Leaflets of the Rikyu Rat
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感情は時間と共に風化しその間にまた別の感情が芽生える。或いは変遷する。
殺意は慈愛へ 憎しみは懐古へ 理性は感情へ
それが良いことなのか悪いことなのかは判らない。 けれど己の変化を認めれば良いと思う。思う。 理性は感情へ変わりまた別の理性が僕を秩序立てる。 そのようにして僕は更新され続ける。 僕の中のどうしようもない部分 僕の中のこうしたいという希望 僕の中のそうする理性 僕の中の感情 全てが混沌としていて全てが僕の中にあるのに 僕が手にとるのはそのときいちばん近くにあるものとなる それが良いことなのか悪いことなのかは判らない。 もう少し遠くまで手を伸ばしてみてもいいかもしれない
ジャンクションは切り替わる ある日あるコミュニケーションをとったその日から 突然に それはとても楽しいことだ。 人間の本質はコミュニケーションの中にこそ存在するのだと実感する コミュニケーションによって自己は確立する と僕は考えるから僕は揺らぎ続ける それはとても楽しいことだ。
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ねーねーねーねー、あたしだれかにいいふらしたい。Kがあたしとおさけ のんでくれたんだよ、それでこうしてるといいひとだなあっておもうって いってくれたんだよ。やりたくってやりたくってあたしのことひっぱりま わしたんだよ。ひろみとしたいっていったんだよ。キスしてくれたべろん べろんのキス。それでもって、あたしはちっとももとにもどりたいってお もわなかったんだよ。Kはやさしかったよ、ずっとむかしのKみたいだっ たよ、やさしくてりりしいKにあたしきのうあったんだよ、Kはあたしを だきしめつつしゃせいしたんだよ、ねーねー、セイエキがグリセリンでで きてたらどーなるとおもう? ってたちあがったKにあたしいったんだ。 わらって。ねー、セイエキがグリセリン。 え? セイエキがね、グリセリン。浣腸しちゃうよね。ぜんぶ出るよね。
(伊藤比呂美<青梅>「虚構です」より) (題名は伊藤比呂美「生きた男の一部分」より)
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