タイトル

 好きになる作家さんには、タイトル付けが巧い人が多い。

 例えば、恩田陸さん。
 「三月は深い紅の縁を」とか、ぞくぞく来ます。

 例えば、森博嗣さん。
 「笑わない数学者」のセンスには、もう圧巻です。
 英題のセンスも素晴らしいですね。「封印再度 - Who Inside」の掛け合いとか。

 例えば、村上春樹さん。
 「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」の響き。

 例えば、樋口祐介さん。
 「彼女はたぶん魔法を使う」なんて、小洒落かたが半端ないです。

 いちいち挙げたらキリがないのですけど、改めて眺めると、本当に素敵なタイトルばかりです。
 やはり、本の顔となるべきものだから、ここの力が抜けている作品は、内容もいまいちなのかもしれないな、と思う次第です。もっとも、タイトル「だけ」で終わる作品も、実は相当数あるのですけどね…。
2005年05月12日(木)

日々 / いけだ