A Thousand Blessings
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2004年07月01日(木) |
上昇志向のサラリーマンには、藤沢周平も阿部昭も武蔵野タンポポ団も理解出来ねーだろーな。 |
僕が勤務する支店の責任者は、まだ30歳という若さだが、 部下を呼び捨てにする。 「おい!山田ぁ〜!例の書類提出しろー!」ってな感じでね。 僕のような中年から見るとそういう姿はおぞましい以外の 何ものでもない。 支店長はそういう態度をとってサマになるほどの求心力も風貌も 持ち合わせていない。 ただひたすら会社の上層部から言いつけられたことをそのまま実行 しているだけのイエスマンだ。いわば社畜である。 「おまえらも部下を呼び捨てにしたいだろ?頑張ればできるんだよ! さあ、支店長目指して死ぬ気でやってみろ!」という会社の教育方針 は、単純な思考回路しか持ち合わせていない連中の上昇志向に 拍車をかける。ウハウハなのは会社だけ。社員はヘロヘロだ。 支店長になれるのはほんの一部、さらにその上まで出世できる可能性は ほとんどない。 それでも、そこを目指す。阿呆の軍隊。 右向け〜右!ぜんたーい!前へすすめー!! ザックザック・・・・・ザックザック・・・。
会社は恥ずべき事を平気でやってのける。 世間の良識などものともせずに突き進む。 いつかは失速するであろうが、今は、まだそれが見えていない。 それが愚かというのだ。 会社の色に染まらないようにと、僕は他人が思う以上に必死だ。
最近、さすがに僕も職場で浮いてきた。 若い連中との価値観の違いは歴然たるもので、 彼らに僕が合わせるか、彼らが僕に合わせるか、 どちらも無理だということがようやく分かってきた。 遅いって? 会社を辞めることが何でもなかった若い頃とは違って、 50歳も近くなると退社には膨大なエネルギーが必要になる。 退社=新たな就職なわけで、このご時世では職探しも簡単ではない。 悩む。ひたすら悩む。
佐高信・著「司馬遼太郎と藤沢周平」を読んで、一気に藤沢周平の 世界へ。 僕は、生涯の作家をどうやら見つけたようだ。 「風の果て」(上)(下)から読み始めた。 あっという間に100ページを読み進み、出会えたな、と確信した。 これからの人生は藤沢周平と共に歩んでいこう。 佐高の指摘する「司馬遼太郎の問題点」には大いに共感。 ぜひ一度読んでみたら。
阿部昭「18の短編」(廃刊)より「言葉」「天使が見たもの」「自転車」 を読む。何十回目かな。 ビーチボーイズの「ペットサウンズ」並みに僕が愛する作家だ。 読み終えて、自分に子供がいなかったことが、 人生の大きな欠落であったことを実感する。 子供から学ぶもの、子供から与えられるものは多いんだろうな・・。 もちろん育てるっていうことは、簡単ではない。 それは弟夫婦を見ていればわかる。 しかし、3人の子供に恵まれた弟を羨ましく思う。 あいつのこれからの人生には家族があるのだから。
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「武蔵野タンポポ団BOX」(2枚組)を購入。 1972年。高田渡、シバ、友部正人、若林純夫、山本コータロー、 村瀬雅美、岩井宏、村上律、中川イサト、福岡風太によって結成された カントリー・ジャグバンド。 スタジオ盤はなく、ライブ音源のみ。 中津川フォークジャンボリーでのライブは、とにかく楽しい。 非常にいい加減な演奏ではあるが、型にはめられていない 自由さを感じさせ、聴き手のこころをやんわりとほぐしてくれる。 商業主義の生産ラインに乗ってしまったその後の音楽シーン からは、第二の武蔵野タンポポ団は現れなかった。 彼らの音楽を求める聴衆がまだ大手を振って歩けた 70年代の前半は、やっぱり健全だったとつくづく思う。
響 一朗
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