Leaflets of the Rikyu Rat
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2006年12月01日(金) |
しかしそれでも心中はひかりかがやいて |
深夜は加速する。 机に向かいじっと一点を見つめているその瞬間にも、夜はどこへ向かうのか、一層深まって行く。明日の朝など来ないかのように。 来なければいいのに、と思う。 朝なんて、来なければいいのに。 ひたすらこの夜の中に身を任せていたいと思う。 しかしそれでも朝は来るし、その朝は清々しいだろう。 朝が来ると僕は床に就く。 暗闇がとけてなくなってしまう前に。 だからその清々しさを僕は長いこと知らない。 皆が寝静まった夜、どこか遠くで聞こえる気がする喧騒、自動車の滑走する音、救急車のサイレン。 夜だからこそ感じられるそれを求めて、 どこかで感じられる息吹を求めて、 僕は生活する。夜に。 冬に。
あなたはわたしを知らない わたしはあなたを知らない しかし べつに見知らぬままでも心中はひかりかがやいて(安川奈緒「マッケンジー、ピンク」より)
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