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re-invention



 「学校がつまらない」という声を聞いて

いよいよ,授業も残り一週間。
通信表の処理等で,一日なんとなくあわただしい。

空間図形の位置関係を切断面の模型づくりで理解する授業と
回転体の展開図から,長さや面積を考える授業。
こちらの授業は欲張った分だけ山場がなく,いまひとつ。
考えさせる場面では,だいたいの図でよしとすべきだった。

総合は「私の選んだ道」
ゲスト講師をクラスに招いての2時間。
新採当時の部活の生徒だった一級建築士の松下さんにお話を伺う。
粋な和服姿での登場に,どよめく生徒たち。
若干30歳ながら独立し,まゆみ空間工房を構える。
家を建てるのにわざと1年かけて,依頼主を知り,
依頼主自身がどんな家にしたいのかを考える時間をつくる。
一番困るのは,依頼主がどんな家にしたいかを持っていないこと。
いちいち注文される方が,普通は面倒なんじゃないかと思うが,
人を大事にした家作りを楽しんでいるということなんだろう。
早く処理してたくさん作る方が儲かるが,
それをあえたしないこだわりにも感服。
これも自分で独立したからこそできるこだわりだ。
独立もしていないのに,
かなり勝手なことをさせてもらっている自分の甘さに気づく。
勉強が嫌いで美術と給食が大好きだったという話で
共感する生徒の多いこと。
「学校がつまらない」この一言にも半分以上が手を挙げる。
自分もそうだったし,その通り事実なんだろうが,
学校はその程度の授業・サービスしかし提供ていないということ。
「勉強は大変なもの」「それを我慢してやるのが教育」
こんな言い方では通用しない。
子供達の満足に答える学校になっていない。
「学校はハッピーになるために来るところ」でありたい。
迎合するのではなく,生徒の満足な顔が見られる学校にしたい。
子供達のモチベーションをどう上げていくのかということを
自分はいつも考えていたつもりだったが,
それも教師(自分)サイドの都合であって,
生徒の本当の声(満足度)に答えようとしないで,
勝手に生徒を動かそうと考えていたのかもしれない。
「自分が良かれと思ってやっていることに対して,
 相手に理解してもらえないときにどうするか?」
という自分からの最後の質問にも
「逃げないこと,繰り返し声をかけること」という答え。
どこからこの信念が沸いてくるのか。
独立し,自分の哲学を貫く日々がそうさせているのか。
いつも迷っている自分との差は大きい。
これまでは,迷う自分が自然体でいいと思ってきたが,
そろそろ迷いを人に見せてはいけない歳なのかもしれない。

放課後,終業式での代表生徒の言葉を一緒に考える。
苦労をかけている学級委員長。
きれいごとではなく,ぜひとも本音を語らせたい。

学校を変えよう。
生徒の満足度に答える学校にしよう。


2004年03月11日(木)
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