一昨日の晩のこと、何やらテレビを見ていたダンナが、突然言い出した。
「…うちも同じやな。Sako?」
「何が?」
← 卓袱台の上のパソコンで明日の仕事の準備中。「夫婦の会話がない」
えっ…。 きゅ、急に何を言い出すんだ。
すわ、離婚の危機か…? ちょっと、この雰囲気、まずいんじゃねえ。
そこで、ここは可愛く視線をウルませて。
「何でそんなこというの?」 とばかりにダンナの顔を見つめると。
「だって、いつもどっちかが寝てるやん。僕が起きてると、Sakoは寝てるし。
Sakoが起きてると、僕は寝てる。やろ?」
だから。 うちは夫婦の会話がない、と冗談ぽく笑っている。
なるほど。そーいや。お互い忙しくて毎日すれ違い。
遅い夕飯のあとはどっちかが布団にも入らず寝てしまう。それも爆睡状態で。
大きな体と鼾の往復。熟年夫婦。色気もへったくれもないのだわ。
…まいど、す、すみません。 もう一つ、本日の夫婦の会話。
風呂上がり。
体に巻きつけた私のバスタオルの裾をひょいと持ち上げて、ダンナ曰く。
「まだないね」
「何が?」
「白髪…」
バ、バカヤロォ!! どこ見てんのよーッ。
…失礼ね。
Sako