Leaflets of the Rikyu Rat
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2006年07月06日(木) 非・nichijo

よもやテポドンが発射されていたとは露知らず、安眠を貪っていた午前。
眼を覚ませば完全に寝坊。目覚まし時計を消した記憶はござりませぬ。
皆勤していた授業を逃してしまいショックを受ける。
インターセックス・障害者の性など話が非常に重たい方向へ進んでいたところであった。
残念に思いながら外へ出れば夥しい数のパトカー。取材用のカー。警察官。
一台だけ救急車が通り過ぎて行った。
最寄のローソンへ行けばランプが点滅したまま停められた覆面パトカー。
「ただいま防犯カメラを確認中です」無線で交わす私服の女性。
周辺地図をコピーする制服姿の警察官。
強盗でも起こったのだろうかと訝しめど、雑誌を立ち読みする一般人の様子を見る限りそうでも無いようである。
列に混じり雑誌を手に取り意識を傾けた。

暫くすれば轟音。
何事かと思い外へ出れば低空飛行で近づいてくるヘリコプター。
一台、二台、三台。
同じように家から外へ出て空を見上げる住人たちは互いに顔を見合わせ言葉を交わし始める。
何かあったのだろう、しかし何があったのか良く分からない、
他人に聞き込むのも躊躇われる、後ろ髪引かれる思いで帰路についた。

最寄のローソンからアパートまでは自転車で僅か二分程度だ。
アパートの隣り、いつも通っている美容院から店員のお姉さんが
(おそらくヘリコプターの轟音のせいだろう、)顔を顰めながらドアから顔を出した。
急ターンをし彼女の方を向き「何かあったんですか」と尋ねる。

「すぐそこ、もう本当に近所であったんだって、強盗殺人」

ニュースでしか耳にしない単語に驚き眼を見張れば

「犯人がまだ逃げ回ってるんだって、外出しない方がいいかも」

なかなか怖いことを言う。

「今、行けますか?」

客が見当たらなかったので散髪できるか尋ねたら
あまりにおかしなタイミングだったのだろうか、
大笑いされながら「大丈夫」といわれた。
すぐにまた来ます、と言葉を残し一旦家に戻る。
ネットで検索しニュースの情報を探る。
NHKにて「大阪府豊中市女性死亡」の記事を発見。

「大阪府豊中市の閑静な住宅街に住む58歳のパートの女性が頭から血を流して死亡しているのが見つかった。」
「5日午後1時半前、住宅1階の応接間で、パート従業員の女性(58)が頭から血を流してうつぶせに倒れているのを、訪ねてきたパート仲間の女性が見つけ、警察に通報した。」
「パート仲間の女性は、一緒に仕事に出かける予定だった女性が電話に出ないことを不審に思って家を訪れた」
「警察は何者かが女性を殺害し部屋を物色して逃げたとみて、強盗殺人の疑いで捜査を進めている。」

そこに記されていた住所はまさに“丁”内。
ただ、とっくに犯人は逃げているのでは無いかと思い(聞かせ)、少しだけ安心した。

美容院へ行く。

「頭をぼこぼこに殴られて殺されたって聞いたよ」

暴力的な台詞に言葉を失う。

「近所で今日ナイフを持った二人組がうろうろしてたんだって」

「けどぼこぼこなんだったらナイフは関係無いんじゃないですか」

「そうだねえ、おかしいね。」

被害者の実名もあっという間に耳に入ってきた。
店員さんも聞き込みをされたらしい。

「「○○さんって言う方のこと、知りませんか」って聞かれたよ。」

「ここにいつも来るお客さんなんだけど、毎日新聞のひとに九時から十二時まで何をしてましたかって聞かれたんだって。
 何があったんですかって聞いたら、私の口からは言えないんですが、明日新聞の一面に出ますって」

散髪が終わり冷たい飲料でも買おうと再びローソンへ赴く。
二百メートルにも満たない道のりの中で警察関係者らしき人間十数名とすれ違った。
周囲は完全に騒然としている。非日常的空間。
まさか身の回りでこのようなことが起こるとは思わなかった。

被害者の方のご冥福をお祈りすると共に、一刻も早い事件の解決を願います。

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その後「後頭部に数か所先のとがったもので突かれたような傷があり」というニュースが出ていたので、「ナイフを持った二人組」が犯人なのだろう。
早く捕まって欲しい。


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いつも投票ありがとうございました。(12/15)

加持 啓介 | MAIL

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