A Thousand Blessings
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2004年02月29日(日) |
試聴機で鑑賞数点。ソニンの新曲。レジデンツのDVDとアルバム。 |
HMVの試聴機で何枚か鑑賞。
「キリンジ/ライブ・イン・武道館」
このグループの最大の欠陥は、ヴォーカルにある。 発声がこもる。というより歌が下手である。 下手はまだいいのだが、感情がこもっていない(ように聴こえる)。 これは、カルロス・トシキ以来である。 武道館ライブの評判がいいので、試聴したが、バックの立派さに対して ヴォーカルが安っぽすぎ。ステレオタイプのサウンドも そんなに評判ほどすごいか?
「つんく♂/Take 1」
まず、選曲が理解不能。 モー娘。あややに書いた曲のセルフ・カヴァーだが、 何故に、“ここにいるぜぇ!”なの? “Mr.moonlight 愛のビッグバンド”なの? “草原の人”なの?? すべてつんく♂のカヴァーはお手軽な安っぽさ丸出しになっている。 軍鶏を絞めたような歌い方も気になる。 ソングライターとしての決定的な評価に染みをつけるような事はすべきではない。 裏方に徹することが出来なくなってきたか?つんく♂。 モー娘。解散間近説も何となく信憑性がありそう。
“モーニング娘。おとめ組/友情”
駄曲。しかし今ラジオのチャートでは2位だとか? 半分にしたモー娘。の実力は半分以下になる。 痛々しいほど歌が下手。いつもは気にならない下手な歌がやたらと気になる。
“モーニング娘。さくら組/さくら満開”
駄曲。しかし今ラジオのチャートでは1位だとか? 以下、同文。
さくらで思い出したが、大ヒット中の河口恭吾の“桜”が 徳永英明の“僕のそばに”にそっくり(というより同じ?)だったのには笑ったなぁ。 河口の歌詞も「僕の〜そばに〜おいで〜」だしね。メロディーもそのまんま。 ヤバイでしょ?さすがに。まあ、どちらもどうでもいい曲だが。
試聴機に入れてもらえなかった ソニンの新曲“ほんとはね”を購入。家に帰り早速聴く。 おっそろしくつまんねぇ〜曲!! クレジットを見てびっくり。作詞・作曲はつんく♂じゃない。 より子というシンガー・ソング・ライターの曲のカヴァー。 名曲と言われていると、より子のオフィシャルサイトに 書いてあった。はぁ〜、どこがぁ〜〜???!名曲だぁ? 才能がないというのは悲しい事だ。 ソニンは果たして、つんく♂の元から羽ばたいていったのか、 それともリストラされたのか。 どっちにしても、このままじゃソニンは終わるぞ!危機感を感じるほどの 駄曲だ。ヒットするかどうか以前の問題だ。 面白かったのはPV。 電車の中にピアノを持ち込み乗客に混じって歌うという発想は、いつもの ソニンのPVらしくて笑えた。
「うちのお父ちゃん、レジデンツのメンバーなんやで〜!」 「うそやぁ〜!」 「うそやあらへん!母ちゃんがゆうてたわー。 “内緒にしときや。お父ちゃんはな、レジデンツのメンバーなんやで。 驚いたやろ?ずっと内緒にしてたさかいにな。でもなお父ちゃんには黙っときや” ゆうてたわー」 「やっぱレジデンツは普通のおっちゃんなんやねー。 それはきよちゃん、お父ちゃんにゆうたらあかんよ。公務員ってことにしときや。 お父ちゃんも恥かしいんやさかいになー。」 「そないなこと、死んでも言えへんわー」
レジデンツの名作(らしい、未聴なので何ともいえないが) 「デーモンズ・ダンス・アローン」のステージを収録したDVDが発売された。 早速購入。これがもう面白すぎ。この面白さを伝えられないのが残念。 全員、かぶりもの。演奏は下手ではない。 さらに、雰囲気は6〜70年代の前衛舞台芸術風。これがどうにも時代遅れで いかしているのだ! 客の真剣な眼差しもどこか怖い。 女性ヴォーカリストもいる。 1971年デビューだから、メンバーチェンジしていなければ 少なくともメンバーの年齢は50代半ばには達しているはず。 ぶっ飛んだおやじたちだ。 フォーカスの合わない画面、激しくパンするカメラ、 かぶりものをしたメンバー自身が照明を持って演じる。 ちなみにドラマーはいなくて、マレットをもったメンバーが 安そうな卓上ドラムマシーンを叩いている。お手軽感が何ともいい。 しかし、楽しめない人にはこれほど楽しくない音楽・舞台もないだろう。 1曲ごとに暗転しフェイドアウトしていく「編集」が極めて変。 ひとつとして心に残るメロディーもなく、 音楽的な新しい発見もないのに、観終えた後、こんなに満足してしまう 理由がわからない。理由があるとすれば、 「これがレジデンツである」という一点だけか。
そんなレジデンツの幻の「ワーナー・ブラザーズ・アルバム」が メンバー自身のリミックスで発売された。 まだ名前すらなかったグループは、演奏が収録された録音テープを ワーナー・ブラザーズの重役に送った。1971年のことである。 しかし、そのテープは残念な事に送り返されてきた。 テープには住所だけで差出人名が記されていなかったために、 重役は仕方がなく、「居住者(レジデンツ)へ」と書き送り返した。 そのレジデンツがそのままグループ名になるのだが。
それから30数年を経て、ついに幻のテープが発売された。 今、聴き終えて書いているところである。 僕はそれほど熱心なレジデンツファンではなく、アルバムも 聴いた事があるのは5〜6枚程度だ。 しかし、彼らの音楽の面白さは十分に理解しているつもりだ。 ったのだが、、今回の「ワーナー・ブラザーズ・アルバム」の度を越した 面白さと先鋭性には完全に脱帽である。参ったなぁ・・というのが 正直なところだ。 本当にあっという間に、44分間を聴き終えてしまった。 1秒たりともダレる部分がない。全ての音に意味があり、 すでに驚くべき完成度を誇っており、極言ではなく ザッパの次に位置する前衛性を、レジデンツという名前もまだない グループが持ち合わせていたという事実に言葉もない。
リミックスによって、オリジナルとはある程度は異なる印象になっているのは 間違いないだろうが、それでも多くの部分、 特に音楽的発想はオリジナルそのものなのだから、すごいことだ! 1971年にすでにこのようなジャンルを「はるかに」超越した音楽があり、 それが30数年間も日の目を見なかったなんて。 この演奏テープを理解できなかった重役を責める事はできない。 誰にも理解できなかったはずだ。メンバーを除いては。
本当に買ってよかった!!感謝!感謝!!
響 一朗
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