A Thousand Blessings
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2004年06月27日(日) |
ブライアン・ウィルソンのニューアルバムは、、ちょっと、ね。 |
ビートルズの「ラバーソウル」を聴いたブライアン・ウィルソンは 衝撃を受け、ビートルズを打ち負かしたい一心で「ペットサウンズ」を 制作する。 その「ペットサウンズ」にとてつもない影響を受けたビートルズ(特に ポール・マッカートニー)は、「サージェント・ペパーズ」という形で ブライアンにお返しをすることになる。かなりきついお返しだった。
しかし、もしもブライアンの創作活動が「ペットサウンズ」以降も何の支障もなく続いていたら・・・。 「サージェント・ペパーズ」発表の前にブライアンは「スマイル」を完成させていただろう。 そして、それはビートルズにかつてないほどの衝撃を与えていたに違いない。 それを糧としてビートルズはさらなる高みへと登りつめていく。 さらにブライアンも精進していく。切磋琢磨の歴史がはじまるのだ。
そのような健全なライバル関係の可能性がすべて断ち切られてしまったわけだ。 ブライアンはまだ20代の半ばだった。若すぎ!
「ペットサウンズ」から約40年。 ブライアンは、十分に歳をとった。 ポール・マッカートニーも歳をとった。
そんな二人が、ブライアンのニューアルバム「ゲッティン・イン・オーヴァー・マイ・ヘッド」で一曲だけ共演している。 驚くほど瑞々しいポールの声に対して、ブライアンの声は 音程も震えがちでどこかぶっきらぼうだ。 そんなブライアンがたまらないという人もいるだろう。 人生の重みを感じるという意見に反論する訳ではない。
でも、でもねー・・・。 違うんだよねぁ・・・。どうしても今のブライアンの声や歌い方に 馴染めない。大好きで大好きで大好きでたまらないブライアンゆえに 僕は、「駄目」なのだ。
ニューアルバムとは言っても、お蔵入りしていた曲の新録音がほとんどである。 どんな大物をゲストに持ってこようが、カールと涙の共演をしようが、 元気いっぱいのブライアンの声が聴けようが、バンドが素晴らしい演奏をしようが、僕にはのめりこむことは出来ない。 これがブライアンだと若い人に思われたくない、という 気持ちが強いのではないか?
秋には「スマイル」が新録音ではじめて公式に発売される。 ポップス界にとっても僕にとっても大事件なのだが、 一抹の不安は、声。 あの声に拒否反応を起こして、せっかくの「スマイル」を 堪能できないのではないか、、と・・・・。 ああ・・・・なんで、なんで、「スマイル」は発表されなかったの?! 痛恨の極み。
響 一朗
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