早速更新記録。 TOP絵変更。「封印の美姫の指輪」 掲示板の利用方法&表示形式変更。 それでは、また後程。 ――――― 先日からホットメールの方にウィルスメールらしきものがちらほら。 ウイルスバスターの全ファイルスキャンを毎日走らせている限りでは、このお馬鹿ちゃんなPCは感染などはしていないのですが。 風鈴堂様や同仁茶房様、和織花月様の所でも似たような謎メールが来ていると(各サイト様の日記参照)…… はて……。 ――――― 文章というものは、毎日書かないとどんどん下手になっていくのではないかと自分の書いたものを見て思いました。 ので、引越し時にコンテンツ削除してそのままだった「文字書きさんに100のお題」(配布元:Project SIGN[ef]F さま)に再挑戦してみようかと思います。 キリリク小説や原稿、その他の合間のストレッチとして(もしくは荒行として)頑張ってみようと思います。目標は出来るだけ。 恐らくアデュガルもパティガルもシュガルもCP無しも混じると思いますが如何か御勘弁を。 ――――― 001:クレヨン クレヨンが嫌いだった。 「線」が引けないから。 インクをつけたペンや鋭く尖らせた鉛筆の様な、くっきりとした綺麗な細い線が引けないから。 クレヨンを構成するものはインクの様に使うには余りに固く、ナイフで尖らせるには余りに柔らかい。 そんな中途半端なところも嫌いだった。 自分みたいで、苛々する。 「でもさあ」 と、向かいの席に座っているアデュー。 「俺はそういうクレヨンの柔らかい線とか、好きなんだけどな。 紙の上にクレヨン軽く塗るとさ、表面のでこぼことかも浮き上がって見えてくるだろ。 ああいう所とかさ」 先程から彼は、何処で拾ってきたのか七色のクレヨンを手に、此方をちらちら見ながら真新しいスケッチブックに何か描いている。 「偏屈で……思い通りに操るのも厄介なのに」 「でも、付き合ってく内に少しずつ癖が判って来てさ。 何かどんどん楽しくなるんだよ。もっとこれで絵を描きたい、って思う。 画材としての扱いとか、そんなの俺は素人だから知らないけど。 操るなんてピンと来ないし。 それでも、俺はクレヨン好きだぜ。 クレヨンにしか出せない色や柔らかいこの線が」 「…………」 「よし、でーきた」 と手を止めてアデュー。 彼はにんまり笑いながら、先程までクレヨンを走らせていたスケッチブックをこちらに向けてきた。 其処には、柔らかい……所々力みすぎたり掠れたりして太さも濃さも目茶目茶な……線と面で構成された、似顔絵。 辛うじて、アデューの向かいに座っている人物のそれと判るもの。 「……、……」 「え、何て?」 「……。無礼なまでに下手だと言ったのだ」 「うわ、ひでぇ」 苦笑いするアデュー。だがその表情は何処か嬉しそうだ。 「でも、そんな口叩けるって事は、この絵が誰なのかは判ってるんだよな」 「…………」 「へへ、今度はもっとうまく描くからさ。そんなむすっとすんなよ」 「如何でも良いから手を洗って来い」 「あ、いっけね」 言われて見て、手のとりどりの色に気付いたアデューは慌てて部屋を出て行った。 急にしんとなる部屋。 置いていかれたスケッチブックを取って見てみる。 クレヨンが嫌いだった。 けれど、それで描かれた絵は、嫌いじゃないと思った。
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