A Thousand Blessings
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2004年01月07日(水) ゆらゆら“なましびれ・なまめまい”帝国

社畜(会社という組織の奴隷)にだけはならないぞ!と気張っているくせに
気がつくと「売上げ昨年対比」などというものに翻弄されていたりする。
ああ・・病んでいるなぁ、、とつくづく思う。
心の中では大声で叫んでいるんだよね。
誰しもが何かに対して叫んでいる。
そんな叫び声を集めて音響に変えると、
ゆらゆら帝国のライブ盤「なましびれ・なまめまい」になるのかもしれない。

会社から草臥れた心と体を引きずりながら帰ってきて、風呂上がり水割り片手に
ジョニ・ミッチェルなんぞを聴くのもいいが、いっその事、ゆらゆら帝国の
音塊と化した轟音の世界に身を委ねちまうのも素敵かもしれない。
いや、素敵なのだ。
反省だとか辛抱だとか精進だとか、そういった俗世間の呪縛から
いったん離脱するために、轟音ロックやフリー・ジャズが存在してると、
僕は勝手に思っている。
聴き手を束縛せず、聴き手に何も求めず、ただ排泄する音楽。
そういった音楽に、僕はある種の潔さを感じる。
俗っぽい言い方をすれば、「カッコイイ」と思う。

昨年の個人的お気に入り10作品にもゆらゆら帝国の「しびれ」と「めまい」は
選出されていたが、そのあとに発売された「なましびれ・なまめまい」は、
スタジオ盤とは全くちがうゆらゆら帝国の姿を実にリアルに見せてくれる。
全体が音塊というわけではないが、部分的にそういうアプローチが見られる。
ノイズ界の雄、非常階段と全く同じアプローチである。
実際に彼らのライブに接した事のない僕は、このような演奏を想像していなかった。
もっと淡々と、いわばアシッドロックのように、
そうグレイトフル・デッドのように演奏していると勝手に思い込んでいた。
それだけに驚きは大きかった。
実に骨太の芯のある轟音。そして類い稀なる音響センス。
明らかにこれは、「才能」である。
しかもこのCDは何と!60数分収録されてたったの1000円!
こうなると第二弾として、傑作“ミーのカー”の特別長尺ライブヴァージョン
なんていうのを是非聴いてみたいものだ。
ゆらゆら帝国から目が離せない!


響 一朗

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