A Thousand Blessings
2004年1月〜最新ひとつ前に戻るひとつ先に進む


2004年01月17日(土) 君は田中清司を聴いたか?!

松浦あややの新作3rdアルバム「×3」の中の1曲、“可能性の道”がいい。
トッド・ラングレンで来たか!
ま、アレンジャーの河野伸の趣味だとは思うが、なかなかいいところに
目をつけたと思う。しかし、この曲を聴いてアルバム「未来から来たトッド」を
思い浮かべる若者が果たしているかどうかだが(別にいなくても何らかまわないが)、
興味があったら聴いてみて欲しい。音楽的アイデアの宝庫だ。

唐突だが、ともさかりえの名曲“愛しい時”を眠らせておくのはもったいないと思っている、僕。
僕がプロデューサーだったら、松浦に歌わせる。
おお!頭の中で彼女が歌う“愛しい時”が鳴り出した!
いけるぞ、これは絶対にいける!上田知華が書いた極上のポップスを
極上のポップシンガー松浦が歌う個人的には夢のような企画。
そういえば、若い頃からこういう想像が好きだったなぁ。

さらに唐突だが、自衛隊のイラク先遣隊の隊長は
何故にあれほどイラク人顔なのか?
思いません?何らかの理由があって、ああいう顔立ちの人をあえて選んだのか、
我が家族は真剣に考えている。

そういえば(何がそういえば、なのか分からないが)サッカーの川渕チェアマンが
ナオタロに“君が代”を歌ってくれと頼んだそう。
それに対してナオタロは「畏れ多い」と答えたそう。
「畏れ多い」だよ!「畏れ多い」。。う〜〜〜ん、ナオタロ、本音丸出し。
分かりやすい奴だわ。

何故だか今夜は吉田拓郎の傑作ライブ「LIVE’73」を聴いている。
今から30年前の拓郎がカリスマだった時代の貴重な証拠品だ。
当時は、今のただのオヤジっぷりからは想像が出来ないくらい、
特別な存在でオーラを放っていた。
でもまあ、カリスマ拓郎はとりあえず横に置いておくことにして・・・・
このライブアルバムで驚かされるのは、リズムセクションの恐るべき実力!
さて、ドラムス・田中清司、ベース・岡沢章と聴いてビビる人が
一体どれくらいいるのだろうか?僕はビビる。
岡沢は時に岡澤になる。どっちでもいいらしい。(聞いた訳ではないが)
いわゆるスタジオミュージシャンだが、ライブでも有名シンガーのバックで
弾いている。たとえば吉田美奈子や山下達郎etc
完璧なテクニックでグルーヴするその演奏スタイルに影響を受けたベース弾きは
数知れず。現役バリバリなので音楽雑誌に登場する事も多い。最近では娘が
ジャズシンガーとしてデビューしている。岡沢自身も歌っている。

問題は田中清司の方だ。
日本のドラマーで3人挙げろ、と言われたら、
村上“ポンタ”秀一と林立夫(元・ティンパンアレイ)、
それに田中清司を躊躇なく選ぶ。
しかし、田中清司はいつのまにか第一線から姿を消してしまった。
(僕の知らないところで仕事をしているのだろうが・・・CDのクレジットでは名前を
全く見なくなった)
彼の演奏を同時代で体験してきた僕らの世代(昭和30年前後生まれ)でも
田中清司の認知度は低いのだから、全邦楽ファンにまで対象を広げたら、
おそらく認知度は「ない」に等しくなるのでは?

が、実力では間違いなく先に挙げた二人の上を行っていた。
70年代の邦楽界は村上秀一と田中清司の独占状態だったと記憶する。
田中清司の最も有名な演奏といえば、井上尭之バンドに参加していた時代の
「太陽にほえろ」のテーマ曲(何度か録音し直されているが、オリジナルのみ
田中が参加している、はず)である。
あのドラムスはすごいぞ。これでもか!という具合に前のめりで他のメンバーを
グイグイ引っ張っていく。
ベースがついていけてない(笑)ちなみにベーシストは、岸部修。
(彼もオリジナルのみ参加)
現在は俳優の岸部一徳として有名なあの方だ。

当時、田中清司は歌謡曲のバックでとにかく仕事をしまっくていた。
すぐに彼のドラムスと分かる独特なスタイルなので、歌謡曲やアイドルポップスを
聴いていればその仕事量の多さが簡単に実感できる。
岩崎宏美の初期のアルバムでのプレイが一番のお薦めかな。
ぜひオリジナルのまま再発してもらいたい。
特にDJ糸井五郎が関わったものを!
(岩崎宏美の2枚目か3枚目だと思うのだが。名盤!!)
田中清司のドラムスをバックに糸井がDJをキメる。
おそらくベースは岡沢だと思う。
そのカッコよさといったら、もう・・・。
ちくしょー、どうでもいいアイドルポップスばかり
初CD化する前に、こういう絶対的な名盤から始めるのがスジってもんでしょ?
ようするにレコード会社のディレクターが無知だということか。

で、拓郎のライブだが、これを聴くと田中・岡沢のコンビがどれほど
「いい仕事」をしていたかが、分かる。
ポンタ・岡沢のコンビの仕事も多いが、どちらかと言うと
ポンタと組むといわゆるボトムから支える、
といった堅実なベースプレイに徹する傾向があるようだ。
そんな彼もひとたび田中清司とタッグを組むと豹変する。
田中清司の前のめりのグルーヴに乗せられて
ウネウネしまくっちゃう岡沢章のはしゃぎっぷりが実に楽しい。
どの曲も二人のリズム隊があればこそ、といった仕上がりになっている。
“君去りし後”“君が好き”“晩餐”の3曲が傑出している。
拓郎はどうでもいいから、リズムセクションだけを楽しむつもりで
1500円出してみてはいかがかな?
ちなみに若き日の高中正義のエッジのきいたギターも堪能できる。
安いもんですよ。




響 一朗

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