京のいけず日記
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2005年06月27日(月) |
通勤文庫 沖田総司 著:松田十刻 |
月曜日はカリキュラム調整の休講日。ゆえに仕事はお休みでした。 日記も二度目の更新。毎日きちんと更新されている方ってすごいですね。
ダンナは会社へ、子ども達はそれぞれ学校へ。 久々に家で一人きりになるかと思えば、まる子ちゃん、お家におます。 昨日、日曜参観だったもんで。
…ま。側にいても、ダンナほどうっとしくないや (いやん、本音炸裂ーっ)
 沖田総司 新選組きっての天才剣士
著者:松田十刻 2003年12月17日発刊 PHP研究所文庫 @686(税別)
冒頭、池田屋事変の発端で。 「ほんとうに土方さんが、あんな拷問をしたのかね」と 沖田に言わせる作者。
そんな作者の「土方歳三」が読んでみたいなぁ。 え〜。副タイトルは…
「新選組きっての天才女たらし… &オルガナイザー&偏屈王&茶目っ気大王……。」
タイトル通り、天才剣士、沖田総司が主人公の小説。
話は、沖田の視点から、冒頭の池田事変に始まり、 上洛前から新選組、黒猫が登場する、最期の日まで描かれている。
試衛館の内弟子時代が面白い。 若先生(近藤勇)の借金申込みの使い走りに行かされたり、 白河藩、剣術指南役との手合わせのエピソードがあったりと、 同じ多摩、試衛館時代の事が書いてあっても、何だか新鮮に映ります。
それもそのはず。 何たって、誰かさんが丁稚に行って逃げ帰ったとか、 器用に薬を売りながら道場破りしていたとか、 吉原で浮名を流したとか、そんなんばっかりだもんね… (^^ゞ
いや、新選…もとい、新鮮。
新鮮といえば、この小説の沖田総司も中々いい。 従来のイメージに泳がされることなく、 史実を小まめにふまえ、妙にひょうきんでも、優しくもない、 幕末に生きた二十代の青年像に迫っている。
淡々とした文章で、遊びはないが、 事件の背景など、うんざりしない程度に押さえて書いてあるので、 長年ミーハーの私でも飽かずに分かりやすい。
「七歳年上とあって気軽に声を掛けることはできなかった」 と、内弟子時代の描写で、総司と歳三との関係を書いているが、 実際、そんなところだったのかも、と思う。
大人になってからは、あんまり大した差ではないけれど、 10代の頃の七つ(異説あり)違いって大きいもんね。
住み込みの内弟子で、何かと周囲に気を使う少年にとって、 若先生と親しい、年の離れた、やや変り種の男。
ガキなど目にない、っていう風に、兄貴風吹かしていたのかな。 でも、腕は総司のほうが上だもんね。兄弟子だし。
でも。じゃれ合うような親しさはなくても、ずっと一番隊の筆頭に置き、 手元において、身内のように可愛がっていたのは間違いないんだろうなぁ。
この本の中の歳三は、沖田総司の側から、しごく客観的に書かれている。
が。歳三ファンとしては、ほんの数行でも見逃せない。 近藤や、総司に、時おりべらんめえなところを覗かせる土方が魅力的だ。
次は森満貴子さんの懐かしい沖田総司でも引っ張り出してくるかな。
Sako
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