GARTERGUNS’雑記帳

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悔しいけれどお前に夢中/今日の下僕収穫
2005年03月17日(木)

今日一番怖かった一言:

「別に訴えられなければいいであろう

こちらのサイト様の日記参照。
きっとこの男は、あらゆる物事に対してこういう考えで臨んでいるに違いないんだ……!!!怖い、怖いよ!!でも其処がいい。(落ち着いて!)
アレ肯定派の人選にも物凄く納得。全員「歴史も因果も抗争経験もある一族のリュー」ゆえに、アレという手段を取る事にもさしたる抵抗が無いのかも。一人だけ手段と目的が逆になっている男が居ますが……
後、一人称「俺」にこいつきっと主人の前でだけ猫被ってるよ(クリスマス編での主への口調などから推測)と叫びそうになりました。素敵!!素敵よ!!
他の人々の魅力も含め、これ以上は此処ではとても書ききれない。
B様、まことに結構なものを有難うございました……!!

―――――

今日の下僕収穫:ちいさいモモちゃんより黒猫のプー
このお話に下僕とかしもべとかいう言葉を使ったら、ファンの方に怒られるかも知れないな。でもセンサーにビビッと来てしまったのだから仕方ない。
此処で言う「下僕」は、「主人ひとすじ愛情一本、見守り、世話をし、一生懸命尽くす健気な愛すべきキャラ」という事で一つ……。
説明としては「大好きなお姫様を守るナイト役」の方が良いでしょうか?でも、中々報われない上にライバルの男の子にいいとこ取られちゃうのが下僕テイストなんですよねえ……。

さてさて、このお話は超有名ですし、公立の図書館などに行けば大概置いてあるほどのものですので、内容を御存知の方も多いかと。
私も小さい頃に読んで大好きでした。とにかく人物や情景、行動など全ての描写が素敵でね……!!
今読んでみると、ユーモアとファンタジーに包まれたシビアさに、色々と考えさせられますが。(シリーズ第一巻の今作はそうでもないのですが)

簡単に内容を説明いたしますと、「モモちゃん」という感受性豊かでちょっぴり頑固で元気な女の子が生まれてから、三歳になるまでの成長の物語です。
こう書くと難しそうですが、全く堅苦しいことは有りません。
何と言ってもこれは「児童文学」、判り易い、読み手に語りかけるような文章と、何度も読み返したくなるような独特のリズム、様々な不思議な出来事などなどに彩られた、素敵な現代童話であります。(現在流通しているであろう改訂版が書かれたのは今からもう20年も前ですが、それでも描かれた情景や子供たちの姿が今尚色褪せないのは凄い)

で、本題の「プー」は、モモちゃんが生まれてすぐの頃からモモちゃんと一緒に育ってきた黒猫。もともとはノラだったのが、モモちゃんのママに「ぼくをこの家の子にしてよ」とお願いして家族にしてもらった、という経緯を持ちます。
このプーがね!もう、健気で可愛くてね……!!
特にグラグラ来るのが「およめさんごっこ」の話。
或る日、おうちで綺麗なレースの布を見つけたモモちゃんは、それを花嫁さんのドレスやケープに見立てて、およめさんごっこをしようと言い出します。
新郎さんはモモちゃんの傍に居た(と言うかいつでも傍に居ますが)黒猫のプー。
プーは自分の礼服が無い事を気にしますが、モモちゃんは「おむこさんは黒い服を着てるから(=プーも黒い毛皮を着てるから)だいじょうぶ」と言います。
モモちゃんを大好きなプーはもう大喜びですよ……!!
このシーンが読んでいて幸せで幸せで。
……最後にはプーがちょっと可哀相なオチがつくのですが。(この報われなさが下僕っぽいのだな……)

最初の方の、モモちゃんが「あかちゃんのうち」(赤ちゃん用の保育園みたいな場所ですね)へ行く所もツボでした。
「あかちゃんのうち」に預けられて最初は大人しくしてたモモちゃん、プーが居ない(猫は連れて行けないからとママに言われて、仕方なくおうちで留守番中)というのに、おいおい泣き出します。
「プー、プー」とプーを呼ぶのですが、モモちゃんを預かる先生たちには「プー」が何のことかわかりません。
さあ其処でプーの登場ですよ。
困り果てた先生から、その事を電話で知らされた(!)プーは慌ててすっ飛んでいくのです。
駆けつけたプーにモモちゃんはにこにこ、ご機嫌をなおします。
プーも誇らしげに「ね、モモちゃんにはぼくがいなきゃダメなんですよ」。

……!……!!!(言葉にならない)

他にも、プーがモモちゃんの為にと折角プレゼントをしてあげたのに、モモちゃんがそれを仲良しの男の子にあげてしまって、プーが大ショック&拗ねてしまう……なんて話もごろごろ。
とにかく、小さいモモちゃん(&ママ?)に振り回されながらも健気に頑張るプーが可愛いのです。


小さい頃と大人になってからとで、読んだ時に得るものが違う(そしてそのどちらもがすばらしく深い)という事がよく言われるこのシリーズですが、私の場合、大人になってから得たものはモモちゃんに尽くす健気で世話焼きで苦労性で報われない黒猫のプー萌えという観点でした。





汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気(おぢけ)づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる……





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