いている。

ある中東問題の専門家がテレビで語っていた。
「自国民ですら救おうとしない日本政府に
我々イラク人を救う意思があるとはとても思えない、と
イラク人は考え始めている」。

アメリカの攻撃によるイラクの民間人の死者は10万人を超えた。
ブッシュらによって始められたこの恐るべき大量殺人行為
に加担してしまった日本政府は、今回の「テロには屈しない」という
姿勢に対しブッシュからお褒めの言葉をもらったと聞く。
小泉首相もやることはやったと思っているかもしれない。
しかし、よっぽどの節穴でなければ、やることはひとつも
やらなかった、とこれほどはっきり見えている事件も珍しいだろう。

世間は愚かな若者をクールに批判する事で
現実から無意識に目を背けようとしている。
この事件はスタート時点から、そのような不幸な孤立無援の
状態に置かれていたのだろう。
見殺しにされた若者は、それほど世間から鞭打たれる罪を犯したのか?

もしも、国内でバスジャックが起きた時、
「我々はバスジャックのような卑劣な犯罪には屈しない」と
犯人に向かって言うバカはいない。
乗客の命を救うために、犯人と交渉をする。
それと今回の事件はどこが違うのか?

ブッシュの目が気になってそれが出来なかったと
堂々と言ってしまえよ。
自衛隊派遣を今でも正しかったと信じこもうとしている共犯者、小泉さんよ。

まとまらない日記で申し訳ない。


響 一朗

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