京のいけず日記

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2006年02月07日(火) 日常の谷間で

駅の階段で立ち止まる人昨年の冬、朝の通勤途中に、駅の階段でこういう人を見かけた。

突然、油が切れたように、その人は立ち止まってしまった。動く事をやめて、この人はどうなってしまうんだろう…。不安だった。
ほんの数秒間がとっても長く感じられた。


今。家の中。
無気力状態でじっと動けない私がいる。

この状況を何とかしなくてはと予定を入れ、仕事に出る。からっぽであることをごまかす為に、何かに夢中になり、没頭する。
何かに追われる自分を日々演出する。
でなければ、きっと立ち止まってしまう。


ある日、ひとりになって気づく。 
…自分には何もない。

何もないのでは虚しくて生きていけない。
一人では生きていけないから、人と関わり、契り、物に固執し自分を縛るのか。

人との関わりなしで自分探しなどしても見つかる筈もない、
と新聞のコラムにあった。

なるほどと思った。
言いかえれば、人との関わりなど要らぬと思えば、自分探しの必要も、生きている必要も又ないのかと、そうも思った。

人間だけが、こんなにややこしいものなのか。

この長い人生に、何もない自分は、いったい何のために生まれてきたのか…
と、前世たぶん虫であったろう私は、未だ青臭いことに惑う。



では、では。晩ご飯の大根も煮えたので、出勤、仕事に逃げるとします。
こんな私でもたぶん頼りにしてくれる家族の為にがんばろ。


Sako