A Thousand Blessings
2004年1月〜最新ひとつ前に戻るひとつ先に進む


2004年02月27日(金) 「smile」を忘れていなかったブライアン・ウィルソン。

部屋の明かりを消して、先日も書いたテザード・ムーンの新作
「エクスピリエンシング・トスカ」を聴く。またしても至福のひととき。
ジャズ・ピアニストの菊池雅章のグループだが、
70歳を超えたドラマー、ポール・モチアン(モーシャン)のプレイが
とにかく素晴らしいとしか言いようがない。
これはもう名人芸というべきもので、リズムとは何ぞや?という質問に
リズムとはポール・モチアンが創り出すものだ!と即座に解答したくなる
ほどである。
華々しいキャリアをもちながら、依然現在進行形のドラマーであることに
心から敬意を表したい。
ゲイリー・ピーコックのベースプレイも同様に素晴らしい。
今年のジャズの目玉となる作品であろう。聴くべし!聴くべし!聴くべし!


でもって、ここからが本題。


以下の文章は分かる人だけに向かって書かれているので、
あえて注釈や説明は省きます。っていうか、日記だからいいのか(笑)

ブライアン・ウィルソンがロンドンを皮切りにツアーを始めた。
ツアータイトルを聞いて座りションベンするなよ!
『スマイル・ツアー』だ!どうだ?参ったか?!
僕は座りションベンをしたぞ。

ロック・ポップス至上最も重要なアルバムになるはずだった
「SMILE」を生で演奏しようとするのだから、
というより、すでに生で演奏されて観客の度肝を抜いているのだが、
これはとんでもない事である。
想像もしなかった出来事と言ってもいいだろう。
何よりも重要なのは、このツアーがブライアン自身の「意思」で
行なわれているという事実だ。
意思なんだぞ!意思!!

このツアーは、おそらく誰もが永遠に封印されたと諦めていた
「SMILE」のリリース(!!)という大事件に繋がる前奏曲と言えないだろうか?
「SMILE」のリリースがどれほどの大事件かと言うと
(いかん説明モードに入っとる)、「サージェント・ペパーズ」と
「マジカル・ミステリー・ツアー」の間に超先鋭的な作品があり、
それが初めて全貌を現わしたくらいの大事件だ。
中山康樹氏よ、あなたは「SMILE」はもう必要ないとおっしゃったが、
ブライアン自身が必要としているんですよ!もう、これは平伏して
ありがたく頂戴するしかないでしょ?

ああ・・・どうしよう、「SMILE」がリリースされたら、
しかもプロデュースがヴァン・ダイク・パークスだったら
どうしよう・・・!
いや、待てよ。オリジナル演奏で発売するのだろうか?
すなわちビーチボーイズとして。
ビーチボーイズはすでに「存在しない」のだ。少なくともブライアンにとっての
ビーチボーイズは存在しない。
過去を振り返らないブライアンだ。おそらく、新録音だろう。
今のツアーメンバーは最高なので、演奏は文句ない。
問題はブライアンの声だ。『ペットサウンズ・ツアー』での
ブライアンの声に「感じなかった」僕は、果たして新SMILEに感じることが
できるであろうか。
“surf's up”のあのカール・ウィルソンの声が頭にこびりついて離れない僕は
ブライアンの今の声を受け入れられるだろうか?

ああ・・・どうしよう。心配だ。
もっと心配なのは、このままで終わってしまう事だ。
ツアーのライブ盤だけじゃ、嫌だ。
僕はブライアンの「スタジオ・ワーク」を聴きたいのだ!
やはり彼の天才が最も発揮されていた「あの時代」の「あの録音」で聴きたい。
ブライアンよ!あと一歩だ!
副調整室のミキシング・コンソールの前に座ってくれ!

1 Prayer
2 Heroes And Villain
3 Do You Like Worms
4 Barnyard
5 The Old Master Painter/You Are (Were?) My Sunshine
6 Cabinessence
7 Wonderful
8 Child Is Father Of The Man
9 Surf's Up
10 I'm In Great Shape
11 I Wanna Be Around/Workshop
12 Vegetables
13 Holidays
14 Wind Chimes
15 Mrs O'Leary's Cow
16 Water/I Love To Say Da Da
17 Prayer (Reprise)
18 Good Vibrations

以上が、『スマイル・ツアー』で演奏された「SMILE」全曲だ。
眩暈がしてきた・・・・・・。




響 一朗

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