A Thousand Blessings
2004年1月〜最新ひとつ前に戻るひとつ先に進む


2004年02月09日(月) 五つの赤い風船「ゲームは終わり」のはじまり

1972年にフォークグループ・五つの赤い風船は解散した。
若い人はまったくご存知ないだろうが、素晴らしい個性を持ったグループだった。
当時、僕は高校2年生だった。
深夜放送で解散コンサートの演奏を聴いた記憶がある。
何故だか当時はそのコンサートの3枚組のレコードは購入しなかった。
おそらく小遣いが無かったのだと思う。
30年経って、アマゾン通販限定発売のURC盤を購入した。
今、聴きながら書いているが、一気にあのころに戻った気がする。
五つの赤い風船というグループを自分の中で美化しすぎていた気もしたが、
改めて聴くとやはりこのグループは極めて音楽的に質の高いグループであったと思う。
政治的な主張の部分には若干の甘さがみられる。しかし、
それでも今の若者には望むべくも無い部分ではある。
青臭い主張であったとしても、主張していたという事実には感動を覚える。
それだけ僕も歳をとったということかもしれない。

リーダーの西岡たかしはその後ソロシンガーになったが
このグループで彼が書き残した数々の作品以上のものは
結局作り出せなかった。燃え尽きてしまったのだろう。

今という時代こそ、若者が青臭い主張でもかまわないから
国家に対して物を言うべき時なのに、誰も何も発言しない。
それどころかそういう主張をカッコワルイという風に考える風潮すらある。
歌謡曲には無理だとしてもロックやフォークなら、
それが可能だと思うのだが、目立った動きはない。
30年経ったら、彼らは後悔すると思うな。
いや、それほどの正義感を持ってはいないか?

「これが僕らの道なのか」と、五つの赤い風船は歌っていた。


響 一朗

My追加