A Thousand Blessings
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2004年03月08日(月) |
シカゴ・アンダーグラウンド・トリオ。高田渡。デレク・ベイリー。あやや。クレイジー・ケン・バンド。ナンシー関。ちゃんこ鍋か? |
信頼できる友人をひとり持っているのはいい事だ。 友人のT氏は僕の趣味嗜好を完璧に理解している。 そういう点からも絶対に信頼できるのだ。 名前を聞いたことがないアーチストであっても、 「これ、いいですよー聴いてみません?」と僕に言ったその瞬間に そのアーチストはもう僕のお気に入り当確になっている。 彼は、僕とは違う音楽鑑賞の道筋をたどってきた。 もちろん共通の好みのアーチストは極めて多いが、 お互いに聴かされるのが初体験というアーチストも多いのだ。 ということは、二人の守備範囲を合体させれば、とんでもない広さを 網羅する事になり、これはすでに我が国では無敵ではないか?と さえ思えてくる。(これは中年の妄想ではないぞ)
というわけで、本日某CDショップにおいてCDを3〜40枚処分し、新しいCDを 数点購入してきた。(処分〜購入〜処分〜購入を繰り返しているので ちっとも在庫が増えない) なかなかいい物を手に入れたと、自己満足しきり。
僕は一日の小遣い100円。多いときでも200円なのだ。 弁当と冷凍庫で凍らせたペットボトルの麦茶を 持って職場に行くので、使うのは缶コーヒー代だけ。 タバコは10年前にやめたし、外には飲みにはいかないし。 こういう生活をしてでもCDを購入するのが男ってもんですぜ!兄貴! 仕事仲間ともうまくいかねーし、そもそもその仕事自体も どうなるかわからない不安定な状況で、信じられるのは 音楽しかないでしょ?
で、今日の収穫は。
「菊地成孔×コンボピアノ/10ミニッツ・オールダー」 「シカゴ・アンダーグラウンド・トリオ/スロン」 「Tomasz Stanko Quartet / Susupended Night」 「Carla Bley /Selected Recordings ECM」 「Derek Bailey & Joelle Leandre/No Waiting」 「ヴィジェイ・アイヤー&マイク・ラッド/何語で?」 「トータス/イッツ・オール・アラウンド・ユー」 「降神(おりがみ)/望〜月を亡くした王様〜」
シカゴ・アンダーグラウンド・トリオの「スロン」を聴いた。 どこかの雑誌に『1曲目はいきなりのフリージャズ』と書いてあったが これはフリージャズとはちゃうやろ? まあ、そんなことはどうでもいいのだが、 相当な傑作アルバムである事は間違いないが、 なかなか音を説明しづらい。 言葉で語ると、散漫な印象のアルバムというイメージを与えかねない。 とにかくいろいろなことをやっているが、基本的にはやはりジャズである。 ドン・チェリーばりのコルネットプレイも電子音もノイズもSEも打ち込みリズムも その他すべての音楽的要素が、全くの思いつきや偶然で作られてはいない、 と思わせるところがスゴイな。 聴いていてこれほど楽しい事はないし、聴きこむほどに 深みにはまっていきそうな音楽だ。
で、ここで突然松浦あややの“奇跡の香りダンス”、クレイジー・ケン・バンドの “GT”と“まっぴらロック”と“タイガー&ドラゴン”を聴く。 ポップスの過去と未来を一瞬にテレポーテーションするような音楽たちだ。 酒が美味い。 明日は仕事か・・・。。一瞬頭をよぎる。このままどこかに引き込んで 一生音楽を聴いていたいという強烈な欲求に襲われる。 登校拒否(通勤拒否か)の前兆か?ヤバめ。
で、また突然、URCレーベル会員制時代の第一回配布アルバム 「高田渡/五つの赤い風船」(1969年)を聴き始める。 ここでの高田渡はまだソロデビューはしていない。よって実況録音盤に なっているが、これが何とも楽しい内容だ。 観客の反応、特に女性の反応が爽やかで実にいい! こういう歌に素直に反応していた女性がかつて日本にも いたのねん。
「事だよ」「現代的だわね」「自衛隊に入ろう」「ブラブラ節」 「しらみの旅」「あきらめ節」「冷やそうよ」 高田渡は全7曲。(五つの赤い風船は全9曲) 駄曲はなし。すべて聴かねばならない。 ちなみに五つの赤い風船も相当なもの。 かなりのサウンド志向である。
『日本の平和を守るためにゃ 鉄砲やロケットがいりますよ アメリカさんにも手伝ってもらい 悪い ソ連や中国をやっつけましょう
自衛隊じゃ 人材求めてます 年齢 学歴は問いません 祖国のためなら どこまでも 素直な人を求めてます』 “自衛隊に入ろう”
消しゴム版画家・ナンシー関女史(故人)の著作集を電車の中で 読みふけっている。僕の文章の書き方にも影響が出始めている(笑) テレビに映し出される者や物を片っ端から鋭く批判していく。 いちいち頷く僕。 現在入手可能なのは文庫本で8冊。角川文庫。
「何がどうして」「何もそこまで」「何をいまさら」「何がなんだか」 「何の因果で」「信仰の現場」「ナンシー関のボン研究所」 「ナンシー関の顔面手帖」
「芸能人」ではなく「芸能界人」と呼ぶナンシー関を全面支持。
つづいて、「Derek Bailey & Joelle Leandre/No Waiting」をかける。 今日の締めの音楽だ。 デレク・ベイリーはもう70歳を過ぎているのかぁ・・。 相手のジョエル・レアンドルは女性ベーシスト。 デレク・ベイリーの演奏はスピーカーではなく ヘッドフォーンで聴くに限る。 弦を擦る全ての音を聞き逃さないために。 こういう音楽をこころから美しいと思えるようになったのは 40歳を過ぎてからだ。 頭ではなく心で聴くようになった時期と重なる。 デレク・ベイリーは手の届くところにおいて置かなくちゃいけないな。 おやすみなさい。。。。
響 一朗
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