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re-invention



 幸せな時間

早朝に目が覚める。長野の朝は,静岡に比べ当然寒い。
それでも,今年は雪が積もらず暖かい冬とのこと。
今日は新井先生のCabri3Dを使った立方体切断の授業を。
聞きたいことを書き出すと,約1ページにもなる。
こんな話ができる時間を持てる幸せ。

出掛けにいくつかの失敗を重ねてしまい,ちょっと遅れて到着。
校長先生へのご挨拶もそこそこに,授業教室へ。
信州大の宮崎先生の笑顔に迎えていただきほっと一息。

まずは昨日の復習から。
数学教室なのだろう。
掲示物や展示物に,数学授業に賭ける授業者の思いを感じる。
1年生の段階では,論証の基礎を培うレベル。
生徒は定義に基づいて図形をとらえているわけではないが,
きちんと定義が掲示してある。
生徒が理解していることを言葉で表すのは難しい。
わかるということの難しさ。わからせることの難しさ。
自分の授業でも,同じようなズレが起きているのだろうと感じる。
誰かの発言で,全員が一度に理解できるわけではない。
授業者のこだわりたいところと,生徒がやりたいことも違う。
コントロールしつつ,生徒の学びを促す授業者と,
教師の思いに沿うべく頑張る生徒たち。


Cabri3D上で動くコンテンツは秀逸。
昔,横浜国大の根上先生から紹介された立方体切断ソフト
virtual solid for windows95より自由度がある。
さらに,切断のラインが立方体を超えて見えるのがいい。
平行かどうかも一目瞭然。
二人一台のパソコンなので,
生徒同士の自然なやりとりが生まれるのもいい。

本題の切断面が台形となる場面での生徒のとらえも様々。
一組の対辺が平行になる理由も,
Cabri3Dで試しながら語っているので,
たとえ間違っているとしても,それぞれが具体的で面白い。

・(切断する)3つの点の2つが頂点だと平行。
・対角線上で切断すると平行。
・もう一組の対辺の長さが等しいから平行。
・平行な線(?)を切断しているのだから平行。
・立方体を切断しているのだから,当然平行な辺はできる。



教師が求めている理由は,
「平行な面を平面で切断しているから」
生徒は動的な作業を元に思考しているから,
平行という結果を生む「原因」,
つまり切断方法を理由としている。
教師が生徒に学ばせたいのは静的な幾何論証の世界。
宮崎先生の分析は的確。
授業者の求める学習課題とは違うし,時間もかかるだろうが,
生徒の思考の流れをくんで,そこからもう一段,
本当にそうなるのかや,なぜそうなるのかを
きちんと追究できたら,さぞ面白いことだろう。

授業後もかなりの時間を割いていただき,
宮崎・新井両先生からお話を伺える。
穏やかな語り口の中にも,
開拓者ならではの「志」や「心意気」を感じる方々。
校内研修体制についても話をしていただく。
今年の自分を反省しつつ,たくさんの思いをお聞きする。

特急しなので名古屋まで。
学校へ電話すると,うれしい話と気になる話。
3年ぶりに日本へ帰ってきた弟家族と会う。
変わらない暖かいものを感じ,これまた幸せな時間。


2006年02月21日(火) 心の揺れを
2005年02月21日(月) 忙しさの中で
2004年02月21日(土) 教え子を招いて


2007年02月21日(水)
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