A Thousand Blessings
2004年1月〜最新ひとつ前に戻るひとつ先に進む


2004年03月12日(金) 誰も知らない「東京Qチャンネル」、割と知られているが廃盤の「かの香織」。嗅覚なしの僕って。

1996年に発売された東京Qチャンネルという2人組の“素直なままで恋を
しようよ”という曲を覚えている人がいるだろうか?
いねーな。
シングルCDを整理していたら出て来た。
おお!これは名曲だったんだ!とひとり声を出した僕。
実際に非常にいい曲。何よりもヴォーカルの女性が上手い。
声も何とも魅力的だ。ルックスはどうだか知らないが、
少なくともこんなにキュートな声はザラにはない。
高音に伸びていくとき、ドキっとするほどカワイイ。
その後、このグループの消息は知らない。
グループ名が悪かったのでは?
東京Qチャンネルじゃぁ・・ねー・・。この娘は今、どこに?
そもそも何ていう名前なの?

こちらはずっと有名なシンガーだが、かの香織(cano caoli)
という女性がいる。
かつて僕が心底夢中になった女性シンガーだ。
残念ながらアルバムを手離してしまった。
おそらく坂本真綾の超傑作デビュー作「グレープフルーツ」に勝る
名盤であろう。ああ・・・聴きたいよ〜^。
でもって、マキシシングルは数枚持っているので、「エキストラ・ブライト」の
中の2曲は聴ける。
“空のアンテナ”と“青い地球はてのひら”。
どちらもかの香織の魅力全開の素晴らしい曲だ。
しかしアルバムには決定的な名曲が収められているのだった。

“太陽の理由”がその曲。
これは日本のポップス史上に燦然と輝く大名曲!!
何故かシングルカットされなかった。
アルバムの冒頭に収められている。そして2曲目が“空のアンテナ”、
3曲目が“青い地球はてのひら”。
必殺の三段攻めである!
“太陽の理由”があるから“空のアンテナ”が感動的なわけなので、
“空のアンテナ”だけを聴いても感動は半分以下になってしまう。
アルバムの曲順とはそれほど大切なものなのだ。

「エキストラ・ブライト」に続く「裸で会いましょう」というアルバムもいい。
“午前2時のエンジェル”という決定的な曲が収められている。
“魔法にかかれ”と“夏よ風よ”もいい!
“夏よ風よ”のマキシシングルに収められた、
“cut and cut(1995mix)”での宮田繁男のドラムスと
菊地成孔のソプラノサックスはめっちゃイイぞ!
空を駆けていくような演奏だ。
しかし、かの香織が良かったのはここまで。
それ以降、おフランス趣味的な世界へと彼女は旅立ってしまった。
僕には全く興味のない世界だ。
もし、「エキストラ・ブライト」でブレイクしていたら、
ポップス路線を驀進して行ったかもしれない。
売れないという事は、趣味的な世界に引きこもらせてしまう事がある。
しかも、「かの香織が考える」フランス的な音楽は、
あまりにも「雰囲気的な」趣味の世界で厳しさに欠けるので、
深みに欠けてしまうのだ。
所詮、ブリジッド・フォンテーヌにはなり得ないのだ。


突然だが、14〜5年前から僕の嗅覚は壊れている。
耳鼻科でも原因は分からないそうだ。
一年のうち、約9割近くは、何も匂わない。
そういう生活を続けている。
タバコの匂いも、季節の草花の匂いも、トイレの匂いも、
8/4の匂いも、自分のオナラの匂いも分からない。
食事の時、100%舌に委ねなければ
ならない、という点がちょっと問題だ。
匂いがないために、甘いとか辛いという味覚が異常に敏感になってしまっている。
味付けのいい加減な飯屋でよく腹を立てることがある。
目が不自由な人の聴覚が発達するのと同じ理由かもしれない。
グラタンもラーメンもカレーライスも焼き肉もご飯も匂わない。
見た目と味覚だけで味わう。
これが悲しいことなのかどうかは分からないが、
嫌な匂いを嗅がなくてもいい、という利点もある。
車のガソリンの匂いが苦手で、昔は随分それが原因で酔ったが、
最近で全く酔わなくなった。
大嫌いなタバコを隣りで吸われていても気にならない。
非常に困ったことが3回だけあった。
台所で鍋を火にかけっぱなしで、隣りの部屋へ引っ込んで約一時間、
煙が部屋に入ってきてようやく鍋がほとんど「真っ赤に燃えている」ことに
気付いた。柄の部分の木が炭になっていた。
煙が目にしみるまで気がつかなかったのだ。
同じ経験を3回した。これは怖い。

9割匂わないということは、1割は匂うということだ。
秋から冬にかけては何故か匂う。
淋しい匂いだけを感知できる鼻なのか?悲しい鼻だな、やっぱ。


今日のBGMは、友人にトーストしてもらった
菊池雅章の「メランコリー・ギル」。
現在廃盤中。名作「Love Song」ともども再発すべし!今すぐ!!
今すぐだ!!!



響 一朗

My追加