A Thousand Blessings
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2004年02月07日(土) |
思い出はBGMと共に・・・。 |
会社の事務所で、万引きをした女子高校生が私服警備員の 取調べを受けている。そこに知らせを聞いた母親がやって来た。 うつむく娘の姿に気付くと、怒りで体を震わせながら娘の前に走り寄り、 いきなり頬を叩いた。 パシッ!という音に事務所内の全員がその親子を見た。 ほんの一瞬の出来事だが、完全な無音がその場を支配した。 有線でかかっていた曲を除けば。 ポルノグラフィティの曲がかかっていた。曲名は知らないが、どうでもいい曲だ。 しかし、その娘にとっては一生心の片隅に残りつづける曲になるだろう。 その曲を耳にするたびに、悲しそうな母親の表情を思い出すだろう。 (といいつつ、そんなタマではない気もするが)
僕が高校生の頃、親友と文化祭でレコード・コンサートを DJ形式でやろうということになった。選曲を二人でしているとき、彼が言った。 「拓郎の“どうしてこんなに悲しいんだろう”を入れよう!」 もちろん賛成だった。大好きな曲だ。 親友は歌いだした。ところがある箇所に来ると彼はおかしな歌詞を歌いだした。 「ひとりごとです〜♪ 君と寝ないで〜♪」 君と寝ないでって・・・お前・・・。 正解は「ひとりごとです〜♪ 気に止めないで〜♪」 親友はそのときまで「気に止めないで」を「君と寝ないで」だと思っていたそうだ。 歌詞カードくらい読めよ。 第一、意味が伝わらんだろうが?! 親友は「君(ガールフレンド)と寝ないで」友人関係を続けようとしている男の姿を 思い浮かべたそうだが、それでも意味は通じない(笑) 今でもこの曲は好きで時々口ずさむが、つい「君と寝ないで」と 歌いそうになる、、、、訳はない。
そういえば拓郎は親父さんが亡くなった晩に はっぴいえんどの“風をあつめて”を聴いて泣いたそうだ。 以前、ラジオでその話をし、曲をかけた。 その放送を聴いて、僕ははっぴいえんどのファンになり、 現在でもその曲は一番のお気に入りだ。曲との出会いは面白い。 偶然の積み重ねだ。
初めての大人の恋愛をした時は、石川ひとみの(三木聖子ではない) “まちぶせ”ばかりを何十回も聴いていた。 失恋ではあったが、最後に恋したときは、かの香織の“午前2時のエンジェル” を聴いて胸を熱くした。
歌詞にこういう箇所がある。素晴らしいんだなぁ
『さあほらBABY 翳ったベールをはずして その胸にある 裸の言葉を 渡しにいこう』
そういえば、そのときの女性に贈ったオルゴールのメロディは ミスチルの“イノセント・ワールド”だった! おお・・ミスチルをプレゼントしていたなんて、何といういいセンス。 しかし、何故ミスチルを選んだのかはどうしても思い出せない。 タイトルに惹かれたのかもしれないな。
我が人生最大の思い出の曲は、“ドナウ河のさざなみ”。 親しみやすいクラシックの名曲だ。 小学4年生の時、親に初めて買ってもらったクラシックのシングル盤だった。 毎日、それこそ擦り切れるくらい聴いていた。 5年生になり、全寮制の養護学校へ転校するときにそのレコードを持っていた。 親元を離れての初めての夜、僕は遊戯室のポータブル・プレイヤーで ひとり“ドナウ河のさざなみ”を聴いて、恥かしいくらい泣いた。 あの時の事は忘れられない。 すっかり養護学校の生活にも慣れた頃、 タンスに挟んでうっかりそのレコードを割ってしまった。 悲しかったが、買いなおす事はしなかった。 大人になった、ということだ。
響 一朗
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